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20171010 診察日記

とにかく旅行には行けた。
8日に静岡から帰ってきて、
体調も少しずつ上向きだと感じている。
ひょっとしたら、今日こそ通信簿(血液検査)が
一発オッケーだったりしてね。

◎病名:
 進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移)
◎治療歴:
 1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL
  外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)
 2)トモセラピー(骨転移放射線治療)
 3)アフィニトール
 4)ケモ
 PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+LPR)
 →VNR→PTX&bev(再)
  ※以上をゾメタと併用で
◎現在の治療:
 Halaven初回投与で
 骨髄抑制が起こったため
 グランシリンジを投与して白血球を増やしながら
 なんとか投与中。先週2回目を投入した。
 さあ、今日は投与できるかな。
◎おもな症状:
 骨髄抑制、倦怠感、食欲不振、発熱、
 口内炎症、手足ほてり、睡眠障害、吐き気(嘔吐)など

主治医
「無事に旅行は行けましたか?お友達にも会えました?」
エリィ
「はい。なんとか行ってきました。
 食事はとれなかったですけど、しっかり遊んできました」
という和やかな会話はここまで。

主治医はいつもの落第を、患者に告げた。
そう。好中球はものすごく減ってしまっていた。
もうこれ、何度目のプレイ?
読んでいるあなたも、もう飽き飽きでしょう。
やっぱりケモを投与すれば、骨髄抑制が
もれなくついてくる。
この方程式は、もう崩せないということ。

主治医ははっきりと、抗がん剤治療の限界を宣言した。
こんなしんどい思いをして、治療をするのはおかしいと。
もう治療そのものに無理がでていると。
とくにハラヴェンとの相性は、最悪だった。
別の抗がん剤を試したとしても、白血球は減る。
なかには赤血球が減る場合もある。
そうなったら、今度は輸血だもんねぇ。

薬の影響もそうなんだけど、転移した肝臓の機能が
悪化していることも問題とのこと。
肝臓が通常のオシゴトをできなくなりつつある。
いろんな重要任務を担う肝臓どの。
白血球が増えにくいことなど、いまの困りごとに
少なからず関与しているそうだ。

治療の打ち切りは、患者にとってダメージが大きいもの。
主治医は少しだけ表現を変えた。
「とりあえずお休みしませんか。
 しばらく様子をみてから
 別の抗がん剤を使うか、新薬を使ってみるか、
 またこの次のときに考えましょう」

患者はこっくりとうなずいた。
とにかく休めと言われたので、のんびりする。
ほかに選択肢は何も思いつかない。
食欲が少し上向きだから、
美味しいものでも食べに行くかな。

次の予約は2週間後となった。

再診料‥73点
検査‥156点
合計→229点(2,290円)
※患者は3割負担