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4年半ぶりの香港と33年ぶりの台灣 2日目

2日目の今日は「香港鐵路博物館」「香港文化博物館」に行きます。


香港鐵路博物館

私は鉄オタではありませんが、乗り物全般が好きなのでいつか行ってみたいと思っていたのがここです。
なぜこれまで訪問せず「いつか」にしていたかというと、到着までの道のりが少々面倒だからです。定宿の重慶大廈あたりからだとMTR尖東駅まで歩き、さらに紅磡駅で東鐵線に乗り換えます。さらに最寄り駅からはバスか徒歩で、移動時間もそれなりにかかります。なので鉄オタではない(しつこい)上に、極度の面倒臭がり屋の私にはハードルが高かったのです。荃灣方面だったら尖沙咀駅からMTRに乗ってしまえば、時間はともかく乗り換えがなくて行きやすいんですけどね。
今回は時間に余裕を持たせた旅行にしたので、めでたく初訪問と相成りました。
旅行時間を有効に使うために、オープン時刻の10時ちょうどに行けるよう出発したつもりでしたが、やっぱり慣れないエリアなのでちょっと遅れて着きました。

香港鐵路博物館はもともと九廣鐵路の大埔墟駅として生まれました。1980年代初めの電化にともない、大埔墟駅が現在の場所に移転した跡地を利用したものです。大埔墟駅と太和駅の間にありますが、太和駅からだと川を渡る必要があるので、やや遠いですが大埔墟駅から歩きました。
大埔墟駅には街市及熟食中心があるので、早めに来てここで朝ごはんを食べてもいいかもしれません。

太和駅からの道すがら、こんなモザイク画が
メインの入口
旧大埔墟駅の駅舎
転轍機ってヤツ?
やけにキレイ 本物?レプリカ?
トロッコ
トロッコ メンテナンス用に使われていた?
蒸気機関車
10月から新規に展示された60号ディーゼル機関車
2021年引退なのでまだ新しい
51号ディーゼル機関車
51号ディーゼル機関車
客車と腕木式信号機
数輛の客車の中で一輛だけ朱色の客車があった
客車内 近畿車輛株式会社のプレート

私はこの時代(1979年くらい?)の客車に一度だけ乗ったことがあり、この時に車輛が日本製だった覚えがあるのですが、その記憶が正しかったことがわかりました。
メーカーは近畿車輛でも、日本の通勤電車とは違って高さがあるので開放感がありますが、逆にその広さがちょっと落ちつかない気もします。

ここは名称こそ博物館ですが、実際には鉄道公園みたいな感じです。無料ですし。
たまたまボーイ/ガールスカウトみたいな団体(バッグに「童軍」と書いてあった)が見学に来ていて、引率者が簡単な説明をしていました。博物館の職員も控えていて、「そこは登らないで〜」なんて声をかけていました。
鉄オタではない(まだ言うか)私ですが、駅舎にある資料や全車輛をぷらぷらと2往復くらいして写真を撮っていたら、いつの間にか1時間以上経っていました。
というわけで、興味のある人なら行く価値はあると思います。
帰りはバスも考えたのですが乗り場がよくわかりません。結局、MTR大埔墟駅よりは微妙に近い太和駅まで歩きましたが、橋を渡るのがちょっと面倒で、時間はあまり変わらない気がしました。

香港文化博物館

MTR沙田駅で降りて、タクシーにするかバスにするか迷いましたが、大した距離でもなさそうでなのでタクシーはやめて、バスにしようと思いました。でもどのバスかよくわからないのと、待たされるかもしれないので結局徒歩にしました。
ただこれが結構な距離で、慣れていれば違うのでしょうがショッピングセンターを突っ切り、ウロウロしながらトータル20分くらいもかかってやっと博物館に到着。やっぱりタクシーかバスが正解だったかな。

あれ、チケットは?

