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【0話】バックパッカー初日 in Sri Lanka

2018年2月、スリランカに旅に出た。


スリランカに着いて、まず感じたのは少し怖いって気持ちだった。空港の中から外まで、黒みがかった人たち(肌黒な人)でいっぱいだったから。今までフィリピンや韓国、台湾といった東~東南アジアの国に行ったことはあったけど、日本から遠く離れたアジアの隅、大きく異なった文化圏の国に来たのは初めてだった。


インドやスリランカの人は東南アジアの人とは、肌の黒さがまた違う。今までほとんど接触したことのない人種の人に囲まれてみると、旅立ちのワクワク感の端っこから、ちょっとした不安な気持ちがあふれ出てきた。


空港を出てすぐにある両替所では、お金を誤魔化されない様に気を張りつめていた。


ぼくがスリランカに入国したのは、バンダラナイケ空港という空港。スリランカの首都は「スリジャヤワルダナプラコッテ」という世界一長い地名で、首都だと勘違いされがちな「コロンボ」の隣にある。


バンダラナイケ空港は首都の隣にあるコロンボのさらに隣の「ネゴンボ」にある。なんだがさえない名前だし、コロンボの方がかっこいいと思ってしまう。空港はネゴンボでも郊外に位置するので、空港から市街地への移動が必要だった。


アジアの韓国やインドでも空港から市街地へ直結のメトロが近年、整備されつつあるのだが、スリランカではそれがなかったのでバスかトゥクトゥクに乗る。そうこうしていると、タクシー運転手に客引きをかけられた。インドの異常な圧倒されるような過激な客引きに囲まれるイメージとはほど遠く、一人の小柄なおじさんにこっち来なとナチュラルに誘われた。それがまた予想と違っていて、気づいたらおじさんについて行ってしまっていた。


タクシーなので高いのはあたり前だけど、タクシー前で値段を聞くとトゥクトゥクの倍以上は高い。風さらしになるトゥクトゥクと違って快適な分、高いのは当たり前だけど、できるだけ安くやりくりしたかった。

高いので断ったが、既にタクシー前まで来ていたので、おじさんも必死になってしつこく話しかけてくる。ここから、よく海外体験談で聞く様な早業を見せられた。ぼくのバックパックはいつの間にか、するりとタクシーの後部座席に積まれてしまい、おじさんは運転席の扉を開け出発の段取りを始めた。

「やばいっ!」と思って、バックを取り返そうと、もがく。

乗れよ、乗らないよの押し問答が続いた。結局乗らずにすんだが、ぼくはキレながらタクシーを後にすることになった。


その後、どうにか地球の歩き方(ガイドブック)を駆使してローカルバス乗り場を見つけて、ネゴンボ市内に行くバスに乗ることができた。バスの中はあまり乗客がいなくて、暑い気候のスリランカの中、バスが走り抜けると窓から入ってくる風がとても気持ちよかった。

「やっとスリランカに来た、旅にでれたんだ」という満たされた気持ちになった。

バス内は、写真なのか、イラストなのか、鮮やかな仏像が沢山飾られていて、日本のバスとは全く違う雰囲気だった。「こんなに沢山の仏像を飾っていたら、ありがたいものも、ありがたくなくなるよな」と感じたのを今も覚えている。


続く、、






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