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「めっちゃゲイだね!」

みなさん、"That's so gay!"という表現をきいたことがありますか?直訳すると、「めっちゃゲイだね!」という意味になります。しかし、この表現は「カッコ悪い、ダサい」という意味でカナダやアメリカの北米圏使われています(そして、おそらく、オーストラリアやイギリスといった英語圏でも使われている思います)。

元々、「カッコ悪い、ダサい」という表現は、It's not cool(カッコ良くないね)とかIt's lame(ダサいね)という言葉がありましたが(左記の表現は、今でも使われています)、いつからか"gay"という単語が「ダサい」という意味で使われ始め、いまや定着してしまい、特に若い人たちのあいだで使われてしまっています。

この表現は、学校にいる子供たちのあいだでも定着してしまいました。ゲイであることは、元々カッコ悪いことでも何でもないですし、ゲイである子供たちの自尊心を傷つけてしまう上、道徳的に良くないということで、that's so gayと言われたらthat's so yesterday!(めっちゃ昨日だね!)と言い返そう、または言い直そうというムーブメントが現地の学校で起こりました。

これは、5年ぐらい前に大学院の授業で一緒だったクラスメイト(現地の中学校の先生)からきいた話で、正直、私自身にとっては衝撃的な内容でした。このことを教えてくれたクラスメイトに「なんで、that's so yesterdayなの?それは、どういった意味なの?」と尋ねてみましたが、「分からない」と返されてしまいました。私自身のそのムーブメントの印象としては、gayという言葉がネガティブな意味で使われているから、とにかくそういった意味で使わないようgayをyesterdayという前後の文脈に合わない言葉へ置き換えて、その表現を無くしていこうという感じなのかなと解釈しました。

ちなみに、今でもこのthat's so yesterdayムーブメントがあるのか調べてみたら、2018年にthat's so yesterdayに関するオンライン上の記事があったので、まだありそうです。

しかし、皮肉だなと思うのは、that's so gayという言葉を使われてしまっている当事者のゲイの人たちは見た目でカッコいい人たちが多く(あくまで私の周りにいるゲイの友人たちですが)、逆にそういった表現を使っていた異性愛者の友人たちは必ずしもカッコいいとは言えないような人たちで、that's so heterosexual!(めっちゃ異性愛者だね!)とかthat's so straight!とか言い直した方が良いんじゃない?って思ったのは良い思い出です。

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