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接触確認アプリ「まもりあいJapan」を最速で届けるためにUXデザイナーが取り組んだこと

Code for Japanが中心となって有志が開発を進めている接触確認アプリ「まもりあいJAPAN」のプロジェクト。フルリモートでのデジタル領域のデザインを手掛けるGoodpatch Anywhereのメンバーもこのプロジェクトのお手伝いをさせていただいており、UXデザイナーの私も主にアプリ領域に関するデザインのプロジェクトマネジメントとしてジョインさせていただいております。

開発の経緯やメンバーの思いは以下のNoteマガジンからご覧いただけます。

人と向き合ってアプリを届ける

私たちアプリのデザイナーは、アプリの利用者となる皆さんが触れることになるアプリの画面デザイン、機能、通知の内容、お伝えすべき情報などの設計を専門としています。

このアプリには、目に見えず、どこからやってくるかわからない「ウイルス」という怖さや、接触確認や濃厚接触という言葉から感じられるプライバシーに関する怖さを少しでも軽くし、安心につなげるためのデザインが必要でした。

そのための取り組みと思いについては以下のnoteにて語られています。

ここで語られているとおり、私たちは人に向き合いながら、人の心を大事にデザインを進めてきました。

もちろん、私たちアプリデザインチームだけがこの課題に立ち向かっていたわけではありません。この危機を打破するに、このプロジェクトに集まった有志の専門化全員と共に、一貫した方針を持って立ち向かいました。

また、アプリや広報など利用者の皆さんへ届ける情報やトーンに一貫性を保ち、利用者に不安や混乱を産まないようなコミュニケーションが必要でした。

最速でアプリを届けるために

プロジェクトメンバーは43名。一貫した方針で、一貫した情報とトーンを利用者に届けるにはちょっと難しくなりはじめる人数です。ともすれば、プロジェクト内にあるチーム同士に壁ができて分断が起こり、コミュニケーションに時間がとられ…結果として、アプリを皆さんの手元に届けるまでに多くの時間がかかることが懸念されました。

そこで私たちはアプリのデザイン担当という役割を活かし、専門家同士をつなげる活動をすることにしました。アプリのデザインは開発・ブランディング・マーケティングと密接に関わりながら作られます。私たちアプリのデザイナーは専門家同士をつなぎ、一貫性を担うお手伝いがしやすいポジションだったのです。

プロジェクトに参加直後は、(初期から参加していた有志達はちょっと引いてたかもしれまんが) 情報が降りてくるのを待たず、各チームにいる専門家たちの懐に「お話させてください!」飛び込んで、コミュニケーションをたくさん取れる状況を作ることからはじめました。

また、コミュニケーションをたくさん取るために、私たちはデザインチームの活動に関する透明性と接続性を高める取り組みを進めました。

まず、オンライン上で共同作業ができるツールとして「miro」と「Figma」を使い、透明性を確保ました。このツールを使えばプロジェクトに招待されたメンバーなら誰でも、いつでも私たちの成果を確認することができます。

途中経過もプロジェクトメンバーにどんどん共有しながら、専門家のメンバーと議論を重ねました。

※ このあとご紹介する画面はすべて検討途中段階でのもので、実際に公開されるものとは異なる画面となります。

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ブランディングチームとはブランドメッセージやコミュニケーショントーンの一貫性を保つためにコミュニケーションを進めました。

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開発チームとは一緒にUI仕様を詰め、時にはFigmaを見ながらエンジニアのフィードバックをアプリのデザインに即時反映していくこともしました。

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医療関係者やプライバシーの専門家と共に、どのような文言、どのような情報が最適かを検討し、プロジェクト全体に展開をしました。

このような取り組みを通して、一貫した方針と一貫した情報提供を持ってアプリを提供する準備を、私たちは最速で進めることができました。私たちがGoodpatch Anywhereで取り組んできたリモートワークやチームビルディングの知見で世の中に貢献できたことが本当に嬉しかったです。

もちろん、アプリデザインチームはあくまで専門家同士が接続するきっかけを作っただけです。最強の専門家たちの懐に飛び込んだときに私たちが拒絶されていれば最速でアプリを作る活動は成し遂げられなかったでしょう。オープンで、かつ積極的なコミュニケーションを推奨しくれた有志の仲間たちには感謝しかありません。

終わりに

ゴールデンウィークに入る直前、私はある方にモニターとなっていただきユーザーテストを実施しました。その方は60代中盤で、この状況に危機を感じて極力外へ出ず、家にとどまる生活を送っていました。かなり注意深く暮らしていらっしゃる方ですが「自分がいつ感染するかわからない」という不安に常に晒されている状況でした。

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この方へのユーザーテストを終え、このアプリに関する正直な感想を伺ったところ「見えないものが見えるようになるだけで安心できるし、誰かを感染させる心配もない」とおっしゃってました。

今、世界は「見えない恐怖」そして「見られる恐怖」と戦ってることをと気付かされました。ウイルスが見えないこと、ウイルスに侵されたことが見えてしまうこと、どちらも大きな不安を引き起こし、実際にその危機に晒されなくても明日への不安が日々のストレスを生んでしまいます。

私たちは「まもりあいJAPAN」の取り組みや成果物を公開し、この取り組みに関する透明性と接続性を高める活動をはじめています。このnoteもその活動の一端です。

私たちの取り組みを公開することで、テクノロジーの力をポジティブに受け止め、見えない恐怖との付き合い方や見られる恐怖の緩和に寄与できるのであれば幸いです。また、皆さんや専門家の方々が議論を重ね、より良い姿でテクノロジーが活用される一助になることを期待しています。

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札幌在住。リモートワークファシリテーター、デザインプロジェクトマネージャー、UXデザイナー。 smartLure.co / Goodpatch Anywhere / Cise Design

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