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ジャニーズ事務所の事業再生について考えてみました

こんばんは。中小企業診断士の長谷川です。
文春オンラインのジャニーズ事務所の事業承継税制適用に関する記事について書きました。

今回は、ジャニーズ事務所の事業再生について考えてみました。
このテーマを考える上で、いろいろな要素があり、どの方針で行くのかを判断するのはなかなか難しいように思います。
その背景として、ジャニーズ事務所への批判が、メディアからも一般人からも数多く出され、これらの批判に対してジャニーズ事務所からの反論などができない状況にあることが挙げられます。

3つの課題

① CMスポンサーやメディアが求める、被害者救済、再発防止策の実行策
②名称変更を含めた所属タレントの活動できる環境作り
③被害者救済のための賠償資金の裏付け

CMスポンサー離れが急激に進んでいる現状では、名称も含めて現在の会社組織のままでは、上記の課題を解決することはできなくなっています。
このままでは、会社存続も難しくなるという意味で事業再生が必要というフェーズになっているものと考えられます。

事業再生策

解決策の一つとしては、ジャニーズ事務所とは別の新会社を設立して、まったく新たな組織と体制で所属タレントのマネージメントを行っていくことが考えられます。
ジャニーズ事務所自体は被害者救済のための会社として存続していくことで、③の賠償資金の裏付けとなります。ジャニーズ事務所の資産は不動産などを残すことで、資産管理会社として存続可能となります。

新会社の設立資金などの出資はジャニーズ事務所ではない他の事業者で集め、ジュリー氏が関与できなくすることで、経営者責任を果たすことができます。

特例事業承継税制適用の維持

特例事業承継税制を適用した、相続税猶予はけしからんとの世間の意見は強いのですが、不動産などの資産を現金化する必要があり、そうなると被害者救済のための資金にも支障をきたす可能性があります。
相続税をきちんと支払っても国に入るだけで、被害者救済には回りません。

国税庁や経産省が特例事業承継税制の趣旨に反するとして、あら捜しをして特例事業承継税制の適用を取り消す可能性はありますが、そうでなければ、会社を存続させて被害者救済や所属タレントの活動支援の資金に活用する方が合理的ではないかと思います。

ジュリー氏が代表取締役に残ることにより、結果的には事業承継税制適用の条件を維持することで、被害者救済のための資金として確保するのであれば、ジュリー氏が記者会見で代表取締役残留の目的を被害者救済のためと言っていたこととも整合性が取れるのではないでしょうか。

しかし、世の中は合理性よりは、感情で世論が構成されるので、税金逃れはけしからんという声に対して、どのように説明できるのかは未知です。





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