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安城地域リハビリネットワーク ちょっとまとめ

-私見を含め-              

           
                  記載:安城地域リハビリネットワーク 2代目代表 青木一樹

1.愛知県安城市ってどんなところ?

日本一新幹線が通り過ぎる駅、三河安城駅がある愛知県の大都会である。また一応日本のデンマークと呼ばれており、安城市最大のテーマパークのデンパークがある。そんな町で我々は活動している。安城市の概要は下記の通りである。

人口:190,144人(高齢化率20.7%) 中学校区:8中学校区           住民主体通いの場:144箇所 (参加者実人数:3,332人/高齢者人口8.5%)                 町内健康教室  :68箇所 (参加者実人数:1,205人/高齢者人口3.1%)                    ・安城市ホームページ:https://www.city.anjo.aichi.jp                                           ・デンパーク    :http://denpark.jp

2.市内医療・介護・福祉事業所 (市内療法士数は、約200名)

高度急性期病院(749床):1施設・ケアミックス病院(420床):1施設 
有床診療所(19床):1施設・診療所:94施設・介護老人保健施設:3施設
特別養護老人保健施設:4施設・訪問看護ステーション:12施設
デイサービス等:2施設・その他

3.安城地域リハビリネットワークとは?

2012年6月に発足した、安城市内24事業所に所属している理学療法士・作業療法士・言語聴覚士からなる任意団体です。2011年に6施設30名で行った「安城地域リハビリを活性化させる会」を皮切りに、2012年「安城地域のリハビリの課題と対策勉強会」で安城地域リハビリネットワークが発足されました。        下記現在やっていること(図1)。

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図1:安城地域リハビリネットワーク やっていること一覧

4.なぜ発足したか?

・リハビリテーションは単一事業所で完結するわけではない。
・単一事業所で出来ることには限界がある。
・地域全体のことをあまり知らない。
・行政や市民と話し合う、触れ合う場所や機会がない。
・どの事業所が何をやっていて、どのような人がいるか知らない。
・様々な情報交換をし易くしたい
・人材育成の地域で最適化すれば効率良くなるのでは?
という発起人の想いから、

課題
競合ではなく協調できる体制を構築し
地域が一つの機関として機能するかのように地域を最適化出来ないか?

発起人3名の紹介(図2)
松山 太士氏 長谷川 昌弘氏 山田 真也氏

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図2:発起人の3名

5.大まかな経緯

①2012年 安城地域リハビリネットワーク発足 (初代代表 松山太士氏に決定する)
やったこと
・市内療法士の見える化(電話が主な手段)
・交流会を実施    (各施設の紹介や座席工夫により顔の見える化促進)
・メーリングリスト開設(気軽に連絡が取れる方法の確立)
・会則の規定     (何を行うために集まっているかを明確にした)
・サマリーのフォーマットを共通化
・地域課題の抽出を目的としたワークショップ開催/54名参加(図3, 図4)
・リハビリ専門職がプロデュース salonあんちゃん準備開始

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            !!ここで問題発生!!
         salonあんちゃん開始までのハードル
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今後を考え、行政関連機関にa:安城地域リハビリネットワークを知ってもらう事、b:salonあんちゃんのチラシを置いていただくために行動した。
ただし当時は、「企画書を読んでもらう、salonのチラシを置いてもらう」が容易ではなかった。。。

                   title:私、現実を知る -PT ・OT・STなんて皆知らない-
Step1.企画を立ち上げる
電話でアポイントメントを取る。態度から電話の向こうの相手の心が読める。「お前らは何者だ、こっちはそんなんに構っている暇はないぞ」そんな感じである。私もその頃は所管がわからず、健康増進事業を行っている課っぽいところに電話をかけるので、「ここではそーゆーのは扱わないですね〜失礼します(ガチャ)」が結構あった。何とか一つの課でアポイントメントを取れたが、「貰ってくれるだけ」であった。そうでしょうそうでしょう。どこの馬の骨かわからん団体にプレゼンをさせてくれるほど、世の中甘くない。まずは、企画書を受け取ってもらうことに成功した。

