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親になって、はじめての七五三。

11月のよく晴れた日、七五三のお祝いをしてきました。
3歳になる長女は、はじめて着る着物に戸惑いつつも、どこか嬉しそう。

七五三といえば、思い出すのは千歳飴の持ち手がつぶれるまで強く握りしめて、かたい表情で写っていた幼い私の古い写真。

なんで自分が着物を着ているのか、もちろん分かっていなかったし、手に持っているものも、これがなんなのかきっと分かっていなかったと思います。じつは大人になってからも、七五三がどんな行事なのか、よく分かっていませんでした。

その意味をきちんと知ったのは、今の会社に入社してから。新入社員の研修でカレンダーの校正をしているときに、確認用として回ってきた資料に七五三の由来やその意味が書いてありました。

男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の成長を迎えた節目に神社に訪れ、成長を祝います。七、五、三という数字は、奇数をめでたいものとする中国の影響を受け、行事の名前として定着しました。

昔は医療技術が発達していなかったので、幼くして亡くなってしまう子どもがたくさんいたそうです。だから、3歳まで生きてくれてありがとう。5歳まで生きてくれてありがとう。7歳まで生きてくれてありがとう、これからも、健やかに成長して欲しい。という切なる願いを込めて、お祝いしました。長く伸びた千歳飴も、子どもの長寿を願う気持ちが込められています。

七五三の由来を知ったとき、生きている時代は違えど、その事実になんともいえない切ない気持ちになりました。

そして、自分が親になってはじめて迎えた七五三。晴れ着姿の娘を見て、昔の人がお祝いしていた気持ちに、少しだけ寄り添えたような気がしました。

昔と比べて、今の医療技術ははるかに進歩しています。でも日々飛び込んでくるさまざまなニュースに、不安になることも。神社からお祝いにともらったおもちゃを一緒によろこびながら、これから先も、ずっとずっと健やかに大きくなって欲しい。そんな「願い」が、自然と自分の心の中にありました。

この日はたくさん写真を撮りました。

左手には重い荷物、右手には大きなカメラ。腕をぷるぷるさせながら、今日という特別な1日を記録に残しました。

いつか娘がその写真を見返したとき、こんなふうにお祝いしてくれていたんだなあと、なにか感じるものがあったらいいな。

あらためて、おめでとう。
そして、ありがとうね。



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