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俳句、自選自解010(春泥)

春泥を来て春泥を帰らざる

つねたまじめ


小賢しく近道をしようと思ったばかりに、ぬかるみを歩くはめになった。

ぬった、ぬった、と足裏から感じる春。これが革靴ならば目も当てられない。今から来た道を戻っては、電車に間に合うまい。

アスファルト舗装された歩道を軽やかに帰ろう。私は揺れる電車の中でそう決心していた。


季語「春泥しゅんでい

雨が降り、気温は上がり切らずにいます。おかげで、春の泥土でいどはやわらかく、いつまでもぬかるんでいます。

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