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真鶴日記#15 ~朝と自動化~

5月19日。今日は出社日だったので都内に宿泊。遠く離れた深夜の新宿から、真鶴を語ります。

一日の中で、朝はいちばん特別な時間帯だと思う。通勤ラッシュや通学時間のおかげで、いつもは人気が無く、時間が止まってしまったのではないかと思えるほど静かな町も、朝方はその趣きが一変する。午前8時ごろ駅前に到着すると、ちょっとしたコンサートの開始間際くらいには人だかりができていて、また、ちょっとした秘密を見つけた気分になる。

新宿へと向かう電車で本を読んでいると、偶然、こんな一節を見つけた。

街を観察するのに最良の時間は、世界中どこでも夜明け頃から数時間のあいだである。昼過ぎや夜にも他の時間帯にない発見がないわけではないが、一日の終わりよりは一日の始まりの方がいつでも一貫しており、また厳格に動きが決まっていることが多い。地元独特の空気を吸収しようとしている私たちにとって、朝の通勤時間が始まり、街が脈動し出すこの時間帯には、短い時間で多くの人を観察しやすいという利点がある。

『サイレント・ニーズ ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る』ヤン・チップチェイス、サイモン・スタインハルト著、2014年、英治出版、151P

明後日、早朝の漁港にでも行ってみようかしら。

こんなこと、今更言わずもがなだけれど、自動決済は本当に便利だ。過疎地とはいえ、真鶴でも自動決済システムは至る所で導入されている。お店の人もさぞかし手間が省けるのだろうから、これを使わない手はない。

自動化のシステムさえあれば、究極的にはお店に人はいらない、という状態が実現できてしまう。だけど、この町のお店にいる人たちには、今のまま、たとえ全ての業務が自動化されたとしても、お店に立っていてほしいな、と思ったりする。だって、彼らとなんでもないおしゃべりをするために、お店に行っているようなものなのだから。

かつては人でごった返していたという「大道通り」。右奥、紫の構えをした和菓子屋さんはPayPayが使える!

おわり


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