『らんまん』第39回 美しいのは、完璧なものだけ?
万太郎はやっと念願の東京大学植物学研究室に出入りできるようになり、落ち込んだものの、持ち前の植物への愛を取り戻し、受け入れられてゆきます。
シロツメクサはこうして日本に広まった?
藤丸はウサギを抱っこし、シロツメクサを与えて喜んでいます。動物をドラマに出すのって、プロダクションも使うしなかなか大変なんですよ。それにしても藤丸のこの愛くるしさ。ウサギだけがかわいいわけでもない。最初は変人キャラなのかと思ったら、傷ついて癒しを求めていることがわかって、優しい心がわかって。こんな藤丸に朝から心惹かれるなんてことがありますか? みんないいなあ。波多野も藤丸が癒されることで癒される。そういうよい流れができています。
そして、彼らはシロツメクサを植えてしまうわけですが。そうか、こうして日本中にシロツメクサは広まったのかと納得できます。外来種への危機感はまだまだ先の話。なので、能天気にシロツメクサだらけになったらここも外国だと話しているわけですよ。まあ、害はないけどさ。
藤丸がごきげんなのは、万太郎のおかげでもある。ガチガチの田邊の植物採取ではなく、歩いて、日常的に採取するやり方はまるで子どものよう。そこがいいんですね。そんな天真爛漫さが周囲を癒していく。朝ドラ原点回帰の気がします。
実際の牧野富太郎も、笑顔のスナップ写真が多いですし。誰かの笑顔が朝から癒しになることも朝ドラの役目のはず。そういう笑顔で癒す役割を女性だけに限定することは、もう古い。実は最先端を駆け抜けているのが、この『らんまん』なのでしょう。これは革新的な傑作だ!
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