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買えばいいのにわざわざDIY

 当たり前のように便利な「モノ」や「コト」のなかで日々生活をしていますが、労力や時間を節約できた代わりに「経験」や「ありがたみ」など大事な何かを失っているような気がします。そういったものを「DIY」は少なからず取り戻すことができるのではないかと思っています。わざわざ作ることで何かを取り戻す。今回はそんなDIYです。

あまり目にすることがない、「木製トイレットペーパーホルダー」をDIY。

 そんな偉そうなことを言いましたが今回作るのは「トイレットペーパーホルダー」です。よくあるものなら買っても安いですし、そもそも家についているので、わざわざ作るという考えすら思い浮かばないかもしれません。
 しかし、トイレという狭い空間にもオリジナリティを出したい人が、世の中にはほどほどいるので「鉄」や「プラスティック」製などの様々なスタイルのホルダーが売られています。また、DIYでさらにオリジナリティを出すという方も目にしますが、「鉄」と「木」を組み合わせて作る比較的単純そうなものが多いようです
 そこで今回作るホルダーの素材はオール「木」。正直、面倒くさい作りになります。わざわざ手間を掛けて作った先になにがあるのかわかりませんが、とりあえず作って行きましょう。

材料

木材AとBはホームセンターの端材コーナーでまかなえる量なので、カットサービスのそばで見つけて見ると良いでしょう。
  • 木材A(外側の板)針葉樹合板120mm × 100mm × 厚み12mm 2枚

  • 木材B (背の板)針葉樹合板  130mm × 100mm × 厚み12mm 1枚

  • 木材C(ふたのパーツ)針葉樹合板 25mm x 25mm  x 厚み12mm  2つ

  • 木材D(ふた用) シナベニヤ両面張り 230×300×厚み1.8mm

  • 丸棒A (ふたの軸)Φ6mm

  • 丸棒B (ホルダーの芯)Φ24mmx300mm

  • 木テープ 12mm幅

  • ビス(細め)25mm程度 10本ほどあればよいでしょう。

  • ボンド

 木材Dのシナベニヤ(厚み1.8mm)は、ホームセンターでは中々見つからないかもしれません。今回は今はなき「池袋東急ハンズ」で手に入れました。ホームセンターとは違った品揃えの東急ハンズが近所からなくなったのが非常に残念不便でなりません。
 ちなみにちょっと前ですが新宿の東急ハンズではA4サイズほどの大きさで販売をしていました。大量に使わないのでこういったカット売りはとても助かります。東急ハンズは全国に50店舗近くあるようなので、見つからないようでしたらお近くの店舗に問い合わせしてみると良いかもしれません。

作り方

 工程を大まかに分けると「ふた」「フレーム」「芯」それぞれ作って、それらを組み合わせる感じになります。工程にはDIYには関係なさそうな「アイロン」を使用しますのでご用意ください。

大まかに分けると3つのパーツ

ふた作り

 まずは「ふた」作り。トイレットペーパーをカバーしながらカットする見た目にも重要なパーツです。この「ふた」をトイレットペーパーに沿った湾曲の形にします。木材Dをぬるま湯に漬け、柔らかくしたところで丸い型に合わせてクセをつけます。

ベニヤは接着材で貼られているので、水につけすぎると剥がれてしまうの恐れがあるで注意してください。
トイレットペーパーの直径に近いものを型として使います。巻く方向はベニヤが縦に長くなるようにしましょう。今回は缶を使い前回も登場した「荷締めバンド」で締めて一日置きました。

型からはずしたらスチームアイロンの登場です。湾曲した片側をまっすぐに延ばします。気持ちがよいほど簡単に延びます。

スチーム機能がない場合は、濡らしたタオルなどで表面を湿らせてアイロンがけしてください。
そのままだと大きいので125mm幅ででカットします。

 次にトイレットペーパーを切るための「ギザギザ」を作ります。この作業に使うノコギリは「刃の細かい」小さなものを使うのがオススメです。繊細な作業ですがベニヤが薄いので以外に簡単と切れます。