Step2.資金と場所
もちろん資金は、ない。そして立ち上げは、私と頭のネジの抜けた方の2人であったので、とんでもない意見に対して批判的吟味をしてくれる人はいない。その頭のネジの抜けた2人がメンバーを集めるので、自然とみんな頭のネジが抜けた人が集まった。その数私たち含め5人。
問題は資金と場所だ。こんな人達なので、簡単に解決した。「自分たちでお金を出し合って、会場も借りればいいし、お茶菓子も用意すればいい」資金の問題と場所の問題が解決した。

Step3.場所の確定とチラシ配布場所
まずは多くの市民と行政に知っていただくため、安城市中心部にある公共施設で行うこととした。条件にヒットしたのが、安城市民交流センター(http://wakuwakucenter.jp)である。使用料が高いがしょうがない。市民団体の登録を済ませ、まずは開催自体は出来る状態になった。
チラシに関しては、上記施設に置いていただけることになったので、もう一度市役所に相談したところチラシ設置の了承を得た。そこから近隣福祉センター・保健センター・シルバー人材センター・医療介護機関に電話をかけチラシを設置させていただいた。

Step4.開催
記念すべき第1回目(図5)は、2013年6月13日に無事開催。安城ホームニュースさん(中日新聞に折り込まれる)(図6)が取材に来てくださいました。
スクリーンショット 2019-11-12 17.51.37         図5:第1回目salonあんちゃんフライヤー
スクリーンショット 2019-11-12 17.51.44           図6:安城ホームニュース掲載

Step5.運営の安定を目指して
2014年:資金負担を軽減させるため、杉浦地域医療振興賞に応募。落ちる。
2014年:安城市市民活動補助金に応募。受かる。2015年に物品等を安定させる。
2016年:とある福祉センターから福祉センターの事業として、行いたいと打診が
     あった。会場・お茶等の提供物の心配がなくなった。

Step6.salonあんちゃん関連の最後
実績が積まれ、何回も顔を合わしていると対応が変わってくる。行ったことを報告しに行くときも、ロビーやカウンターで行なっていたものが、部屋を用意してくれるようになったり、色々な相談をしていただけるようになった。これは大きな変化であり、一つのうれしいことでもあった。また、総合型介護予防事業等への相談も同時期にいただき、ここから行政と長いお付き合いが始まることとなる。色々な問題や課題があり、その度に乗り越えてきた結果、現在は、福祉センターの力をお借りして、salonあんちゃんを2箇所で実施している。世代も変え、活動メンバーも増え新たな役割も創造しつつ活動し続けている。立ち上げ時期は、兎にも角にも理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が社会に認知されていない現状を目の当たりにした体験だった。

salonあんちゃん立ち上げメンバーの紹介
長谷川昌弘氏 高橋宗紀氏 吉原智也氏 布目真吾氏 青木一樹 (堀山貴之氏)

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②2013年:活動が安定してくる
松山氏・長谷川氏・山田氏の巧妙なリーダーシップにより、様々な活動が定着してくる。福祉まつりへの出店や、勉強会等を行う。
安城市医師会に初代代表の松山氏から任意団体設立の報告を行う。
勉強会:「就労支援」と「急性期→生活期の予後予測」を行った。

③2014年:総合型介護予防事業の相談をいただく
役員3名が2013年の報告を安城市に行う。
松山氏・長谷川氏・山田氏の巧妙なやり取りにより、行政との距離が近くなる。愛知県理学療法士会の支援を受け、総合型介護予防事業について行政と相談・調整を行う。

2015年:総合型介護予防事業の委託
総合型介護予防事業「まめに暮らそう会」を8中学校区各1回/計8回(協力事業所:8事業所)で行う。
ケアマネットの会合にお邪魔をさせていただき、当団体の紹介を行う。
名古屋南リハビリテーションネットワークで山田氏が活動報告(図7)。
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           図7:名古屋南ネットワークで活動報告

