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ジャニーズ問題の本質

こんばんは、中小企業診断士の長谷川です。
ジャニーズ事務所の問題が、いろいろと報道されていますが、私の専門分野である事業承継と事業再生に関連した話題であったため、少し私の考えの記事を簡潔に書いてきました。

事業承継税制については専門的なことは
あまり触れませんでしたが、筆者のホームページにある、記事を参照してください。


ジャニーズ問題について、今までメディア記事を元に考えていたのですが、今回はジャニーズ事務所のホームページにある「外部専門家による再発防止特別チームに関する調査結果について」を読んでの感想を書いてみます。

この報告書を読んでみると、さすがに弁護士を中心とした外部専門家が調査した報告書となっており、ヒアリング、分析、提言が的確にまとめられています。メディア記事には、被害者の救済策の具体化、再発防止策とその徹底、経営者責任などジャニーズ事務所に対する追及を中心に報道されていますが、報告書にはこの問題の原因、背景として同族経営の弊害、マスメディアの沈黙、業界構造の問題についても触れられ、かなり本質的な問題提議がされています。

また、再発防止策として以下の項目が提言されています。
(1) 本事案の本質
(2) ジャニーズ事務所がとるべき基本的対応
(3) 被害者の救済措置制度
(4) 人権方針の策定と実施
(5) 研修の充実
(6) ガバナンスの強化
(7) CCOの設置
(8) メディアとのエンゲージメント(対話)
(9) 再発防止策の実現度のモニタリングとその公表

この中で重要と思われるのは、被害者への救済措置制度は当然として
ガバナンスの強化にある
・ジュリー氏の代表取締役社長辞任と同族経営の弊害の防止
ですが、現在の対応では、これが実現されていません。

また、メディアとのエンゲージメント(対話)については、この問題の背景としてマスメディアがこの問題を今まで取り上げてこなかった背景と業界構造の問題を提議しながらも、ジャニーズ事務所の取れる対応として、メディアとの対話を通じて、この問題を繰り返さないように宣言するべきとしています。

この報告書ではマスメディアに対しての突っ込んだ提言は避けながらも、ジャニーズ事務所だけの問題ではなく、業界として取り組んで欲しいという要望が込められているように思いました。

これに対応したメディアの動きとして、NHKのクローズアップ現代の“「ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのか」メディアの沈黙についての番組は、メディアとしての前向きな動きとして評価したいと思いました。

筆者紹介
合同会社フォーサイトデザイン  中小企業診断士 長谷川綱雄
認定経営革新等支援機関
公的支援機関で、事業承継支援、事業再生・経営改善支援、新規事業開発、事業計画策定支援などの中小企業支援を中心に活動
 原価管理、IT活用、補助金申請、中期事業計画、人材育成なども得意分野



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