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saki
2022年8月15日 16:20
陽射しがぐんと傾いたのに気づいて振り返ると、頭上の群青がゆるやかに薄れ、紅茶を溶かしたような色の空が視線の向こう側に広がっていた。八月が、「もう夏は終わってしまうよ」とあざ笑っているような、そんな表情だ。少しむっとする。このうだるような暑さも照りつける陽射しもどうせまだ続くくせに、変わらないくせに、と、悪態をついてみる。同じ日は二度と訪れず、日々変わりゆく。勿論それはどこかでわかっているけれど、