3/15「シャバを謳歌する」
AM10:00
喉の調子が悪くて病院へ行くと
「君ね、コロナッ!」(語感が謎にいいの腹立つ)
と言い渡され、そこから溜め続けていた「外行きてぇ!欲」を解放した模様を今から書いていきます。
僕は朝起きて身支度を済ませた後、コンビニへ向かいました。
晴れていたので、春風が気持ちよく、国道を走る車の音もなんだか心地よく聴こえました。
当初は、コンビニに寄って朝ご飯を買ったら帰ろうと思っていたのですが、今日はなんと言っても開放日だぜイエイ!ということで近所の公園へ。
餡マーガリンのコッペパン(あんこはこしあん派です)とカレーパンを頬張り、牛乳を飲みながら僕は朝食を取りました。
カゴに乗せられた園児たちと若い女の先生と鳩を眺めながらとる朝食は「めっちゃ朝!」って感じがしてすごい良かったです。
(カゴで運ばれていく園児達を見てると、脳内でドナドナが自動再生されるのどうにかしたい)
AM12:00
本日の目的地に向かう途中、西新宿駅で降りた僕は「モンスナック」という昔から続くカレー屋に入りました。
そこへ行ったのは、まだモンスナックが紀伊国屋の地下にあった頃、職場が新宿だった僕は昼休憩中にそこそこ足を運んでいたからです。
とはいえ、あくまでそこそこなので苦楽を共にしたあの味とまではいきません。
が、今日はなんと言っても大解放DAYいえーいめっちゃホリデイ!です。なので、思い入れがそこそこでも行っちゃいます。
移転先は野村ビルの地下一階。やはりシュッとしたビルの地下だからか、中に入ると厨房の喧しさもなく、店員さんが慌ただしく走り回っているでもなく、落ち着いた空間が僕を出迎えてくれました。
朝カレーパンを食べたことをそこで思い出した僕はカレーバターライスを食券で購入しました。
奥へ座っていいかと視線で合図をすると気の利くお姉さんが水を持ちながら案内してくれてたので着席しました。
お店にはうっすらとMr.Childrenの旅立ちの歌が流れていて、あ、そうかシャバはそういう季節か、なんて感傷に浸っているうちに曲は終盤へと差し掛かり、桜井和寿が「背中を押して~るからぁ」と歌い上げている時にちょうどバターライスが出て来ました。
こぞってカレーライスを頬張るサラリーマンの中で、僕は通を気取りながらバターライスを食べます。
するとあることを思い出しました。
まだコロナが世間的に流行していたころ、職場の友達と僕は今日と同じようにバターライスを食べていました。
僕は初めてではないですが、友達はモンスナックのバターライスが初めてで、感激したらしく、美味しいねと感想を言い合っていました。
その時、僕らはカウンター越しに中東系の女性店員さんから「シャベルナラ、タベルナ!」と無駄に語感良く注意されました。
バターライスを口に運ぶたび、「いや、もちろん自分たちが悪いんだけど、あんなにおっきな声で、ねぇ……」と思った時のことがよみがえり、そういえばそのせいでちょっと足が遠のいたんだよなと思い返していると、目の前にはその店員さんがいました。
もちろんモンスナックにはそこそこしか行ってませんから、向こうは僕の顔なんて覚えていません。それでも何となく緊張しながら僕がバターライスを食べていると、一口飲むたびにその店員さんが水を注いでくれました。
水の嵩は八分目から動きません。
それは気遣いなのか、それとも粗相をした僕のことに本当は気づいていたのか。
真相は彼女のみぞ知るです。
でも、その店員さんも移転と共にスマートになったのか、以前のようなアジア屋台のおばちゃんみたいな雰囲気はなく、同じバイトの女性と和やかに喋っていました。
それはそれでなんかなぁと思っていると、その店員さんの室内履きがみんな黒なのに対し、一人だけ輝くシルバーだったんです。
それを見て僕は「ああ彼女の中のパーソナリティは失われていないな」と確認できたので、僕は店を出ました。
また行きたいと思います。
PM1:00
