秀吉。信長の悔しさ

 藤吉郎はすぐさま戦の準備にとりかかった。

 この戦の重要性を藤吉郎は重々に理解している。

 信長の天下統一という野望のためだけではない、敵討ちという意味が込められた戦だ。

 信長と妻・濃姫の仲の良さ、そして道三との友情を考えると道三を裏切った現在の斎藤家は叩き潰したいのだ。

 8年前、まだ藤吉郎が信長に仕えてすぐの頃道三は討ち取られた。

 信長が救援に向かったころにはもう遅かった。仇をうとうにも周りの国からの圧が強く派兵できなかった。

 そしてとうとうやってきた機会には返り討ちにされた。

 これ以上の失敗は許されない。


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