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【ドラフト候補同士の投げ合い!】享栄対東邦の感想

高校野球の秋大会3回戦、享栄対東邦を現地で観戦した感想を書く。

結果は4-2で東邦の勝ち。

試合前から注目していたのはズバリ、両校のエースピッチャーだ。

東邦高校は右の宮國君で、最速149キロ。対する享栄高校は左の東松(とうまつ)君で、こちらも最速149キロ。

2人は2023年のドラフト関連のサイトで取り上げられるほどで、この2人のドラフト候補同士の投げ合いを見たいがために球場に足を運んだ。

どれぐらい見たかったかと言うと、前日寝たのが夜中1時半でかつ普段は昼12時まで寝ている人間(私)が5時半に起きたくらい。睡眠を取るよりもこの2人を見る方が価値があると判断したのである。

試合全体の総括はいったん置いといて両投手の感想に触れたい。

宮國君は8回と1/3を投げて2失点。最速は142キロ。東松君は8回完投で4失点(自責点は恐らく2)。最速は147キロだった。

宮國君は長いイニングを投げることを意識したのか、球速は控えめだった。高校野球ファンのわがままを言えば、全力投球でどれくらい球速が出るのか見たかった。4回はストレートを決め球として2者連続で見逃し三振を奪ったかと思えば、試合終盤は95キロのボール(スローカーブ?)で緩急をつけていた。

9回こそエラーもありマウンドを譲ったが、概ね危なげない投球だった。

東松君は初回の投球練習の初球で141キロを出し、観客がどよめいた。中盤から終盤にかけてストレートが140を下回るときはあったものの、8回にも144キロをマークするなど力を見せた。この時期(2年秋)であることを考えれば、球速は別格である。

ただ気になったのは変化球の精度だ。終始変化球がボールになるシーンが散見された。さらに変化球を投げるときに腕が緩む癖があるようだ。まあ、それくらい高校生あるあるかもしれないが、ドラフト候補として期待されていることを考えると少し気になってしまう。

宮國君にしても、最速更新となれば150キロに乗ることになり箔が付くのは間違いなかったが、それは叶わず。

ちなみに宮國君の後を投げたのは背番号9の岡本君。ライト肩強いなーと思って見てたら投手だったらしい。最速136キロで、こちらも十分速い部類に入る。


試合全体として見ると、勝負を分けたのは「守備」だと感じた。

2回裏の東邦の攻撃。二死一二塁からセカンドがエラーして満塁。そこから東松君のワイルドピッチで先制を許す。

続く4回裏、一死三塁から東邦がスクイズを仕掛ける。これを東松君がホームへ悪送球して、さらにボールが転々とする間にバッターランナーは二塁へ到達。その直後に東邦の一番中村君に決勝のツーランホームランを浴びた。

ほかにもキャッチャーの捕球がイマイチで、よくポロポロこぼしていたり、セカンドが打球に追いつくも捕球できず内野安打を許したりと、微妙な守備の乱れもチラホラあった。

東邦高校はエラーはあったものの、宮國君のホームベースのかなり手前でワンバンするボールもキャッチャーが止めるなど、目立った綻びは見られなかった。


東邦高校の選手の中でセカンドの中村君が最も印象に残った。その中村君の良さについて語ろうと思う。

まず目についたのは試合前のノック。ノックと言っても内外野フルで使うものではなく、ベンチ前で行うアレである。捕球直前、なんとなくみんな打球を待って足の動きが鈍くなるのだが、中村君はそれがなく足がよく動いていた。

スタメン発表で一番セカンド中村君とコールされる。「ああ、さっきの選手がトップバッターなのか。やはりと言うべきか、中心選手なのかな」と思った。

次に目に止まったのは初回の守備。内野のゾーンが土、外野は芝だったのだが、なんと芝ゾーンで構えているではないか。

個人的なイメージとして、みんな土ゾーンで守り、よくて土と芝の境目くらい。広島カープに指名された小園選手もそれくらい深く守っていて「あそこまで深く守るのは余程肩に自信があるのだろう」と評されていたのを思い出した。芝ゾーンで守っているだけでもう、守備が上手いのが「ほぼ確定」なのである。

次は2回の守備。セカンド、ショート、センターのちょうど中間くらいにフラフラっと飛んだ打球に追いついてアウト。これを見て守備が上手いのが「確定」した。

次は3回の守備。宮國君が一死からツーベースを浴びる。この直後にマウンドに言って宮國君に声をかけていた。ううむ。もう欠点がないじゃない…。

極めつけは4回の攻撃。前述したように決勝となるツーランホームランをレフトスタンドへぶち込んだ。打ってから打球がスタンドにまだ届いていない段階で右手で小さくガッツポーズをしたのが見えたため、いわば「確信ムラン」だったのだろう。「守備はいいけど打撃はそんなにって感じなのかな」と思ってた自分が間違っていた。すいませんでした。

調べたら、1年次の春大会に背番号14でベンチ入りしていたらしい。当然3年生がいる中で、ついこの間入学した選手がベンチ入りって…。中村君、恐るべし。


享栄高校は、実は6月にも観戦していた。その時はまだ3年生がいたわけだが、そのときから試合に出ていたのが眞野君、高田君、東松君、大橋君。眞野君と高田君は背番号がそれぞれ20、16にも関わらず一番、四番を打っていた。3年生がいた時代から出てるから、実力があるのだと思うがなぜ2桁背番号なのだろうか?


中日・石川選手の弟の東邦高校・石川瑛貴君はノーヒットだった。キャッチャーと聞いていたが、背番号3だったためファーストとして出場している模様。


宮國君、東松君を見れてかつ中村君というスターを知れて満足。東邦高校の試合をまた見に行きたい。

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