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毛皮禁止?持続可能な社会とは

509. の毛皮について

毛皮の持つ軽さや暖かさ、手触りに魅力を感じる人は少なくないはずです。
生き物だからこそ、異なる大きさ、形、色、毛質、すべてが個性。それを生かし作品に取り込みたいと思い、collection001"TIME"に使用しました。

近年、欧米諸国を中心に環境に優しいサステナブルなファッションを呼びかける運動や動物権力・愛護の立場から毛皮使用廃止を宣言するファッションブランドが増えました。その中でエコファーという合成繊維を使い自然の毛皮に似せて作られた素材が注目を集めています。その流れの中でなぜ 509. はリアルファーを使用するという選択をしたのか…

ファッションが好きな人なら自ずと惹かれるものとして自然素材があると考えています。忘れてはいけないのは食べ物や化粧品だけでなく、服や靴だって消耗品であることです。エコファーは化学繊維であること。化学繊維である以上、自然には返れないこと。そこに大きな矛盾と疑問が私の中で生じました。毛皮は一生ものといいますが、自然素材であるものには寿命があります。いずれ消えるもの、その寿命をどう全うさせるか。そこに答えを見出し作品を製作していきたい。そういう思いから509.は、本物のファーを使用した作品を提供しております。

何が正しくて何が間違っているのかではない、目の前のことだけではなく背景も知り考えることが大事だと思っております。

リアルファーを作品に使用すると決めた際に毛皮の加工場に赴き職人の話を聞いてきました。毛皮加工の手間、職人の技術の繊細さを後世にも残したい文化だと思いました。

水張り(ネイリング):加工するものの寸法に合わせ板に釘打ち張りにする作業
(乾燥して縮むのを防ぐため)
空内:毛や革についている余分な油分や薬品、汚れなどをオガ屑に吸収させて除去する作業
ロックミシン
裁縫
縫い代は0mm~3mm
仮縫い
毛皮用加工道具

多種多様な人間がいてそれぞれの属する宗教や個々の趣向、価値観がある。だからこそ知るべきことがあり、知ってから選択することが重要と考えます。
509. はお客様にブランドの意志を知って頂いてから選択して頂きたい、選択する権利は誰にでも平等にあります。


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