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28歳、初めての東京湾の旅

学生時代はよく旅をした。
中国・四国・九州・関西の様々な場所へ行った。学生の旅行先といえばテーマパークなのだろうけれど、私は景色のきれいな観光名所をひたすら巡った。立ち止まっては自分の目に景色を焼き付け、満足をすると、今度はカメラを手にして、飽きるほどにたくさんの写真を撮った。

旅先では美味しいご飯やおみやげ物を探すのも楽しみだった。普段経験できないことを記憶にしっかりと刻みつけていった、そんな旅ばかりだった。そして、どれも自分自身の欲求と探究心を満たす"一人旅"だった。

そんな私も誰かと生きてみたいと思い、数年前に結婚をした。

結婚といえば、ハネムーン。

お互いにヨーロッパの旅なんて憧れるね!世界遺産も見に行きたいね!なんて話もしていたけれど、諸事情で移動時間の少ない国内旅行をすることになった。選択肢は、北海道もしくは東京。

私は西日本から出て生活をしたこともなければ、東日本・北日本への旅はしたことがなかった。北海道を選んでも、東京を選んでも新鮮でしかない。せっかく二人でハネムーン休暇を取得できたので、北海道をゆっくり巡る旅をするのも良いなと思ったのだけれど、これまた私の諸事情で北海道はまたの機会に行くことになった。

行き先が決まったとなれば、旅程を組む必要がある。

一人旅ならば旅ガイドをネットで調べて、さっさと行き先を決め、旅の期間中、ぎゅうぎゅうに観光する場所や食べに行きたいお店をセッティングするのだが、今回は「初めての二人旅」

夫婦で地図を広げ、とりあえず思いついた行きたいスポットを次々に挙げていった。二人で行きたい場所が異なるので、移動に使う公共交通機関の兼ね合いやら自分たちの体力やらなんやら考えていると、思うように簡単には決まらない。

数日間悩みに悩んで、いくつか行く場所を決めて、あとは成り行きで色んなところに行ってみようとなった。その中で、夫にはまだ話していない計画に練り込みたい行き先があった。

それは「東京湾クルージング」

ちょうど旅の期間中に夫が誕生日を迎えることになっていた。今住んでいる場所で絶対叶えられないことを、夫にプレゼントしたいなと思い、ずっとネットを見漁っていたのだった。

ここで問題なのは、私は田舎出身で実家は山奥にあり、なおかつ東京には一度も行ったことがない。はい、行き方も所要時間もわかりません!!

ここで、内緒で船の乗り場まで連れて行って、ババーン!となればかっこよかったのでしょうけれど、そうはならないので、旅程に予め組み込むつもりで、しぶしぶ夫に打ち明けました。何度も東京へ行ったことのある夫でしたが、クルージングはしたことがなかったようで、この計画を喜んでくれました。


旅行当日、わくわくどきどきで飛行機に乗って東京へ。
隣の夫は乗り慣れた飛行機に何も思っておらず、アニメか映画かなにかを見ていたようですが、私は飛行機にめったに乗らないので、終始窓の外を見ては興奮していました(揺れが怖くて、早く飛行機から降りたくて涙がちょちょぎれていたのは内緒。何なら客室乗務員のお姉さんに心配されるほど、顔が真っ青だったのも内緒。でも本当に景色が新鮮だった)

浜松町を過ぎ、東京駅を過ぎ、アニメオタクの私達は秋葉原のホテルに宿泊した。画面を通してしか見たことのなかった電気街、オタクの聖地には感動した。夜が更けるまで遊んだ。あれやこれや見るもの全てが聖地巡礼となった。

また、夜遅くになっても人が多く、本当に明るいことにも驚いた。本当に東京は眠らない街なのだと実感した。そして、どのお店に行っても物量の多さとバラエティさに驚いた。さすが首都なのだ。色々なものが揃っている。

翌日も、翌々日も山手線に乗って東京駅やら銀座やら原宿、新宿、色んな場所をめぐり、色んなものを食べた。途中、山手線の車窓から見える東京タワーも美しく感じた。また、絶えることのない高層ビル群の景色すらも美しく思えた。結局のところ、目に映るもの全てが新鮮で美しく感じたのだった。

旅の中日の夕方、夫と二人で日の出埠頭に向かった。
ちょっと張り切ってしまい、出港までに少し早い時間についてしまった。東京に来てから初めて見る海は雨模様だったけれど、それはそれで良かった。遠くに見える街の明かりが雨に歪んで、それもきれいだったから。

私達が予約したのは、シンフォニークルーズのディナープラン。

600名が乗船する大きな船が、レインボーブリッジ、大井ふ頭を抜け、東京ゲートブリッジ、羽田空港付近の海を航行するもの。

乗船すると周りのテーブルもカップルだらけだった。

そうか、東京や東京近郊に住むカップルは、こういうデートもできるんだな…いいなぁなんて思った。きっと私も東京に住んでいたら、お台場デートとかしたんだろうなとか、そんなことを思った。

せっかくだから…とディナーに合わせて、夫がワインを頼んでくれた。お料理もワインも美味しかった。食事をしながら見る初めての東京湾からの景色は、数年経った今でも忘れられない。まるでドラマのワンシーンに溶け込んでしまったかのような東京の色気ある夜景はたまらなかった。

航行時間は150分。
食事を終えてからも、船内を歩いたり、甲板で外の景色を楽しむことができる。千葉に近づいた時には、ディズニーシーでちょうど花火が打ち上げられている時間帯で、船からそれが見えた。シーで見る花火やパレードも楽しいのだろうけれど、遠くから見る花火も良かった。また関東に行く機会があれば、今度はシーで花火を観てみたいななんて思った。

ちなみに、シンフォニークルーズでは、「ランチ」「アフタヌーン」「サンセット」のプランも用意されていて、色んな時間帯の東京湾を楽しむことができる。また、ケーキや花束などのオプションも用意されているので、記念日デートやプロポーズにも良いと思った。もちろん、お船が好きなお子様を連れてのお出かけにもいいと思う。

またいつか夫婦で年を重ねたときに、乗ってみたい。その時は、このときに行けなかった浅草寺にも行ってみたいので、夫にねだってみたいと思う。

そんな私の初めての東京旅のお話でした。

★私達が楽しんだお船はこちら!


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