秀吉。美濃三人衆

 父親がいないなか育った藤吉郎にとって長政は本当の父親のような存在だった。

「長政さん、今回の戦は正面からぶつかってはダメでしょうね」

 馬に乗りながら藤吉郎は長政に戦の相談を始めた。

「そうだな。数にも3倍近い差がある。それになにより美濃三人衆の存在だな」

 美濃三人衆は稲葉、安藤、氏家の3人のことで斎藤家の猛将として名を馳せていた。

 特に安藤は知恵の回る男ともっぱらの評判で油断はできない相手だった。

 しかし、だからこそ藤吉郎は詰み筋が見えていた。


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