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私のアスリハ -肩関節外傷- Part2

Part1はこちら

前回は固有感覚刺激と回旋筋腱板へのアプローチに関して話しました

次にポイントとしているのは「肩甲帯」としての安定性です

急性の負傷でも慢性の痛みにしても要因となるのは肩甲上腕関節だけでなく、胸郭や体幹部との関係性の破綻によるものが大きいと思われます

上腕骨の位置に応じて肩甲骨が追従してポジショニングできることは重要であり各ポジションでしっかり筋が活動し全体として安定していることが肩甲上腕関節や特定箇所への過負荷を防ぐことに繋がると思われます

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となれば全体の関係性を考慮してmobilityを獲得するとともに、拡げた可動域全般において剛性を要求するようなアプローチが必要になってきます

そのポジションへ部位を動かせるということだけでなく、ある程度の負荷をコントロールできるところまでプログレッションすることが受傷・再負傷を防ぐためには重要です。

また類似した姿勢や動作においてもOKC - CKC それぞれの課題で行うことで要求されることが変化するため、より”制御”としてのキャパシティーを広げることにもなると思われます

この段階になれば筋単体の活動よりも複数の筋の共収縮にフォーカスすべきかもしれませんが、課題に対してキーになる筋は存在すると思います

単独で活動させるようなエクササイズも重要ですが、ある程度ダイナミックであったり、より安定性が要求される課題のなかで前鋸筋が活動しているか、本人がそれを感じられているかは確認すべきではないでしょうか。

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前鋸筋の活性は外傷の後発としてのインピンジメント症候群のリスク(1-3)に関与するだけでなく、前鋸筋がしっかりと活動することで体幹部の筋の活動も促すことができ(4,5)骨盤や股関節との協調性も達成できる可能性があります

上の動画はよくプログラムに用いるケトルベルのフロントラックポジションでの課題です。この肢位では比較的前鋸筋の活動が促され(6)、腹斜筋群の活動も実施者が感じやすいものです

また、ケトルベルの重り部分が上部にくるように把持する(Bottom upと呼ばれる)肢位では上腕骨と肩甲骨の位置関係の保持がより強く要求されるためプログレッションとして有効であると考えます

"肩甲帯"としての安定性を要求しつつ体幹や下肢との協調を図ることで投動作、コンタクト動作や転倒時に要求される全身運動としてのタスク達成に対してアプローチできると感じます


1.Phadke, V., P. R. Camargo, and P. M. Ludewig. "Scapular and rotator cuff muscle activity during arm elevation: a review of normal function and alterations with shoulder impingement." Brazilian Journal of Physical Therapy 13 (2009): 1-9.

2.Ludewig, Paula M., and Thomas M. Cook. "Alterations in shoulder kinematics and associated muscle activity in people with symptoms of shoulder impingement." Physical therapy 80.3 (2000): 276-291.

3.Celik, Derya, Bilsen Sirmen, and Mehmet Demirhan. "The relationship of muscle strength and pain in subacromial impingement syndrome." Acta orthopaedica et traumatologica turcica 45.2 (2011): 79-84.

4.Kaur, Navpreet, et al. "Effects of lower extremity and trunk muscles recruitment on serratus anterior muscle activation in healthy male adults." International journal of sports physical therapy 9.7 (2014): 924.

5.Toro, Angie Stephanie Vega, Ann MJ Cools, and Anamaria Siriani de Oliveira. "Instruction and feedback for conscious contraction of the abdominal muscles increases the scapular muscles activation during shoulder exercises." Manual therapy 25 (2016): 11-18.

6.Caravan, Alex, et al. "Surface electromyographic analysis of differential effects in kettlebell carries for the serratus anterior muscles." PeerJ 6 (2018): e5044.







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