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娘のお風呂入らない期とそれに対抗する秘密兵器

子どもを風呂に入れる。この当たり前のことが出来なくなることがある。それは娘にお風呂入らない期が到来した時である。

地球は誕生以来、氷河期と温暖な間氷期を繰り返してきた。

うちの娘も、お風呂に入りたい期と、お風呂に入らない期を定期的に繰り返しながら4年と3ヶ月の人生を送ってきている。

下の息子はねえね原理主義を貫いているので、娘が風呂に入らないといったら、自分も自動的にお風呂に入らない期に突入する。

ダブルお風呂に入らない期は、なかなか手こずるものである。こちらのお風呂に入ろうという提案には「入らない!」「入らない!」と議論の余地すらない拒否である。

しかし私は氷河期になすすべなく震えているしかなかった原始人とは違い、高度な文明社会に生きる現代人である。

現代にはお風呂に入らない期に突入した子どもをもつ親を助ける、お風呂入らない期強制終了グッズがあるのである。

その秘密兵器はバスボムである。丸い球形の入浴剤の中に小さなおもちゃが入っている気の利いたやつである。中身が見えないので、お風呂で溶かしてみるまで何が出てくるかわからない。

小さい頃からこんなに射幸心を煽っていいの?と心配にすらなる、子どもの好奇心をそそる道具である。
「バスボムあるよ?」の一言で一気に「お風呂入らない」の呪縛から逃れられることが多い。

日本のバスボムの進化は止まることを知らない。第四期お風呂入らない期に入った娘に対して使用したバスボムはソフトボールくらいの大きさがあった。

ソフトボールをお風呂に投入してそれが溶けると、またプラスチック製の小箱が出てくるのである。そしてその箱を開けるとついにおもちゃが登場するのである。

射幸心on射幸心と言える見事な道具である。この道具を用いると、「お風呂に入りたくない」という娘の中の大きな氷河も溶けてきれいになくなるのである。

ただバスボム使用に関しては、一つだけ気をつけなければいけないことがある。
それは、子ども用のアニメなどのイラストがついた袋に入った、球形のただの入浴剤も世の中には売っているということである。

これは私は悪魔の兵器、バスボムもどきと呼んでいる。

我が子のお風呂入らない期に心を病み、判断力を鈍らせている親は間違えてこれを買ってしまうことがあるのである。

毎晩の「お風呂入らない」という一点突破の攻撃に対して疲弊しきっているので、思考力が衰えているのである。だからこのバスボムもどき入浴剤は、バスボムにしてはやけに安いということに気づけないのである。

バスボムだと思ってこれを風呂に入れて、何もおもちゃが出てこなかった日のことは思い出したくない。

徹底した謝罪をした後に、お詫びとしての品物を用意することを条件に許してもらった。

二度とそのような日が来ないことと、お風呂入りたい期が一日でも長く続くことを祈っている。

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