ギザギザの細かさはお好みで。
このままだとちょっと長いので、まっすぐに伸ばした部分を65mmほどカットします。

 ふたを開閉させる為の「軸」を取り付けるために、まず穴を開けたコマを作ります。

木材Cにあらかじめ6mmの穴を開けてから25mm角にカットします。小さく切ってからの穴あけは難しいので、ある程度の大きさがある時にドリルで穴をあけましょう。
先ほどの穴を開けたコマに丸棒Aを200mmぐらいの長めににカットして通します。あとはボンドでふたに固定します。コマの位置は奥から横から5mm内側に入ったところです。コマの穴の内側にもボンドを塗って棒が回らないようにしましょう。

フレーム作り

 「ふた」だけでも結構なの工程でした。ここからは木材AとBの3枚の板を使い胴体部分になる「フレーム」を作っていきます。

「芯」が固定される外側の木材A2枚をこのような形にしていきます。
まず芯が納まるところをカットします。サイズは画像のとおり。
ここの作業ではジグソーがあると便利です。また、手前の角を丸くカットします。ここまで丸くしなくても大丈夫です。
先ほど作ったふたの棒を通す穴を開けます。穴の大きさは8ミリほど。穴の位置は上から約15mm。前後に稼働するよう15mmほどの横穴にしておくと使いやすいでしょう。

ホルダーの芯づくり

トイレットペーパーを通す「芯」を作ります。交換がしやすようにシンプルな作りにします。芯になる丸棒Bにカキコミをつくって、先ほど作ったのフレームの「外側の板」にはめ込みます。

横幅15mm、深さ12mmのカキコミを作ります。ノコギリで千切りにするように細かく刃を入れていき、薄くなったところをパキパキと折ります。切ったあとはガタガタしているのでヤスリなどでフラットにしておきます。
棒の長さはお好みで。横に長く飛び出ていてもかわいいかもしれません。

組み立て

 やっと最後の工程です。これまで作ってきたパーツを組み合わせます。「ふたの軸」を「外側の板」に差し込んだ状態で、残りのパーツ木材B (背の板)を取り付けます。ふたの「軸」が横の穴から大きく飛び出しますが、完成後ボンドが乾いてからノコギリでカットしてください。これで完成です。

外側に板にちいさな穴がある所がネジの位置です。ボンドもしっかり塗っておきましょう。

 説明と画像が少なくて分かりづらいところもあったかと思います。おさえておくポイントとしては「ふた」の開閉がスムーズに行えるかどうかです。最初はうまくいかなかったのですが、「外側の板」の穴を横長に変更したことで開閉がうまく行くようになりました。このホルダーをアレンジすればキッチンペーパー用ってのも作れるかと思います。また、説明の中で「塗装」を端折っているのですが、お手入れのためにもウレタンを全体的に塗っておくことをオススメします。
 今回作ったホルダーは木製で耐久性に不安を抱くかもしれませんが、そこそこ丈夫です。且つ「これ俺が作ったんだよ」と恩着せがましく言っておけば使う人も手荒には扱わないかと思いますので、結果長く使えると想像します。

まとめ 

 便利な世の中「わざわざ作る」ことで何が得られるか。失っていた「モノ」や「コト」はなんだったのか。それらは人それぞれだと思いますが、僕の場合は「発見」ほどたいそうなものではないちょっとした「気づき」です。やってみたら分かること。それは妙な充足感を与えてくれます。ちなみに最近のDIYをやっていて気づいた事は、いよいよ「老眼」になっていたことでした。
 さて、前回は「ティッシュケースカバー」、今回「トイレットペーパーホルダー」と図らずも似たようなDIYが続いてしまいました。次回は違ったネタをご用意しますのでまた。

後日作った第二号。


こちらでも作り方が見れます。

写真:薮内 努 https://www.instagram.com/yaboo/

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