見出し画像

バイデンの矛盾と武器産業の株価上昇

ウラジーミル・ゼレンスキー氏が、米国にウクライナへのM270多連装ロケットシステム(MLRS)、M142高軌道ロケット砲システム(HIMARS)の武器提供を要請。これを受けて、バイデンはロシア領土内を攻撃可能なロケットをウクライナに提供しないと「明言」した翌々日、HIMARS(ハイマース)と、牽引榴弾砲、自走榴弾砲やヘリコプターや対戦車兵器や戦術車両や予備部品などの、ロシア領土内を攻撃可能なロケットを含む武器をウに供給する旨を正式発表。HIMARSは長射程の砲撃用として米陸軍が開発した自走多連装ロケット砲システムで、射程距離は70km。露のラブロフ外相は、第三国が紛争に巻き込まれる可能性を増大させると述べる。

時を同じくして、ドイツもウに近代的な防空システムIRIS-T(アイリスティー)の供与を約束。IRIS-T( InfraRed Imaging System Tail/Thrust Vector-Controlled)は、Wikipediaによると、ドイツのDiel Defence GmbH&Co.KG(ディール・ディフェンス社)とスウェーデンのSAAB社とイタリアのアレニア社の共同で、独主導で開発され、ギリシャ、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、カナダ、スペインがプロジェクトに関わった、「短・中距離赤外線ホーミング空対空ミサイル」で、射程距離は25km程度。

露のウ侵攻により軍事費を増大させたドイツでは、防衛関連企業のラインメタル社(Rheinmetall AG)の株価が急上昇中。昨年、4社を買収したラインメタルの責任者は、防衛装備品の需要が高まり売り上げが大幅に増加すると語り、今後20%の成長が可能であり、売上高は100億ユーロ(約1兆4千万円)を超えると予測されており、今年の2月21日に88ユーロだった株価は、ロの侵攻直前から上昇気流に乗り始め、6月3日地点で208ユーロと、2倍を超える勢いの好景気ぶりを見せる。

EU加盟国は今後2000億ユーロ(約20兆円)の追加防衛支出に合意済みで、その支出の半分を占めるのがドイツ。昨今の東欧における武器産業のへの投資ニーズの高まり、米国の主義転換(アメリカがもう欧州を守ってくれなそうな雰囲気)を受けて、EUにおける防衛協定の拡大、再軍備が語られはじめる。

さて、バイデンは「ロシア領土内を攻撃可能なロケットをウクライナに提供しない」と「明言」した上で、ウクライナに「ロシア領土内を攻撃可能なロケットであるHIMARS」の提供を決定した。既にウクライナの20%がロシアの手に落ちたこと、東ウクライナ一部地域で、ロシアは70万人にパスポートを発行し、ロシア版SIMカードの供給をはじめ、ロシア企業のインターネットプロバイダーがインフラ整備を進めるなど、ロシアが東ウクライナ一部地域で着々と制圧的既成事実を積み上げていることが、西側の報道から明らかとなっている。HIMARSは、「東ウクライナ一部地域=ロシア領土内」に攻撃可能なロケットなのだから、米国の発言と行動には矛盾が生じるが、露がこの矛盾を紐解く報道をしている。

「ワシントンは先に、HIMARSを対ロシア攻撃に使用しないことを条件に、キエフへの多連装ロケットシステムの納入に合意したと発表した。ウラジーミル・ゼレンスキーは、ウクライナがこの要求に応じることをアメリカに保証した。」

私は戦争には反対です。ロシアを支持しているわけではありません。しかしながら、私が現在住むアパートの下の階には、ロシア系パキスタン人とインド人が住んでいます。従って、私は彼らに配慮する必要があり、「プーチンがクソで、ゼレンスキーが全て正しい」と、容易に言えません。といって、共産主義者でもありません。世界は多様です。ご理解よろしくお願いいたします。

ここから先は

0字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

100円 カフェでコーヒーを1~2杯注文できます。 300円 レストランで夕食をドリンク付きで注文できます。 500円 日本食レストランでとんかつ定食を注文できます。 1000円 ホテルに一泊、宿泊できます。 金額の大小に関係なく、皆様の支援がモチベーションになります。