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12/29「カナダ人のギタリストに出会った」

PM 3:00

その日はいつも通りバイト明けで始発で帰ってきて、その日が休みだったので、アップテンポな音楽をおうちに帰る間、ずっと聞き続けて、万全の状態で書きかけの小説に挑んだんだけど、疲れてて、負けました。
だから、寝ました。

起きるとお昼すぎていて、さぁロフトから降りて、顔洗って歯磨いてやるぞ!って気持ちだったんですけど、YouTubeのショート動画とか、インスタとかを見て、なんだかんだお布団の中で3時間過ごしていて、ダメだなぁと落ち込みながらロフトをおりました。
今年は負けっぱなしです。
来年からは勝ちたいです。

僕はこれ以上家にいたら、アジカンの路地裏のうさぎを聴きながら怠惰な自分を責めることになると思ったので、お着替えして、色んな準備をして、チャリンコに乗りました。

向かったのは行きつけの喫茶店です。
今年の僕は、「行きつけの喫茶店を作る」というミッションをひとつ達成し、大人に近づくことに成功しました。
(来年は行きつけの居酒屋を作り、大将に「今日はなんかいい事でもあったんですかい?」「どうして?」「いや、なんとなく」と言われるぐらい親近感を持たれるように頑張りたいです。)
僕は行きつけの喫茶店でやっと書きかけのものに手をつけることが出来ました。
今日書いたのは、カップルの男の方が頼んだパスタが全く来なくて、彼女がキレそうだったけど、彼氏になだめられ、「なんだかなぁ」と思ってしまう場面です。彼女の中にあるさざ波みたいな心の変化を描けた気がして、よかったです。
お会計をする時、僕は行きつけの喫茶店だったので帰り際に「良いお年を」と言いました。店員さんも「良いお年を」と言ってくれて、僕はその時初めて今年もこうして終わっていくんだ、と思いました。
年末ってなんかいいな。

外に出るともう夜で、僕はチャリンコを漕いで、今度は本屋に向かいました。
そこも今年行きつけになったばかりの本屋さんで、そこはチェーンではなく1人の店主さんがやってる本屋さんです。
本当は、差し入れを持ってクリスマスの日に向かうつもりだったんだけど、寝ちゃったので、渡しそびれた差し入れを手渡しに僕はチャリンコを漕ぎました。

チャリンコを漕いでいるあいだはずっと、柴田恭兵の「RUNNING SHOT」を聴いてました。冬の風と夜の街並みが音楽とピッタリで、なんだかかっこよくなれた気がして、とても満足しました。

本屋さんに着くと、早速差し入れのレーズンの入ったラスクを手渡し、インスタで見て買おうと思っていたJ・ディラのドーナツというアルバムについての本を買いました。
そして、本屋さんと最近観た映画について話したり、棚を見漁ったりなどをしました。
その本屋さんの横には不定期だけど、今もDJ兼ラッパーとして全国を回ってる人がレコード屋をやっています。店の前には今、ダルマストーブとキャンプに持っていくような椅子がいくつか置いてあり、それらは音楽を聴きながら喋れるように用意された椅子です。
僕はレコード屋さんの店主さんに挨拶をして、ストーブに当たりながら年末年始は帰るのか、などの世間話をしながら、時間を過ごしました。

すると、そこに身の丈くらいのギターケースを背負った外国の人がきました。
その人は本屋さんと知り合いだったらしく、英語でなんかペラペラ喋りながらあっという間に僕の隣に座りました。外国の人の距離感の詰め方とスピードにはいつも驚くし、いいなぁと思います。
彼はカナダ人の学生さんらしくて、3週間後にカナダに戻り、学校を卒業して4ヶ月後に日本で仕事をしたいらしいです。そんなようなことを彼は僕に一生懸命話してくれました。
「最近買ったばかりだからまだ弦がちょっと硬いね」
そのようなことを言いながら彼はブルースっぽいフレーズを何度も僕に聞かせてくれました。
驚いたのは彼の演奏が上手だったということだけではなく、アコギのフレットを押さえているのが指ではなく、ショットグラスだったことです。
フレットをショットグラスで押さえることによってポローンと鳴っていた音がシャラーンに変わって、優しく歪んだ音色がなんだかすごいオシャレでした。
このスタイルは日本でこそ、珍しいけど、アメリカなどの海外ではなんでもないことらしいです。彼からそのお話を聞いた時、僕は改めて音楽という世界の広さを実感しました。
彼はそのあとも特に頼んでいないのに「ココがAで、ココがE、G。で、これがFね」とコードと押さえ方を教えてくれたり、キーを変えてカノンを弾いてくれたり、アラビアの歌を歌ってくれました。
僕はサービス大好きマンの彼に「サンタ・エスメラルダのDon't let me be Misunderstoodを弾けるか」とリクエストしました。
すると彼は曲を調べてくれ、挑戦したけど難しかったようです。
「今度練習してくる」と外国の人にお世辞を言わせてしまった。
困らせてごめん。でもうれしかったです。
カナダ人のギターリストさん。

夜の十時過ぎ、元々長くここにいるつもりがなかった僕はダウンも何も来てなくて、とにかく寒すぎたので本屋さんとレコード屋さんに本日4件目の「良いお年を」を伝えて、今年の「良いお年を行脚」を済ませました。
(ちなみに1件目はよく行く服屋さんで、僕は焦茶色の革で出来たレザーのビーニーを買いました。渋くてカッコいいです。来年被り倒したいと思います。)

家に帰ると、書きかけの続きをやろうと思ったんですけど眠くてやっぱり少し寝ました。
そして、カナダの彼の影響かは分からないけど、なんかないかなと思い、最近終わった?「ぼっち・ざ・ろっく!」を見始めました。
キャラの名前も各話の名前も、アジカンを文字っていて、ぼっちあるあるがつめこまれていてとても面白かったけど、やっぱり寝落ちしました。

毎日眠い。
おしまい。


その日かかってたやつ。

Eve
ファイトソング


ASIAN KUNG-FU GENERATION
路地裏のうさぎ


柴田恭兵
RUNNING SHOT


J Dilla
The Donut of the Heart

Santa Esmeralda
Don't let me be Misunderstood


結束バンド
青春コンプレックス


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