高田馬場駅に着いた僕は本日の目的地「早稲田松竹劇場」を目指します。
山下達郎のドーナツ・ソングを聴きながらグーグルマップを片手に駅から出て、まず圧倒されたのはこの看板。
クセの強い看板に一人ツッコみながら歩いていくと右手に劇場が現れました。
僕は14時過ぎの回のチケットを買って、とりあえずあたりを散策しました。見つけた公園に入り、手ごろなベンチを見つけたので本を開きます。
今、読んでいる本は(著)サリー・ルーニーの「ノーマル・ピープル」です。仲良しだった男女が恋愛関係になったり、疎遠になったり、友達関係になったりする話です。ちなみに僕が今読んでいるところは二人が友達フェーズに戻ったところです。ちょっとだけ面白くなってきました。
時間が来たので僕は劇場に戻りました。
観たのは「アザー・ミュージック」というドキュメンタリーです。
タイトルにもなっているこのレコード店は、アメリカでは知らない人がいないほど有名なスポットらしく、売り上げはタワーレコードと肩を並べ、もはや観光地でもあるそうです。
なのにチェーン展開はしておらず、個人経営にこだわりを持っており、そういった趣深いお店が閉店するまでを映したのがこの作品でした。
僕も音楽が大好きでノンジャンルにいろんなものを聴きますが、これを見て改めて音楽の裾野の広さ、懐の深さを実感しました。それと伴にこのお店が単なるレコードショップではないんだなと思い知りました。
それは、ある人にとっては渾身の一作を披露する場であり、またある人にとっては肩ひじ張らずに意見交換ができるコミュニティでありと、店が存在している意義が通っている個人によって違っていたからです。
客だけでなく、アーティスト、そして従業員までにも多大な影響をもたらしている求人点が終わりを迎えていく様は、やはり込み上げてくるものがありました。
一度も訪れていないはずなのに観終わると僕の中に、十二分に寂しいという気持ちを残していきました。
店の片付けをしている時、物悲しく写すのではなく、その時になってた音をあえてリズミカルに配置して惜しまれつつも、小気味よく終えていく演出良かったなー。
良い作品でした。
PM9:30
出掛ける用事はまだあります。
それは何故かって?
なんてったって今日は大解放D(以下略)
夕飯を食べて僕は自転車に乗り代田橋へ向かいました。
そこでは最近友達になった店主さんが「バック・パック・ブックス」という本屋を一人でやっており、アザー・ミュージックも元々はその人に教えてもらった作品なので、さっそく観てきましたよ報告をするために僕は春の夜を自転車で駆けていきます。
夜になっても肌寒さはなく、身体に当たる夜風がひたすらに気持ち良く、鼻歌が捗りました。
到着し、挨拶を済ませると僕は店の隣のコンビニへ。
そこで椅子を用意してもらう代わりにショバ代ですとビールを渡し、乾杯しながら感想を報告しました。このお店は前にもこの日記に書いていて、僕のお気に入りの場所の一つです。(その時の日記は下に👇)
出逢いを求めて本棚をdigしていくのも、もちろん楽しいのですが、代田橋の駅から出てくるいろんな人を眺めながらあの人はこれからどんな晩御飯を食べるのだろうと妄想に耽ったり、店主の人とだらだらとおしゃべりしたりと、楽しみ方が沢山あり、考えてみればここは僕にとっての「アザー・ミュージック」でした。(うまいこと言ったぞ)
そんな素敵な場所で、最近はまってるアーティストの音楽をかけながら、おしゃべりをしていると、気付けば3時間経っていて、足元には350mlの空き缶が4つ。
帰りは自転車押して帰り、翌日はしっかりと二日酔いになりましたとさ。
羽目を外しすぎたのは元気な証拠だよね。ハム太郎?
おしまい
そんな夜に流していた曲
(Phum Viphurit / Welcome Change)
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