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#4.今日も一緒にお風呂入ろう(妻の投稿)

私が夫婦のルーティンとして気に入ってるのが、一緒にお風呂に入ること。

時間と光熱費を節約する目的で二人いっぺんに入浴し始めたのがきっかけだが、気に入ってるポイントは別にある。

ひとつは、夜の自由時間にメリハリがついたこと。

夜ごはんを食べたあとの自由時間。ついつい特に興味のないテレビを惰性で観たり、スマホゲームに夢中になったり、SNSをしたり、そのままごろ寝したりする。
一人暮らしのときは、「ああもう寝る時間なのにお風呂入ってないや。面倒くさい。」ってなってた。

それが二人になるとどっちかが「そろそろお風呂行こう」と切り出す。夫が言う時もあれば私から言う時もある。これが学校で言うところの予鈴。

風呂の栓を閉め、お湯張りボタンを押しに行く。15分くらいで「♪♪♪お風呂が湧きました♪」とお姉さんが言う。これが本鈴。

チャイムが鳴ると、ふたりいればどっちかが動き出し、もう一人はそれにつられて風呂へ向かう。

二人同時に入ることで「面倒くさいから朝風呂入ろう」がほとんどなくなった。

お互いのちっちゃい自制心に頼りながら、騙し騙しでも生活にメリハリをつけれるのはすごい。自然に助け合ってるんだなと思った。

もうひとつは、余計な音や情報が入らないため、話がしやすいこと。

私たちは声が小さい。

電車、テレビの人、上司の怒声、鳴り続ける電話、おっさんのくしゃみ。毎日色んな音に負け、言葉が掻き消されていく。思いはあっても声が届かず、悔しくて悲しくなる。あー水どうの藤村Dみたくなりたい。

そんな人間を癒す独壇場がお風呂。

風呂に入れば、全ての音が遮られる。テレビもスマホも他人もいない世界で、自分の声にエコーがかかる。発言するのに力む必要がない。

小声な二人でも自然と陽気でおしゃべりになれる。

今日あったこと。前から考えてたアイデア。どうでもいいダジャレ。悩み事。体の話。歌。将来のこと。とりとめもない話から重要な話まで、ポロポロ言葉が出てくる。

そこは、アイデアが飛び交う会議室。気持ちよく歌えるライブ会場。主役になれるステージ。プライバシーが守られた相談室。

「ああ今日私はこれだけ届かない気持ちを溜め込んでいたのか。」と気付く。

毎日その数十分、私はコンプレックスから解放されて小さな憧れを実現できる。叶えてくれるのは風呂と夫。

だから今日も一緒にお風呂入りたい。

どうかね、夫くん。



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