シルバーカレッジで研修会を行う(図 8)

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          図8:シルバーカレッジ研修会の様子

市役所健康管理研修を行う(図9)。参加者役200名。

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図9:市役所健康管理研修の様子

市民公開講座を行う。等の研修会依頼が爆発的に増え、認知度が高まった。

⑤2016年:地域リハビリテーション活動支援事業 トライアル実施を行う
・地域リハビリテーション活動支援事業トライアル「サロンお助け講習会」・
我々が直接介入をするような介入方法は取らずに、間接的に支援をする間接介入を選択した(図9)。また、活動が社協だよりで市民に紹介される(図10)。
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             図9:講習会の様子

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          図10:第91号あんじょう社協だより

松山氏が春日井市で活動報告を行う(図11)。

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           図11:春日井市での活動報告

症例検討会の実施:急性期→生活期までの関わり -症例を通して-/74名参加
症例検討会の実施:疾患別症例検討会/36名参加
NPO法人 ingさん支援開始
引き続き、市役所健康管理研修やシルバー人材センター研修会等研修会の依頼を多数いただく。

⑤2017年:活動の幅を広げる (代表の交代 松山氏から代表を引き継ぎ2代目となる)
勉強会:「地域包括ケア病棟を知ろう -ときどき入院、ほぼ在宅-」実施
第1回安城地域リハビリネットワーク学術報告会開催/69名参加(図12)。
施設間交換見学の実施(図13)
リハビリテーション・ケア合同研究大会 久留米2017で初めての活動報告(図14)
愛知県健康福祉部高齢福祉課主催 新しい総合事業西三河ブロックで活動報告(図15)
安城市長とティーミーティングを行う(図16)
行政との意見交換会を定例化する。

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  図12:第1回安城地域リハビリネットワーク学術報告会プログラム集

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           図13:施設間交換見学の実施

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図14:リハビリテーション・ケア合同研究大会 久留米2017で初めての活動報告

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図15:愛知県健康福祉部高齢福祉課主催 新しい総合事業西三河ブロックで活動報告

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図16:安城市長とティーミーティングを行う 
出典:https://www.city.anjo.aichi.jp/mayor/tea/h28/1122.html?fbclid=IwAR0g5nchv8IqAmHkUnFLL9f-koQAzWVTKP6XLytExDH4FA8OvQzjIPCkdqQ

健康づくりリーダーさんに向けた研修会を開始する(図17, 図18)

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図17:健康づくりリーダーさん向け研修会(身体の構造:座学)

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図18:健康づくりリーダーさん向け研修(身体の構造:実技)

⑥2018年:活動が活動を呼ぶ
衆議院議員 小川かつみ先生(理学療法士)に安城地域リハビリネットワークの説明をする(図19)。
ケンサチウェルネスフェスタに安城地域リハビリネットワークとしてイベント依頼(図20)
研修会:地域包括ケアシステムの復習と医療・介護同時改定について/64名参加
第2回安城地域リハビリネットワーク学術報告会開催/58名参加
認知症カフェ(たんぽぽカフェ)立ち上げ協力開始
地域リハビリテーション活動支援事業 多職種意見交換会主催 /60名参加(図21)
短期集中型介護予防サービス 多職種意見交換会開催

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  図19:小川先生に安城地域リハビリネットワークのプレゼンをさせていただく

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図20:ケンサチウェルネスフェスタに安城地域リハビリネットワークとして参加

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   図21:多職種を巻き込み、安城市版の活動支援事業モデルを提案する

