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映画「花束みたいな恋をした」を見たわたしたち

先日彼を連れ立って、映画「花束みたいな恋をした」を鑑賞した。
私は予告映像も何度も見返して行ったのに、予想以上に絹のいたるところが私そのものと重なり合っていて驚きと戸惑いが隠せなかった。ちなみに彼も同じことを思っていた。


例えば…
実写版映画よりも原作映画の方が好きなところ。(実写版って役者の人のためにあるものだよなぁと常々感じる。)


ギョッとする人も多いけれど実はミイラ展が好きなところ。(小学生の頃からよく博物館や美術館には連れて行ってもらっていた。特に古代エジプトの展示会は今までにないビジュアルで記憶に残りやすくて、同級生は誰も見たこと無いだろうなぁって優越感に浸るのが好きだった。)


日本中の女子大生がクローンのように同じ格好をして、それでいて人事担当者からは個性を問われる人生の矛盾。(初めてスーツに身を投じて面接に行った日の夜、全く同じことを考えていた。“前ならえ“からはみ出た者が容赦なく異端者扱いされる現実に気づいてしまってから苦痛でしかない就活行事…。)


バイト帰りの30分は2人でのんびり駅から歩くこと。(私は10分もない道のりをとろとろ歩く。)


白いデニムを穿いている人は苦手なこと。(分かる人にはきっと分かるよね、あまり出会したくない人物No.1かもしれない。)


花の名前は教えないこと。(これは有名だから言うまでもない名台詞。)


ネコの名前をバロンにしたところ。(むしろバロンしか勝たん!)


きのこ帝国とフレンズの選曲が心を震わせてこれ以上でも、これ以下でもない、たまらない余韻を残していた。
ちなみに、きのこ帝国は私が密かに温めていいたバンドだったから休止してしまったことを思い出して聴く「クロノスタシス」は感無量だった。世の中にきのこ帝国が見つかってしまったことがちょっとくすぐったい。


恋愛ものでこんなにも心が揺さぶられるなんて…坂本裕二監督の作品にはいい意味で毎回泣かされてしまう。ふとした時にぶわぁっと込み上げてくるのは止められないから困ってしまう。でも、それがいいんだよね。私たちは大人になると泣くのが下手になるからさ、泣きたい時は泣いていいってことをそっと教えてくれる。素敵すぎるわ。


上映中の124分には花束みたいな優しさと温もりに触れるシーンばかり。
それはきっと、絹と麦の柔らかくて繊細な人物像が等身大の私たちをはっきりと映し出す何かが込められていたからだと思う。
1人でも、2人でも、花束の意味を考えながら心で味わうのがおすすめです。
まだみていない人はぜひ映画館でゆっくり楽しんでみてね。



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