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【3話】スダさん  in Sri Lanka

2018年2月、スリランカに旅にでた。


夕方頃そろそろゲストハウスに帰ろうかと考えていると、自転車にのっているおじさんが現れて、声をかけられた。


「日本人~?」って。それがスダさんだった。


いきなり日本語で声をかけられたので面食らってしまった。相手から声を掛けてくる&日本語がうまいは、騙される2大パターンだと自分は思っているので、絶対悪い人だと思った。


話をきいていると、静岡のYAMAHAでモータエンジンのエンジニア研修を受けながら日本で10年程働いていたらしい。色々話しているうちに、多分この人は騙すタイプのひとじゃないと感じてきた。


この後のスリランカとインドの旅で散々痛い目に合うので、正直説得力ゼロだが、聞いてほしい。

しっかり相手と話す中で、話口調やその人が醸し出す空気感、自分の話を聞いてくれるときの反応、などを見ればだいたい人柄が分かるとぼくは思っている。(ただし疲れていたり、感情が先行して自分の判断力が鈍っている時は別)


それに人に騙されるのは嫌だけど、人を信じないとせっかくの出会いを逃してしまう。だってお金やモノ、最近では経験もお金をだせば買うことができて手に入るけど、人との出会いだけは自分ではどうにもならない。


インターネットやSNSが発達した今、出会いの母数は増やせるかもしれないけど、出会う人は(こんな人に会いたいと思っても)自分の意志では決められない。いわゆる、生まれてくる親は選べないみたいな。きっと神様が振り分けてくれる運的なものだと信じている。


スリランカ1発目の出会いで少し怖かったけど、だからそう、自分の直感を信じて、自分のことも色々話した。家族のことや友人のこと。


スダさんとの会話は弾んだ。ぼくが話していることをしっかり聞いていない様なリアクションだけど、それは細かいことは気にしない性格みたい笑

※やたら相づちをオーバにする人の方が怪しいのかも。楽天的な解釈。


立ち話からカフェに写ったのだが、カフェに行く前には、スダさんの職場・船のエンジンを修理している小さな修理所まで、忘れたバイクの鍵を一緒に取りに連れて行かれた。マイペースだし、なんだか愛着が湧くキャラクターだなあ。


スダさんは僕にとって特別な存在になった。それは2週間後にもう一度会ったから。だけではなく、スリランカ初日の不安な中、ぼくに声を掛けてくれたことだけではないみたいだ。


スダさんにいきなり道端で声を掛けられてから、魚市場やスダさんが家族と住む家に連れて行ってくれりと。会って話をして、すぐ仲良くなって色々案内してくれたことが楽しくて嬉しかったのに加え、なんというか凄いスピード感のある時間だった。(短い時間に色々起こりすぎて)


魚市場は一回見ていたけど笑。より詳しく案内してくれ、スリランカの社会のこととか色々教えてくれたし。スダさんの家族、ぼくと同じくらいの息子とか小学生くらいの次男と娘さんとチェーンスモーカーのDon't let me downや宇多田ヒカルを一緒に歌ったときは、なんか心の芯から楽しかった。

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おおげさだけど、自分の生きていた世界の外側に、こんなところがあったんだって感じ。この旅でそう初めて感じたのは、きれいな風景をみたり、貧困を目の当たりにしたりしてではなく、スダさんと会って一緒に楽しい時間をともにして感じたんだった。


短い時間で、道端であってからの急展開だったから自分の思考が、この感情についていけなかったけど、本当によかった。








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