さむねQ5

議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書概要【Q 5-なぜ、今の時代にグラフィックレコーダーが必要なのか?】

※この記事は、ビー・エヌ・エヌ新社の書籍 Graphic Recorder —議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書 著者の清水淳子が、本を買った人、買おうか迷ってる方も、買いたくないけど気になってる方も、もっと多くのみなさまにグラフィックレコーディングの奥深い世界を楽しんでもらえるきっかけを作るために、P10〜26のイントロダクション8つのQ&Aを無料公開してみよう!という試みです。どうぞお楽しみに◎ 書籍の前書きは👉こちら

***

Q 5-なぜ、今の時代にグラフィックレコーダーなのか?

A-新しい何かを生み出すためには、ぶつかり合いを乗り越えて
良い刺激を与え合う関係に辿り着く必要があるから。

テクノロジーの爆発的な進化の影響もあり、今までの仕組みだけで新しい未来の発展を目指すことは限界を迎え、どんなに歴史ある分野でも、新しい枠組みを生み出すため、様々な職業とコラボレーションしながら試行錯誤することが当たり前になりました。

例えば1851年創刊のニューヨークタイムズでは、近年データジャーナリズムに取り組むために、大胆なチャレンジを行っていました。データから真実を発見して、記事として読者に届けるデータジャーナリズムを実践するためには、データの収集、整理、分析、そしてビジュアライズと、今までに無い多岐にわたる業務を行うことが必要になります。彼らは、150年を超える歴史で培われた体制に捉われることなく、編集者、エンジニア、データサイエンティスト、デザイナーを一箇所に集めて意見を交わせるチームを再構成しました。

このように、ひとつのプロジェクトで多様な背景を持つ人々が協力して取り組むことが求められる状況で、成功の鍵を握るのはなんでしょう。私は、各々のアイディアやスキル以上に、「チームの意思を上手く繋げることができるか?」これにかかっているのではないかと思います。

仮に世界で最高に素晴らしい知識と経験を持つ人々を4人集めて、何か新しいことを始めようと試みても、上手く繋ぎあわせることができなければ酷い衝突で終わってしまうことだって十分あり得ます。

多様な思考が必要な新しい取り組みということは、違いを持ち寄るということなので、ぶつかり合いが生まれやすい状態になることも意味します。そのような環境で、全員が気持ちよく意見を言えるように議論をリードする人物は非常に重要です。そのためには様々な手法がありますが、議論をリアルタイムで可視化するグラフィックレコーディングも有効な手段のひとつです。

議論の可視化は、単に専門用語の意味や複雑な仕組みをわかりやすくして効率的に課題解決を助けるだけではありません。ぶつかり合ってる思考をありのまま可視化することで、違いを楽しみながら本音で話し合える関係性へと導くという役割も担うことができるのです。

 アフリカにこんなことわざがあります。「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで行け(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together.)」。このことわざが示すように、グラフィックレコーダーは、チームメンバーみんなの意思疎通をグラフィックでサポートすることで、みんなを遠くに連れて行くことができます。

***

NEXT👉Q 6-社会の中で活用できる場所はどのくらいあるのか?


最後まで読んでいただきありがとうございます:D Twitterでも日々色々と発信してますので、よかったらフォローどうぞ〜 👉https://twitter.com/4mimimizu