「ワンオペ」で可視化される世界-3
いつのまにかシリーズものになってます。これまでの流れはこちら。
キャッチーな言葉で命名されて、多くの人たちに広く知られて、はじめて「あれ?おかしいの?ダメなの?」って認識される状態はたくさんあります。
例えばこの「ワンオペ」?それから「DV」あたりはまさにそうですね。ということで、前回の続きです。
昭和型の幻想のゆくえ
「男は外で稼ぐ、女は家を守る」という昭和型の幻想が脳内アップデートされないままだと、現代ではいろいろ大変ですよな。
別に性別分業したい人はすればいいんじゃね?とおもってますが、役割が完全に固定されていてなんかの際に交代ができないと、なにかのときにいろいろたいへんなんじゃね? って話です。
社会的にエライ立場の男性が「家のことは家内に任せていますから」的な発言しても、昭和では「そりゃそうだよねー」で通用しても、現代では古臭いジジイフラグにしかなりません。そういう人は、お家に奥さんがいなかったらなにもできないでしょう?
亭主元気で留守がいい?
そうそう。昔はそう言われてたわけです。夫は外で働いてお給料だけちゃんと持ってこい。あとは家にいると邪魔だから、なるべく外にいて、家でゴロゴロするな、ってことですね。そうそう。そういう時代だった。わたしの両親は典型的な昭和のそのタイプです。
もちろんイマドキは「子育ては楽しい。家族の時間はだいじ」とはっきり発言して行動しているお父さんも増えていますね。朝夕に保育園の送り迎えをしているお父さんの姿もたくさんみるし、土日にもお父さんが一人でお子さんを何人も連れて出かけている姿もみます。仕事だけでなく家庭での時間もだいじにしている人が増えている。それはとってもいいことですよね。
とはいえ、多くの場合は、あれこれ細かいケア労働はだいたい女性に丸投げされてて負担が過重になっている話を大量に聞くのも事実で、例えばシングルマザーがみんなあたりまえのように死ぬほど努力してやってることでも、シングルファザーが頑張ってそれをやるほうが珍しくて褒められて美談になるわけで(もちろんちゃんとやってる人は偉いよ!)、つまりそういう社会構造であり、社会の意識はあまり変わっていないのかもしれません。
俺はこれまで働いてきたんだ!
わたしの父は75くらいまで働いていましたが、いよいよ完全に退職するときに「俺はこれまで働いたんだ。なんで家のことなんかやらなきゃいけないんだ」と堂々と言い放ったらしいです。
うわー。うわー。最低だね。
母はめちゃくちゃ文句言ってたけど、もともと、夕方決まった時間にご飯が出てこないと怒る男性を父親としてみながら育って、男性とはそもそもそういうものだとあきらめてたらしい。
そこらへんをまったく解決しないまま、いきなり「ちゃんと三食ご飯食べさせてあげて」って無言で丸投げされたのが、数ヶ月前のわたしです。
偏食で病弱で少食なのに、残り物とかで同じ献立が続くのはダメ、カレーはダメ、麺類はダメ、外食なんて絶対行かない。もちろん自分で買い物なんてしたことない。それを三食?丸投げ?ないわー。ほんと無理だわー。それも、超!絶!汚台所で?それはわたしも世界に公開して文句をw言いました。
そもそも幼児でもなく、認知症や障害でもないなら、最低限の食事を準備したり、自分で生活を営める程度の炊事・掃除洗濯くらいはできないと、いろいろ大変ですよね。(周りが!)
なんで俺にゴミ捨てなんかさせるんだ!
誰でも生活してれば、ゴミはたくさん出るし、雑用だらけですよね。
はるか大昔に付き合っていた相手が、私の部屋にきて朝になって出勤して行くことがあったんだけど、ちょうどその日は燃えるゴミの回収日でした。
わたしが「これ、行きがけに出してくれる?」と袋を渡そうと頼んだところ、突如としてその男性はモーレツに怒り始めました。
「なんで俺が朝からゴミなんか出さなきゃいけないんだ。俺のお袋はそんなことさせたことない。朝はきちっと気持ちよく出かけたいのに、なんでゴミ持ってでていかなきゃいけないんだ」
ちーん。終わってんな。心の中で終了ボタンを押しました。無理無理。
いわゆる「スペック」とか基本的な人柄はとっても良い人でしたけど、昭和の化石みたいな価値観が凝り固まりすぎてて、わたしには無理すぎでした。いやー。ほんと無理。
ワンオペのほうが楽?
昔からの友人たちには「離婚してもいいから結婚という体験はしてみたほうがいい」と考える人がたくさんいて、その人たちは実際にそれはその通りになってたりするんだけど、わたしにはそんなめんどくさいこと無理!としか思えませんでした。
みんな「ワンオペあたりまえ」「世話する相手がひとり減って助かる」くらいなノリで、やっぱりそのスピリットはまさに「昭和」ですよね。
みんなたくましいなー。えらいなー。がんばっててすごいなー。という他人事としか思えないままここまできました。ということで、自分で作る家族のケアはパスしたけど、生まれてきた家族のケアはパスしそこなって、現在に至っています。
つづく。
あーんどこれまでの記事はこちら。
みてね!
占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!