ウイグルGirl《ホテル受付嬢》
2019年のお盆休みに新疆ウイグル地区に行ってきた。
ウイグル地区では外国人が宿泊するためには、特別な許可証が必要なので、宿探しに苦労した。なんとか街の中心から少し離れたホテルで泊まれることになった。
それにしても、どこのホテルも入り口が強固なフェンスで閉ざされていたり、探知機をくぐらないと中に入れなかったり、厳重な雰囲気だ。
ホテルに行くまでも大変だった。タクシー乗ってみると、英語が通じない。(中国内陸・成都の空港職員に英語が通じなかった頃から少し怪しいと思っていたが。)「HOTEL」が伝わらない程だから、ジェスチャーしたり、翻訳アプリでどうにかカバーするしかなかった。
やっとHOTELに泊まりたいことが伝わっても、相手はやめてくれといわんばかりに何やら焦り気味で話してくる。おそらくだが、私が泊まろうとしてるHOTELが法的に問題がなく、反社会的でないか等を気にし・ているみたいだ。(タクシードライバーが道行く人々に「後部座席のこいつ、なに人なん?乗せてええんかな?」ぽいことを道中聞いてた。むちゃくちゃ信用されてなくてないやん)
ウイグルに限らず、中国国内でもそうなのだが、街中に共産党のスローガンが張り出されており、「平等」「富国」「愛国」「法治」「公正」など赤字で派手に掲示されていて目を引く。
もしかすると反社会的な人を乗せた場合、反社会的な活動協力をしてしまったとされ、タクシードライバーも責任を問われるのかもしれない。
(推測だけど、私の泊まるHOTELについて何やら念入りに質問してきたので、変な施設でないか確認するのに躍起になっていたのかもしれない)
↑成都にあった看板
↑異様な数の監視カメラが町中に。警察も多い。
そんな緊張感の中、ホテルに到着した。受付に向かい部屋の空き状況を確認し、宿泊の手続きを進める。どこの出身か聞かれたので「日本」と答えた。すると、、スタッフの人や保安スタッフがザワザワしだした。
【余談】(保安スタッフとは、治安維持のために、市民たちに組織させた自警団みたいなもの。※ちなみに、ぼくが勝手に命名しました。)
大きめのホテルや施設にいて、身なりは警察似だが、やってることは掃除してたり寝てたりとかなりノンビリしている。
保安の人とホテル・レストラン等の人はどちらもウイグル人なので、ウイグル人同士で監視させるシステムなのかと思ったが、保安の人とホテルスタッフとは仲が良いみたいで和やかな雰囲気。
ウイグルのホテルに、日本人が来るのが珍しいらしい。確かに町中でも日本人どころか外国人が少ない。(中国からの観光旅行客は多い。ウイグルは自治区扱いなので、一応、中国国内の扱いにされている)
受付の若い女の子は自分はウイグル人だと教えてくれた。日本人である私に関心を持ってくれたみたいで、色々質問を受けた。英語は少しだけ話せるみたいだ。学校で習ったけど、ほとんど忘れたと言っていた。日本人と似ている。
翻訳アプリを使いながら会話をして、部屋の説明等も丁寧にしてくれた。部屋で少し休んだ後、受付前のソファーで座りながらスマホを触っていると、晩晩御飯を食べたか気にして声をかけてくれた。
その時、夜の8時を過ぎていたのだが、宿探しで必死だったのでご飯を食べれてなかった。そう伝えると受付のウイグルの子がお勧めのレストランまで連れて行ってくれる為にタクシーを捕まえてくれた。
初めて食べたウイグルのご飯は美味しかった。ハッキリした味つけだけど、東南アジア系の料理とまた違った味だ。
※写真はあんまりだけど、食べれば味は写真を超える
レストランから戻り、ウイグルの子に「美味しかった。ありがとう」と伝えると、喜んでくれた。「明日私は休みなの。だから一緒にご飯に行かない!?」とんこと。
「いいねー、行こ行こー」と答えた。(ぼくは、基本誘われたものは断らない主義。むしろノリ気でどこでも行く。)
そして、部屋に戻ったのだが、ふと考えると、これはデートのお誘いじゃないか!?と考え出した。
というのも、それまでの会話の中で「イケメンですね」とか言われたり、少なくても好感を持っている話し口だったからだ。(日本ではモテないが、濃い顔なので海外ではそこそこイケるのか。特にアジアと謎の思い上がり発動)
ウイグル女子とのデートは貴重な体験だ。デートじゃなくても、一緒にご飯を食べれるだけでも中々こんな機会はない。街を見て回って、疑問に思ったことやウイグルのことについて聞きたいこともたくさんありあったので、かなりラッキーだなと思った。
次の日の朝、その子が仕事終わりに帰宅する前に、14時に受付前で待ち合わせと時間を決定。これでデート確定した。やったー!と思っていると、、
何やら見知らぬ男が、ウイグルの子がホテルまで乗ってきたであろうバイクを触ったり、動かしたりしだした。するとウイグルの子もその男と話を始めた。様子を伺っていると、どうやら一緒に帰るようだ。
ぼく「だれだ、、? デートに誘われたおれを差し置いて!」(心の声)
※向こうからしたらこっちの方がだれだ?て感じだろう。見慣れぬ日本人がいるのだから。
すると、ウイグルの子が今から友達と車で出かけるから、それから帰ってきてからご飯でいいかと聞かれた。もちろん、おっけー。私は気を遣って、むしろご飯は今度にしようかと話し、今回は諦めようと思った。
しかし、16時にここに戻ってくるから、と言われたので、ご飯は決行になった。
ーーそして、時間は流れーーーー
16時になった、
彼女は来ない。
16時15分でも姿は見えない。
彼女との約束はどうなったのか!?
でも、ここは海外なので海外Timeかもしれない。30〜40分程スマホいじりながら待った。
まだ来ない。
部屋でもゴロゴロしてたが音沙汰ない。
結局彼女は来なかった。
なんだが、ぼくは勝手にふられたみたいになった。
むしろウイグルの子とデートするよりも、ふられる方が貴重か笑。ふられる方が貴重か。笑
女の子とデートをするのは、やはりどの国でも簡単ではない。
そう思った1日だった。
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