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白杯|アポロ賞六句(第六位)弘生
アドレスを消し去り夕べ秋の蝶
弘生 絵描き
言葉が好きな絵描きの私は、
もう一つの表現のツールとして、
描く以外に書く事もしています。
そちらもいずれ紹介出来たらいいなって
思っています。
☆第一回みんなの俳句大会新人賞受賞
(下駄とまるビルの隙間の花火かな)
◎講評
アドレスを消し去り夕べ秋の蝶
主人公がアドレスを消した理由は聞かない。
ぼくたち読み手が想像すればいいのだ。
二度と連絡する必要のないひとを、たぶん、記憶からも消したかったのではないか。
俳句を知っている読者はふと考えるだろう。
「消し」だけでいいのでは無いか?
「去り」は必要のない、字数の無駄使いなのではないか?
「消し去り」でなければならない。
作者は「消す」だけでは足りない程の切実な気持ちを、ここに込めている。
消し去りたい人間関係が裏にある。
消去のボタンを押したら「夕べ」になる。
「消し去る」でなく「消し去り」として、かろやかに時を流した。言葉を丁寧に選んだ。
そしてラストに現れるのが「秋の蝶」
春蝶でも夏蝶でも冬蝶でもなく「秋の蝶」と出会えるのが、この物語にふさわしい。
この季語だからこそ、特別な一句となる。
人との繋がりを切った後、疲れもあっただろうが、秋の蝶とともに自由を取り戻した。
「秋の蝶」と「私」の遊び心がそろって、爽快な夕べに解き放たれたのだ。
巡り会えて良かった!ありがと🙌
ラブあんどピース🏆
アポロ
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