⑥2019年:ゆるく長く活動を継続していく
リハビリテーション活動支援事業 120回/年
碧南市リハビリ専門職連絡会で講演(図22)
在宅医療・介護連携のための研修会Part1開催/約100名参加(図23)
勉強会「可動域の再考」開催
安城市自立支援型個別ケア会議プロジェクトメンバーとなる
若年性認知症のご本人とご家族のつどい (たんぽぽカフェ)2018〜継続(図24)
安城地域リハビリネットワーク 勉強会グループ 「関節可動域の再考」(図25)
在宅医療の未来を考える映画 上映会&シンポジウム 副代表出席(図26)
リハ・ケア合同研究大会2019 代表・副代表で発表(図27a, 図27b)
在宅医療・介護連携のための研修会Part2開催/約60名参加(図28a, 28b)
安城市リハビリテーション活動支援事業 全体意見交換会(図29)
愛知県委託事業 介護予防者育成事業 地区会 西三河で安城紹介(図30)
今年も走る!安城市デンパーク駅伝!(図31a, 図31b)
安城市自立支援サポート会議〜みんなでもう一歩👣〜お披露目(図32)

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     図22:碧南市リハビリ専門職連絡会で活動報告+αを行う

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       図23:在宅医療・介護連携のための研修会開催

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図24:若年性認知症ご本人とご家族の集い ストレッチの風景

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図25:勉強会の様子

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図26:シンポジウムの様子 看取りについて語ります。

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図27a:活動報告1

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図27b:活動報告
なんとこのセッション、安城から3題も!!

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図28a:在宅医療・介護連携のための研修会Part2 医療福祉介護の皆さまと

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図28b:在宅医療・介護連携のための研修会Part2 成果物

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図29:行政・包括・社協(地域支援・介護予防)・リハの皆さまで
安城市ってすばらしい!!!大好きだ!

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図30:安城市のエース(勝手に思ってる) 高齢福祉課地域支援係係長 稲垣さん!
安城市(稲垣さん)すごいから、有識者みたいな形で稲垣さんを呼んでください(笑)

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図31a:安城医療福祉介護チーム!!

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図31b:安城医療福祉介護チーム! Aチームが3位入賞!!

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図32:安城市自立支援サポート会議〜みんなでもう一歩👣〜お披露目!
   →別にnoteを作成してあります。下記URLからどうぞ。
    https://note.com/555511/n/n5f07c7e68030

次年度からは、リハビリテーション活動支援事業にアセスメント同行も加わり、通いの場支援と合わせると、240回/年に決定!!!

2020.2.6 第92回安城地域リハビリネットワーク代議員会で...........
次年度新役員決定!
2020.2.21役員会で、新年度役員役職決定!!
代表 :小久保 充
副代表:園部 智子
副代表:小笠原 巧
副代表:大谷達宣
書記 :堀山貴之
事務局:山下渓志郎
会計 :宇野達也
会計監査:平川雄太
新年度に期待です!!
私は、役目を果たしたと考え、今年度で退任することを決断。

そして、新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るう中、安城地域リハビリネットワーク主催のものが3月にはたくさん.............
・リハ専門職がプロデュース salonあんちゃん
・第93回安城地域リハビリネットワーク 代議員会
・第3回 安城地域リハビリネットワーク 学術報告会
等々開催する予定が何個も.............
市内や近郊の状況を鑑みて.....中止にしました(・ω・`)(図33)

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図33:連絡した内容(・ω・`)

R2.2.22までの内容となります。
また、年度末に雑感を記載いたします。

6.活動を続け変化したこと

・リハ資源が明確になった(事業所情報を共有することで各事業所の強み把握)
・事業所間の距離(リハ職)が近くなった(毎月顔を合わせる・連絡までの障壁低下)
・多職種との距離が近くなった(一緒に仕事や会議を行う・相手を知る)
・行政等と協議が出来るようになった(毎月顔を合わせる・制度設計会議を開く)
・地域との距離が近くなった(市民がリハ専門職を知るようになった)
                                    

7.これから
継続は力なり。ゆるく長く続けていく。

8.関係各位
発起人の3名をはじめ、安城地域リハビリネットワークを支えてくださっている方々に厚くお礼申し上げます。
一人一人のお名前を紹介させていただくと、書ききれなくなってしまうため、お名前の記載は割愛させていただきました。

令和2年3月31日 

最後のお礼文
https://note.com/555511/n/n4daadf757e85

文責
安城地域リハビリネットワーク
2代目代表 青木一樹

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