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中京大中京の1年生・山田君の魅力を知ってしまった【高校野球】

高校野球愛知県の秋季大会、準決勝2試合を現地で観戦した。その中で、  タイトルに書いたように、中京大中京の山田君に惚れ込んだ。試合の経過等を交えながらその魅力を綴る。


準決勝第一試合は9対8で至学館が中京大中京に競り勝った。7回に中京大中京が4点を挙げ6-3と勝ち越すも8回に至学館が追いつく。12回表に中京大中京が山田君のホームランで2点を勝ち越すも12回裏に3点を奪い返しサヨナラ勝ち。

至学館が勝ったのだが、正直なところ中京大中京の方が強いと感じた。

例えばスイングの強さで言えば圧倒的に中京大中京の方が強かった。なんなら第二試合で激突した愛工大名電と東邦よりも、中京大中京の方が良かった。上位打線の面々は漏れなくスイングがいいし、9番の阪君ですらツーストライクからしっかり振り切るスイングをしていた。

また、緊迫した場面で至学館の選手はナーバスになりがちな印象を持った。実は去年も同じことを感じていて、東海大会の準決勝で負けたときは最終回のピンチの場面で守備が雑になっていた。少し印象論みたいな話になってしまうが、メンタルの部分でも中京大中京の方が上回っているように感じた。

ではなぜ至学館が勝ったのかと言うと、正直よく分からない。少なくともエースの伊藤君が踏ん張ったことは要因のひとつとしてあると思う。

前置きが長くなったが、自分が最も興味を持ったのが中京大中京1年生のレフト山田君。まずは全7打席の内訳を書く。

ピッチャー強襲ヒット
空振り三振
セカンドフライ
左中間ツーベース(フェンス手前)
センターフライ(フェンス手前)
ショートゴロ
レフトホームラン

2本の長打を含む3安打を放った結果も然ることながら、大きくて力強いスイングに目を奪われた。中京大中京の選手はみんなスイングが良かったのだが、山田君はそれに加えてボールの見逃し方がいい。

恐らく狙い玉をしっかりと絞っており、一見すると打てそうなボールを見逃すシーンが見受けられた。「うわっ思ってたようなボールと違う!打てない!」という感じではなく、獲物を待ってるかのようなギラギラした目付きでボールを見逃すのである。

来た球を手当り次第に打ってシングルヒットにするのではなく、本当に打てる球、もっと言えば「長打を打てそうな球」が来るのを待っているのではないか。そしてその球が来た時には打ち損じせずにツーベースやホームランという狙い通りの結果にしているのではないか。そう感じた。

レフトの守備でもスライディングキャッチを見せるなど特に気になることろはなかった。…と、ここまでべた褒めしてきたが、衝撃の事実がある。

なんとまだ1年生である。

ネットでメンバー表を見たときには「は?」と思った。身長が180cmあるとのことで、これからが楽しみな選手である。1年後にはドラフト候補として名前が挙がり、2年後には指名される選手になれると思った。今日2試合、4チーム見たが、その中で1番の衝撃だった。


続いて投手について。まずは各校の継投と最速を示す。(ちなみに自分は現地観戦するときは一球一球、球速表示をチラ見する人種である。)

中京大中京
中井①左132
平野①左130
金子②左132

至学館
伊藤②右142
山本②左128

中京大中京の投手陣について特に言うことはない。まあ、みんな130は出るんですねってくらい。

至学館は伊藤君と山本君のほかに3人投手がベンチ入りしていたが、秋の大会でどうやらこの2人にしか投げさせていない様子。

伊藤君は、自分が見た中での最速は136くらい(去年の東海大会)だったが、招待試合(6月)の段階で既に142はマークしていたらしい。打撃も、サヨナラタイムリーを打つなど思ったより良かった。特にサヨナラタイムリーは、打球スピードがものすごく速く、あっという間に右中間に飛んで行った。勝手な想像だが、今までで1番の当たりだったのではないかと思う。

山本君は去年秋と今年春も128キロは見ている。今日は全力で投げている感じではなかった印象なので、本気出せばもっと出るのかもしれない。ただ夏は背番号8、秋は背番号9として出場して、5番を打っているため野手としての練習を多くやっていると思われる。去年の東海大会は背番号1をつけていたが、今後は投手陣の中心は伊藤君なのかもしれない。


続く第二試合は1対0で東邦が愛工大名電にサヨナラ勝ち。0-0のまま迎えた9回裏に満塁のチャンスを作ると、エースの宮國君が一二塁間を破るタイムリーを放ち試合を決めた。宮國君は完封&決勝タイムリーを打つ投打の活躍。

この試合で自分が目に付いたのは愛工大名電の1年生左腕の大泉君。
ひとまず各校の継投と最速を示す。

愛工大名電
笹尾②右138
大泉①左140

東邦
宮國②143

愛工大名電は夏の甲子園でもベンチ入りしていた笹尾君が先発し、6回まで無失点に抑えた。大泉君が7回から投げて9回に決勝点を献上するも、最速140キロをマーク。1年生でサウスポーで140はかなり速いのではないか。

くどいようだが自分は去年の東海大会を観戦した。そのときの所感としては、1年生は秋の時点で135キロくらい出ていれば十分速い部類に入ると感じた。2年生のエースでも135出ない選手もザラである。

と考えると、1年生でかつ左腕の大泉君が140キロ出るのはスーパーグレイトということになる。

大泉君も山田君同様、今後も追いかけていきたい選手だと感じた。


一方、東邦の宮國君は最速143キロ。2週間前の3回戦も観戦したのだが、その時は142キロだった。ネットには最速149キロとあるがこれは本当なのだろうか…。ただ、享栄を9回2失点、愛工大名電を9回無失点に抑えたように実力があることは間違いない。

野手で気になったのは愛工大名電の1年生のレフト石島君。試合前に談笑している姿を見て一瞬監督か誰か、大人の人かと思ったら背番号12を付けた高校1年生だった。今日は5番レフトで出場し、センターへヒットを1本放った。今のところは結果というよりもガタイで注目しているので、今後結果が出ると面白いと思う。

あとは東邦の中村君も、2週間前の3回戦で見てから気になっているが、今日はノーヒットに終わった。


準決勝ということで、いい選手を見れて満足した。
勝ち上がってセンバツに出場できることを祈っている。


〈最後に〉
決勝と3位決定戦の勝敗予想
決勝:東邦の勝ち
3位決定戦:中京大中京の勝ち

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