チケット販売窓口を見つけたのですが、なぜか閉まっています。おかしいな?と思ってキョロキョロしていたら、職員に声をかけられました。
チケットをどこで買うか聞いたところ、なんとタダ!こんなに大きな博物館なのに、いいんでしょうか?
普段は料金がかかりますが時期によってはタダということで、今回はラッキーな時期に当たりました。

掲げられた大きな看板
入口近くの案内標識
ブルース・リーがお出迎え

常設展示エリア

まず向かったのは常設展示エリアです。特に興味がある展示ではなかったのですが、せっかく来たのですから回れるだけ回ろうと思いました。
展示されているテーマはいくつかあり、中国美術の展示、金庸に関する展示、粤劇関連の展示があります。
この粤劇のブースが面白かったです。二胡をはじめいろいろ粤劇用の楽器が紹介されていて、もと吹奏楽部員だった私は演奏したくなっちゃいました。
他に児童向けの展示で「兒童探知館」というのがあるのですが、私には縁のない場所なので入りませんでした。

絶代芳華・梅艷芳

正面の階段は梅艷芳が占領してる

次に向かったのは期間限定の特別展示「絶代芳華・梅艷芳」展エリアです。ただ、思ったほど広くはないです。
ここにはアニタのレコード/CDが全部展示されています。私は彼女のカセットテープをライブコンサート盤以外すべて買いましたが、そういえば最近聴いてないな、と思い出しました。
他にコンサートで着用した衣裳の展示もあり、よく保存してあったな〜という感じです。私はファッションに詳しくないのですが、これは間違いなく貴重品でしょう。
あとはトロフィーの展示ですね。トロフィーなんて普段見る機会がありませんから、私の感覚だと衣装よりさらに貴重と感じられます。トロフィーは捨てるようなものではないので残っていて当然なのかもしれませんが、これまで管理していた人は大変だったろうな、と想像します。

瞧潮香港60+

瞧潮香港60+入口
瞧潮香港60+の外観
瞧潮香港60+の外観
瞧潮香港60+の外観

次に向かったのは「瞧潮香港60+」。こちらは常設展示に含まれています。
いやはや泣けました。許されるなら展示ブースに居住したいくらいです。ガッツリ2時間以上かぶりついていましたよ。
私は60〜80年代の香港のポップカルチャーが大好きなので、ものの見事にツボにハマりました。
著作権の関係などで写真はほとんど撮れませんが、そのかわり網膜に焼き付けたいところです。
展示物の多くが有志の提供によるものですが、これらを取っておいた人ってどんな人だろうと思います。香港は日本以上に生活空間が狭く、新聞はもちろんですが雑誌、小冊子なども保管する場所が確保できず、読み終えた早々に手放す人が多いだろうことは想像に難くないです。

平凡•不平凡 ― 李小龍

そしてブルース・リーの展示ブースへ。文化博物館ではちょっと前まで「李小龍—經典永續」という展示があったのですが、予定より早めに終わらせて「平凡•不平凡 ― 李小龍」の展示に変わりました。事実上の延長みたいですね。李小龍の特別展示は2013年から断続的に行われているのですが、好評のためよく展示期間が延長されています。
ここも写真は完全にNGで、職員がカメラのマークに斜線が入ったイラストのプラカードを持って巡回していました。入口には「写真を撮るより、リーのスピリットを感じて下さい」という注意書きがあるのです。「Don't shoot, feel!」ってことですね。
多数の写真をはじめ、自筆の手紙、映画の衣装、練習に使った道具などあらゆるものがそろっています。個人的には木人に触ってみたかったのですが、もちろんそんなことは許されません。
ここ、もう常設展示でいいじゃん、と思います。そもそもこのくらい多数のお宝があれば、ブルース・リー専門の博物館ができそうなものなんですが。广东省佛山にはブルース・リー記念館があるらしいですけど。

