『おかえりモネ』第90回 どうやって情報を伝えるのか?
朝岡は一人戻して欲しいと高村に訴え、モネが戻されます。
すぐに情報を伝えるために
朝岡はネット配信機材を出し始めました。ここで彼はフォロワーが減っていると苦笑しつつ、たんたんと準備をしています。彼は全国区で顔を売る地位にはさしたる拘泥はなかったものの、人気が減少すると情報を届けられなくなるジレンマに直面した模様。顔を見せるテレビの力を、離れて痛感しているのでしょう。それでもやるべきことはする。ネット配信で、彼なりに番場川の氾濫を伝えようとします。
ここの朝岡は学びがある。人気って流動的なものかもしれない。ここまで有名になったら不動だろうとタカを括っていると、実はそうでもない。朝岡フォロワーには次の推しを見つけた人も多かったんでしょうかね。
なかなましいジレンマも感じます。公共放送だから、視聴率は度外視してでも大事なことを伝えねばならない。とはいえ、なんだかあやしい締め付けはあるし、多くの人に伝えるには数字もいるし……そういうジレンマがこのドラマの直面するもの。視聴率、苦戦してますよね? キャッチーでわかりやすくして、広告代理店とでもよろしくやって……と、最後のひとつは私の邪推ですね、すみません! ともあれそういう話題作りはしていない。手堅い。堅実。でも人気は取らなきゃいけない。そういう悩みがあるんだな。
高村が、そこに立つ
そのジレンマは続行中。神野も内田もオフの格好でバンバン情報を探っています。内田でなく神野も眼鏡でもっさりしちゃってる。根は気象予報士だからデータと理論が大好きなんですよ。高村は越水の情報を掴み、すぐに伝えろと神野と内田、それに野坂にまでスタジオに立てと言います。でも10分は支度にかかる。ええい、このぉ、その間に何かあったらどうする! そう苛立つ高村。
じゃあ、あなたが立てばいいんですよ。沢渡がそう高村に促す。バッチリじゃないですか。足元までヒールで戦闘服、そんな高村なら確かにできる。一瞬戸惑いつつ、風格すら漂わせ、高村はスタジオでニュースを読み上げます。ネット配信の朝岡とテレビの高村。ほぼ同時に話す。いいですねえ、まさに龍虎! ネット配信に朝岡あれば、テレビ放映に高村ありよ! そういう並び立つ風格があって最高でした! 沢渡がしみじみと、慎重だけど視聴率を出すことを考えていると讃えます。高村はできるリーダーです。
一方、朝岡の配信も視聴者は増えているようです。
この作品は、危難に際してでる本質を描いています。新次も嵐で船を動かした。宇多川も避難の荷物を運んだ。そして高村。人間の真価を引き出してくる。
大雨は止んでからが実は危険です。そう話し合う気象チームを見て、高村は満足げな表情を浮かべています。若者を見守ることは年長者の醍醐味だと。沢渡も、気象の仕事の意義を語ります。地味だと思っていたけど、人の命を守る。このまま記者として起床を極めるのもアリじゃないか。ニッチを攻めてこそだと言うのです。高村は地味というなといったものの、そういう先入観はありますよね。政治とか、事件とか、スキャンダルとか。その方が派手に思えるけれど、そうでもない。
喜んでいいわけではないけど、これから気象はどんどん重要になる。そう高村が確信している通り、激甚な災害は増しています。
誰かを助ける、見返りは求めないで
朝岡とモネが話しています。情報は伝えたけれど、それで誰が助かったのかはわかりません。
モネは龍己や鮫島の感謝してくれた笑顔を思い出しつつ、人が助かったということを求めているのかもしれないと言います。
人を助けることを願うのはよいにせよ、成果を求めてはいけない。そう朝岡は諭します。そしてモネが初日に会社で言ったことを思い出させてきます。モネは全国の人々に情報を届けたいけど、幼なじみや自分に近い人を守りたいのだと。それが本当にやりたいことならいいじゃない。そうモネのやりたいことを応援すると言う朝岡。
やはり、人の喜ぶ顔が見たくて仕事する部分はある。そうわかっているのです。
ここでネットで情報のおかげで助かったという子どもの投稿を見て、朝岡とモネはほっとするのでした。そして次のコメントも入ります。竜巻が接近中、場所は気仙沼市亀島、できたばかりの橋の側。
永浦家の近くで、竜巻が発生したのです。
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