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#クリエイターフェス
お悩み相談室のうらがわ041の続き(ジョナンノソウ③)終
(つづき)
「コーヒー飲めないんで」と、差し出されたBOSS缶を断ったのは、私がお礼を言うのは何か違うよな、と思ったからです。
薄いダウンを着た、駅伝の監督みたいなオーラのおじいさんは、口をすぼめてうまそうにコーヒーをすすりながら話し始めました。
これはね、コールド・リーディングっていうワザなの。相手に当てはまりそうなことで軽く話の始まりをつくって、相手にしゃべらせるわけ。
え、タネ明かし
お悩み相談室のうらがわ041の続き(ジョナンノソウ②)
(つづき)
え、ナゾミ(仮)のことか?
まあ、たしかに二十歳も過ぎて門限9時はあれだけど。ちゃんと守ってるしな、9時。え、?これから別れるってこと、なのか?
いやいや、あー、家族かな。血縁。そっちね。たしかにつねた家は女系です。あと、妹はちょっとほら、ガラの悪いのと付き合ったりはありましたが…今、関係あるか?
いや、もしかして元カノか!
あれはひどかった。あの、京都女子大の、あの子。浮気しと
お悩み相談室のうらがわ041(ジョナンノソウ①)
二十代後半の、ある冬のこと。
仕事を終えて23時過ぎに駅を降り、いつものbarで一杯飲んでから帰ろうかな、と思いながら歩いていました。
10メートルほど先、三井住友銀行の軒下に、「占」と書いた行燈がともっています。毎日通る道ですが、これまで見たことはありません。
横目で見つつ、通り過ぎようとしたときです。
「その、手のホクロ、…」
え、と思って足を止めると、
「ホクロは、意味があるよ」