その他の展示

期間限定の特別展示は他にもありましたが、それほど興味のあるものがなかったのでとりあえず目を通しただけでした。
ただ、一つだけ立ち止まってみたのは「保良局」の紹介ブースです。
なんとなく漢字でわかると思いますが、主に青少年の健全な育成を支援し、社会に貢献する目的の慈善団体です。本部は銅鑼灣に置かれています。また青少年向け以外にも様々な活動があり、なんと145年の歴史があります。かつては人身売買から若い女性を救い出すような事業もしていたそうです。
ここでの展示ではざっくりした紹介ですが、本部に博物館があるそうです。次回訪問先の候補にしようかな。

今回見ることが叶わなかったのですが、屋外には「絶代芳華・梅艷芳」の広告でラッピングした古い中華巴士Leyland Fleetline(車番SF15)を数日展示する予定でした。しかし梅艷芳迷と巴士迷が殺到して危ないということで、即撤収になったそうです。残念至極。
私個人の昔話ですが、Leyland Fleetlineは雲景道の家から中環に出かけるとき何度も乗ったバス(車番は違います)なので、本っっ当に見たかったのです。

ところで、近い将来尖沙咀にある香港科學館をクローズして、ここ文化博物館と統合する計画があるそうです。私は科學館は前回の旅行で訪問済みなので、今回はパスしました。文化博物館は広いですけど、科學館もかなり広いので収蔵品を減らされたりしたらイヤですね。
科學館をクローズした跡地には「国家の発展と成果を紹介する専門の博物館」施設を造ると言うことです。ふーん。
もともと科學館がやや子供向けですから、新施設は小学生の校外学習コースにでも組み入れるんでしょう。隣に大人向けの「香港歷史博物館」があるので、役割分担なのかな。まさか、歷史博物館まで統合されたりして…。

帰りはMTR沙田駅だと遠くて懲りたので、MTR車公廟駅まで歩くことにしました。
ゆるい風に吹かれながら、車の通れない細い橋がかかった川を渡ります。そろそろ日が傾き加減になってきました。いい感じです。

尖東

MTR車公廟駅から乗車し、乗り換えもなく尖東駅に到着。さてせっかく尖東に着いたのですから、今度は食材を買うために麼地道の惠康に向かいます。どこにでもあるイメージの惠康ですが、観光客エリアの尖沙咀には数が少ないのです。なお佐敦にはうじゃうじゃあります。帰国前日にスーパーで買い物をすると、欲しいものが買えなかったときに焦るんですよね。
欲しかったのはマイナーブランドの甘くないオイスターソースだったのですが、やっぱり李錦記が強くてマイナーブランドは置いてないみたいです。あきらめてつまみや缶詰、菓子類を買って、一旦ホテルに戻ります。

見切り品ポテチ チリ&ライム
子供の頃から好きなやつ

充実した一日でしたが、まだ行きたいところがあります。深水埗の下見です。
もう一日九龍に充てる予定なのですが、深水埗ではレコード屋を中心にくまなく歩きたいのです。

深水埗

重慶大廈で両替をして、MTR尖沙咀から深水埗駅へ。
ただ夜になってきたので、屋台の店は次々に閉店してゆきます。
最近はミニバンを屋台の代わりに駐車する人がいるのですね。荷室に靴をごっそり詰め込んだハイエースを見かけました。
固定の店舗も心なしか閉店が早いようです。以前はもっと遅くまで開いていたような気がするんですが。

以前、Facebookで友達になった香港人から教えてもらったレコード屋を探し当てました。
店に入って物色すると「今は売らない」と言われてしまいました。「欲しかったらFacebookで」って、どうやら今では店頭では買い入れしかやらず、売る方はネット販売限定になっているようです。うーん。
全体的に閉店時刻が早いという事は、開店時刻ちょうどに来たほうがいいのかな?

今日はこれでおしまい。
明日は香港島に渡り、「香港中央圖書館」「香港賽馬博物館」を訪れます。


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