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『まとめ』歴史を変えた6つの飲み物 ビール編

ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、茶、コーラから見る世界史

日常のありふれた飲み物。これらが歴史に大きく関わっている、という本です。

皆さん、普段どんな飲み物を飲んでますか?コーヒー、紅茶、またはビール、ワイン、ウィスキー、それともコーラですか??因みに私は全部好きです!美味しければ何でも飲みます!!

私達の生活に関わりの深い飲み物。タイトルにある通り、どんな風に歴史に関わったかをどうして飲まれる様になったか、価値観、影響、こんな視点で見ていきます。

・アルコール編

1、ビール

2、ワイン

3、蒸留酒(ウィスキー、ジン、ラム等の度数の高いお酒)

・カフェイン編

4、コーヒー

5、茶

6、コーラ

❶ビール〜メソポタミアとエジプト〜

「水分」これは生きていく上で食料よりも大事な問題です。水分がないと人は2、3日しかもたない。水分は呼吸よりも重要なんです。

ビールの発見

人類が農耕を始め定住し始めた。定住のきっかけとなった大麦、小麦。これを原料とする飲み物がビールです。紀元前4000年までには近東一帯に普及していたそうです。

農耕が発達し、収穫量が増える。食べる際にはお湯に入れスープ状にして食べてました。そして乾燥させれば保存が利く事を発見します。そこから加工や貯蔵の道具と技術が発達していきました。

人は穀物を貯蔵できる様になると一ヶ所に定住する様になっていきました。食料自体は他の植物、ドングリやレンズ豆や、野生動物を狩っており、穀物自体は最初の頃はあまり重要ではありませんでした。

ある2つの発見で穀物は重宝される様になる。

1つ目は穀物を水に浸すと発芽し、甘味が出るという点。自然界で甘味は蜂蜜などしかなくエネルギー源として貴重でした。

2つ目に穀物の粥を数日置いておくとアルコールになるという事。因みに恐らく人類はこの発見までに果実や蜂蜜がアルコールになる事は知っていたでしょう。ただ自然の物でまだ収穫が不安定だったので量は限られてたとは思います。

❷ビールは人類は初めて人為的に造ることが出来たお酒。

ビールを造り始めると試行錯誤を繰り返し質が上がっていきました。麦芽の量でアルコール度数が上がる事や、醸造の際の容器を繰り返し使うとより確実に発酵が出来る事などを発見していきます。

またベリー類や香辛料、蜂蜜など様々な風味のビールを造りました。今では当たり前のホップも数ある風味づけの一つで、主流になるのは中世になってから。

❸社会的な飲み物と信仰

今でも歓迎やお祝い事などでビールで乾杯(最近はとりあえずビールは減ってますが)してますが、紀元前3000年頃のシュメール人も同じように一つの容器に入ったビールをストローで分け合いながら仲間達と飲んでた絵が描かれています。現代はそれぞれのグラスを乾杯時に合わせるが、今も昔も根本は変わってない!

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なぜビールかと言えば食べ物と違い、飲み物は正真正銘、同じ部分を分かち合うことが出来たからだろう。例えば肉でいうと部位によって味が違うが、同じ樽のビールなら味は同じ、そんなところでしょう。

今でこそ科学的に発酵の仕組みは17世紀のレーウェンフックの酵母発見、19世紀のパスツールによる発酵原因の発見から始まり解明されてきてます。だたそれより昔はこの不思議な飲み物、病気にかからないが、酔っ払い、気分が高揚するこの超常的な飲み物であるアルコールが、どの地域・文化でも神様からの贈り物だと考えて当然でしょう。

❹ビールの人々の生活への影響

人々は定住を始めると、人間の排泄物で周辺の水はすぐ汚染されてしまっていました。だがビールを造る際は水を沸騰させるし、発酵の際に殺菌されます。

また狩猟時代は肉や木ノ実などを食べて栄養価の高い生活をしていたが、穀物中心の生活になり栄養が偏る中で、当時のビールは酵母が豊富に浮遊しておりタンパク質やビタミン類が多かったはずです。このビールが肉類の不足分を補ったりもしまいた。

これらによりビールは集落の人々への安全な飲み物として、また滋養となっていきました。

世界で最初の都市国家「メソポタミア」

この頃になると社会は穀物を貯蔵し、余剰分で経済が回っていった。神官や工芸職人などへの食料として、神殿や用水路などの大規模工事の資金源にもなった。麦はパンとビール、食料と飲み物として人々を支えていました。

経済を回すのに重要なのが記録。税金や労働の対価や通貨にもなっていたので、どれくらい支払ったか、どれくらい在庫があるか等を把握する必要があった。そこでビールを表す記号が出来、数字、そして文字が発明されていったそうです。

こうしてビールが普及してくると、やはり飲み過ぎる人も出てくる。ただメソポタミアでは酔っ払いは神話でも陽気に描かれていて寛容でした。

対して同時期のエジプトでは酔っ払いを否定している。特にエジプトは税収制度がしっかりしていたので、それを管理する書記は重要であり、地位が高かった。その書記の仕事が膨大な資料を全部頭に入れて、必要な際には取り出せなくてはいけなかったので、酔っ払ってる暇がなかったらしい。

ただメソポタミア、エジプト両文明でビールは地位に関わらず、老若男女に親しまれた飲み物でした。生活を支えて、経済を回し、文字まで作った。

多くの人を繋げるビールは今の時代でも居酒屋、パブ、至る所で人々を繋げている気取らない、身近なお酒です。

そんなわけで、とりあえずビール!

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