人間関係の全てを言葉にはできない 森田剛さんと三宅健さん


【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.42】


人間関係には色んな呼び名がある。
友だち、兄弟、隣人、幼馴染、親子、夫婦、同僚、戦友 etc.
でも、全てが言葉にできるのだろうか。


V6デビュー当時、一番人気があったのは、森田剛くんと三宅健くんだった。ジュニア時代は「剛健コンビ」と呼ばれ、数多(あまた)のジュニアの中で断トツ人気のツートップ、初めてジュニアだけのコンサートを行うなど伝説を作った二人だった。

私がファンになったのはデビューから半年以上先だから、V6というグループで捉えてた。でも当然色んな情報に触れるから、すぐ「剛健コンビ」という言葉も覚えたし、二人がジュニアの中で特別な存在だったということも知った。
V6のメンバーはみんな仲がよいが、二人にはデビュー前からの密接な時間があったと知って、そうなんだねと思ってずっと見てきた。


しかし、長年見てきても、剛くんと健くんの関係は不思議である。
私の拙(つたな)い人生で知っているどの人間関係でも説明がつかないのだ。


ファンになった当初、あくまでも私目線だが、パッと見、剛くんはシャープな顔立ちで雰囲気クール。健くんは可愛い顔で常に笑顔で、身振り手振り豊かにいっぱい話す。持ってる印象としては正反対に見えた。
私の貧相な貧相なイメージでは、クールは可愛いを馬鹿にし、可愛いはクールと距離を置いて、同じクラスにいたらお互い友だちにならなそうな感覚だった。

もちろん、剛くんと健くんが仲がいいのは、剛健コンビという知識を超えて、ファンの集中力ですぐにわかった(ジュニア時代からのファンの方々からは「わかって当たり前じゃい」ですね)。


ただ、その仲の良さが、例えば、気が合うから一緒にいるとか、たまたま血族だからとか(もちろん二人は全くの他人だが)、たまたま近くにいたからとか、そんなことでは説明のつかない信頼関係に見えた。


V6デビューの有名な逸話で、ジャニーさんの構想では健くんトップのグループで剛くんは入ってなかった。でも健くんが「剛が入んないならやんない」と言って、ジャニーさんからは「Youトップじゃなくなるよ」と言われたが、剛くんと一緒にデビューすることにこだわった。

もし単なる仕事の同僚だったら、出世を告げられた時、「あいつと一緒でなければ出世は嫌だ」なんてなかなか言えないだろう。だから同僚とも違う。


また、メンバーがデビューしてから舞台にもそれぞれ出るようになって、V6は仲がいいから、お互いが時間の許す限りそれぞれの舞台を観に行っていた。
こちらも観劇に行くと、それぞれの劇場で関係者の席が決まっているから、今日は誰が来たとかわかる(デビュー当初の人気はすさまじかったから、舞台が始まってからスタッフがメンバーを誘導して着座し、芝居が終わったら即座にスタッフ誘導で退席していた)。

もっとも、剛くんはマイペースなのか、メンバーの舞台を観に行かなかった。

それが、健くんの舞台だけは観に来た。私も観に行ってたが、観客席が、声にはもちろん出さないが、「あ、剛くん来てる、健くんの舞台には来るんだ」とざわついた。
お前の妄想と言われればそうだとしか言えないが、何だか剛くんが健くんを見守っていたように見えた。舞台が終わった瞬間に立ち去った剛くんの姿は、ちゃんと観たぞと見えた。


私はジュニア時代の剛健コンビを知らないので、二人が出会って信頼し合う関係になるまでを知らない。

10代のジュニアの頃のすさまじい時間を共にしたからなのか、そんな経験のない者からは想像できないのか、二人には独特の関係がある。
それは、戦友という言葉でもくくれない。


私なりのファン目線だが、何がどうとはなくても一緒にいてしっくりくるようで、それだけだと夫婦の関係に近そうだが、夫婦だって関係を四半世紀以上続けることは難しい。
だから夫婦のような関係とも違う。


血の関係である親子や兄弟とも違う。


私は趣味や仕事柄、周りに男性が多くて色んな友情の形を見させてもらっているとは思うが、どれにも当てはまらない気がしている。


私にとっては、このnoteに、剛健のことを書くのが一番難しく思えた。
V6ファンなら、彼らに言及して当然なのに。


でも、考えてて、そのまま難しいということでいいのだと思った。

色んなものには関係を説明できる形がある。
でも二人の出逢いと積み重ねてきた関係には、説明できる形がない。

私もちょっとは長く生きてきてそれなりに色々見たとは思うが、それでも経験できなかったのが二人の表現できない関係である。ファンだからこそ見せてもらって、私の経験以上の世界観を広げてくれる。
こんな関係もある。世の中何と素晴らしきこと哉(かな)。


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