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絵本と子ども

今度、ママたち向けの集まりで絵本を持ち寄って、みんなで読んだり絵本について話したりしたいな…と、そういう企画を作ってみた。
絵本…
のことを考えると、思い出す。
中学校の国語の先生をしていた当時のこと。
某中学校で問題児の1人としてよく名前が上がっていたAくん。
タバコ、授業の抜け出しや遅刻などなど、いろいろと手を焼いていた子。
そんな中学校でも、図書館で本を借りて読もう、という機会はあり、珍しく参加していたAくん。
そして…
絵本を持ってきて、
「読んで」と一言。

いやいや、中学生で絵本?という思いが一瞬かすめましたが、彼の生育環境を考えると絵本を読んでもらった機会はこれまでにあっただろうか?と思い返し、読み始めました。
すると、とてもまっすぐな眼差しで絵本を見つめ、読み聞かせに耳を傾けてくれました。

彼にとって、中学の授業内容は難しすぎて、なかなか集中して聴くことができないのですが、
絵本であればこれほど気持ちを傾けられるのか…と驚きました。

母になると、いろいろな絵本を手に取る機会が増え、読み聞かせをしてもらえる機会も。
大人にとっても魅力のある絵本はたくさん。
そして、学びも多いこと。

絵本のことを考えると、彼にまた絵本を読んであげたいな、という想いがよみがえります。
もう二十歳を超えている彼は、どう過ごしていることか。

絵本を読んだこと自体が子どもたちの今後に直結している、というわけではないと思いますが、絵本を読み聞かせしてもらっているあの幸せな瞬間は、きっと子どものからだのどこかに小さな栄養みたいに、ぴたっとくっついていそうな気がします。

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