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イベントの真意と在り方

昨日、水木しげる先生の命日・三回忌に因んで、水木しげる記念館では「献花台の設置」「特別版の顔出しパネル」「有料入場者にバナナとキャラメルの配布」「想い出の写真展示」が行われ、入館者には「限定チケット」が渡された。

バナナとキャラメルの配布は「水木先生が好きだった」という理由からだし、特別の顔出しパネルも派手さがあるうえにエピソードなども記されていて良かったと思う。見ていないが「限定チケット」も価値があるだろう。
「命日・三回忌に因んで」という点では、催しとして理にかなっているし、「内容自体」は注文の付け所はない。

ただ残念なのは、とにかく「告知が遅かったこと」。1~2か月前に公表されていれば、そして、もう少し「人を引き付ける催し」があれば、と願わざるを得ない。
「水木しげる記念館を無料開放します!」として1か月以上前に告知すれば、もっとたくさんの人が訪れただろうし、地域住民に「命日」を再認識していただくきっかけにもなる。終日無料にしたところで、しょせん11月末の平日、殺到しすぎて困るような状況にはならないし、むしろ周辺店舗の経済効果が上がって町全体としては潤うだろう。そのほうが、「今後」への効果は大きい。
そして、今回の催しを関連付けて命日当日だけでなく数日間に幅を広げて行えば、なお訪れやすくなる。

とにかく「外」への情報発信の遅さが致命的で、それでいてマスコミへの情報発信だけ熱心なのはいただけない。「誰のために」「何のために」という肝心の部分が「マスコミ向けのパフォーマンス」にしか感じられなかったのは残念でならない。本質的な検証はせず“画面(えづら)”だけ撮れればいいマスコミの姿勢も含めて、せっかく良いことを行っているのに、向けられた「視線」が間違っていた気がしてならない。

11月19日、一畑電車が「終日無料運転」を実施したが、悪天候にもかかわらず、朝の列車は今まで見たことがないほどの混雑だった。告知も早かったので、観光客にも地元住民にも恩恵が大きかったと思う。

今回、自分たちのまちづくりの会としては「水木先生および世界妖怪会議に関するクイズ」を作成し、正解者には「リニューアル後に使えるサービス券を配布」する企画を立て、命日当日の30日に実施し、プラス週末を使って2日と3日も行う。

主旨として「水木先生の命日」と「水木しげるロードのリニューアル工事、世界妖怪会議としての整備」を知っていただくことが第一目的。成否は重要ではなく、「知ったうえで楽しんでいただきたい日」として考えたものだ。
昨年は大きな紙に絵を描いていただいたが、命日当日はまだしも、週末は「単に絵を描きたいだけの子ども」が「記念品の缶バッチがほしいだけ」になってしまった感があった。内容自体が悪いというわけではなく、「命日のイベント」としてはふさわしくなかったと思う。
娯楽性の高い子ども向けのイベントは、ゴールデンウィークやお盆期間、あるいは年末に感謝祭として行うのが良く、「その日が持つ意味」に焦点を当てるにはふさわしくない。

今回、水木しげる記念館のイベントよりははるかに早く告知したが、個人レベルの催しのためできることは限られており、集客につなげるには難しいものがあった。記念館がもっと早く催しを発表されていれば“便乗”もできたのだが…、というのが現実だ。

「何のために」「誰に向けて」「何を行うか」は、時と場合によって異なる。
それを見極めたうえで、一緒に楽しめることを行っていかなければならない。

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