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坂村真民「念ずれば花ひらく」

「念ずれば花ひらく」

この言葉は、詩人・坂村真民さんの母が、夫が先立った後、苦しい生活の中で自分を励ますために、念仏のように唱えていた言葉だそうです。

念ずれば花ひらく
苦しいとき 母がいつも口にしていた
このことばを わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつ ひらいていった

坂村真民「念ずれば花ひらく」


この言葉は、何事も一生懸命に祈るように努力をすれば、自ずから道は開ける、夢や目標が叶うという意味で、現在も使われていますよね。

私の好きな言葉でもあります。

ただ願うだけではなく、願いを込めながら丁寧に根気強く努力を続けていれば、いつかその努力は実を結ぶということで、私のこれまでの人生において、背中を押してくれている言葉でもあります。

私がこの言葉を知ったのは、卒業した高校にこの言葉が彫られた石碑が立っていたからです。正門を入ると梅の木があり、春先にはふんわりと梅の甘い香りがします。そのそばに佇んでいることに気づきました。

どうしてその石碑があるのかというと、昭和25年4月から6年間と、昭和40年から2年間を、坂村真民さんがこの高校で教員をされていたからです。数年前には、母校は創立百周年を迎え、新たに坂村真民さんの「すべては光る」と刻まれた石碑も建てられたようです。

光る 光る すべては光る
光らないものは 
ひとつとしてない
みずから光らないものは
他から 光をうけて光る

坂村真民「すべては光る」

能力がなくても、立派になろうとしても、なかなか思う通りになれなくても、支えてくれる、導いてくれるそういう光があるというような意味合いだそうです。

素敵な詩ですね。

私はこの詩を読んで、「念ずれば花ひらく」と合わせるにふさわしいなと感じました。自分でも一生懸命努力をし、それでも何ともならないときには、
自分をきっと導いてくれる人がいる。活躍できない人間なんて、誰一人もこの世にはいない。

そして、自分を手助けしてくれる、そういう人に感謝をして生きていかねばならないなと思いました。

何事もあきらめない。
人を、自分を、大切にする。
そして、感謝を忘れない。

そういうことを大切にしている高校なのかもしれません。

余談ですが、私ともう一人同級生の男の子がいたのですが、私たち二人は、この高校で何十年か振りに某国公立大学に現役合格し、留年することなく大学を卒業した人間だそうです(まぁ…この高校偏差値37だもんな…そもそも大学を受けるのも憚られるよなとは思いました)

しかし、諦めるわけにはいかないじゃないか。
違う高校に転勤した1年生の時の担任が、この高校には何のデータも過去問もないからと、高校3年の時には受験対策を手伝ってくれました。きっと合格できないだろう、きっと入学できてもついていけなくて中退するだろうと噂されていた私達ですが、諦めないで卒業しました。

今では少しずつ国公立大学に合格できる後輩も増えています。

諦めなければ、夢は必ず叶う。

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