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愛とセンスを身に纏って

ゆったり流れるスカートの裾をひらひらと舞わせる瞬間が心地よい。だから私はワンピースやスカートが好きだ。軽やかに飛び立てそうな気がして今日はどこに歩いて行こうかと胸を高鳴らせる。

最近、新しく買ったワンピースの丈がどうしても長くてお直しのために私の手から離れる期間が少しあった。だが、それが間違いだった。小旅行から帰ってきた我が子は無残な姿だった。あんなにたっぷりとした裾は半分以上も斬り込まれ、洗練されたデザインは虚しくも姿を失わせていた。″可愛い子には旅をさせろ″なんて言うけれどズタボロになった我が子を見てそんなのは嘘だと思った。私が外に着ていくにはつんつるてんで、あまりにも可哀想な我が子はハンガーにしょんぼりとかかっている。

どうにか袖を通してあげたくて思考錯誤を繰り返し我が子はワンピースから羽織りものとなった。裾を舞わせていた我が子は羽をつけて私を優しく包み込むエンジェルになった。エンジェルは私があまり好まず、メリハリをつけて働く時に履くと決めているパンツスタイルでもよく似合い、ふんわりと優しさをプラスしてくれている。姿が変わってしまってもお洋服がもつ個性は変わらず宿り続けるのかもしれない。きっと試されているのはお洋服を着こなす側である私たちの愛とセンスなのであろう。お洋服から伝わる人間性は計り知れない未知の世界だ。″あした、なに着て生きていく?″という某ファッションブランドのフレーズは私たちの新しい未知の世界を連想させて的を得ているのかもしれない。

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