ママがいない夜のこと
先日は妻が仕事の都合で夜帰ってこないということがあった。ほとんどないことなのであるが、その日は特別でだいぶ前から予告されていた。
うちには4歳の娘と1歳の息子がいるのだが、一人だけでも実家に預けるかと、妻から提案を受けたが、大丈夫そうな気がして断った。
毎日、4歳と1歳の二人の子どもを私が保育園に迎えに行って、寝かしつけるところまではしている。
ただ妻が一晩中、帰ってこないというのははじめてなのである。いつもは1歳の息子は夜中に起きて、おっぱいを飲みながらもう一度寝ている。
妻がいなければいないで、おっぱいを飲むことを諦めるかと思い、一晩くらい余裕で過ごせるかと思ったら大きな間違いであった。
9時半には二人とも寝かしつけて、いろいろな人のnoteの記事を読んでいる時はまだ良かった。
そして10時半頃には私も布団に入り眠りについた。
しかし、しばらくして目を覚ますと1歳の息子が起きて布団に座って不思議そうな顔をしているのである。時計を見ると0時である。
妻がいることをまだ微塵も疑っていない様子である。布団にいないことが分かると、部屋中を探し出した。
妻が、妻の部屋にいないことが分かると、いよいよ現実が分かってきたらしい。泣き始めてしまった。
最後には玄関に行き、扉に向かって「ママー!ママー!」と泣くのである。思わず切なくなるが、私としても寝てもらわないと困る。
抱っこを提案したり、好きな絵本を持ってきたり、お気に入りの童謡を歌ったりしても玄関から動こうとしない。
やがて泣き疲れて布団に入って寝てくれた。この時、1時を過ぎていた。
これで安心して寝られると思ったのも二つ目の間違いであった。
ふと目を覚ますとやはり1歳の息子が布団の上で不思議そうな顔をして、座っているのである。時計を見ると3時であった。
嫌な予感がしたが、その予感通りで妻を探し、最後は玄関で泣くという先程と同じ流れを繰り返した。
さすがに疲れたようで4時過ぎに寝てくれた。
2時間ほど眠った後は、これまでとは逆の悩みが出てきた。夜に泣いて疲れたのかいっこうに起きてこないのである。
普段ならとっくに起きてくる時間になっても完全に眠っている。さっきまではあんなに寝て欲しかったのに、今度は起きて欲しいなんて、親の都合で子どもがかわいそうと思った。
しかしその日も仕事があり、保育園に行ってもらわなければいけないという事情もある。
ぎりぎりに起こして、なんとか保育園に連れて行った。
私も子どももなかなか大変な一日になってしまったのである。
保育園では子どもが大好きな先生が早番で、教室に入るなりその先生のところにちょこちょこ駆け寄って、満面の笑みで抱きついていたので、まだ救いがあったのではあるが。
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