見出し画像

職場の予知夢

職場が潰れた。

その話を聞いたのは先月の5月25日のこと。
突然のことだったので「え?」となった。この反応は自分だけではなくほかの人たちもそうだった。後から来る人も同じ反応だと予想される。

詳しい理由とかは言えないが5月末にはなくなるということだ。

さっきも言ったようにあまりにも突然過ぎたことだったので思考停止に陥った。だけどすぐに襲われたのが「今後のことはどうなるのか」。

「職場がなくなる=クビ」になってしまうのかと思われたがそうでもなかった。

「6月から移動してそこで働いてもらう。」
「わかりました。」

ホッとした。
場所がなくなったから仕事を失うわけではなかった。それがわかってからこの事実のことはすんなり受け入れていた自分がいた。

だけど不安はあった。
環境に慣れること、給料面のこと。

職場がなくなると聞いたその日、自分は無意識に求人サイトを見ていた。これまでに残業に残業を重ねて働いてきたから空いた時間はできる。もちろん給料も減る。何なら思い切って転職でもと考えていた。が、現実に引き戻されて怖くなってやめた。
何も考えないで辞めようとしていた。馬鹿だ。そんなことしても悪くなるだけ。後先考えずに行動してしまっても良いように転ばない。もちろん好転もあるけどその時の自分はそうでもない。もしそういう行動を起こしてもそうでない未来が自分に見えてしまっていた。だからちゃんと考えるようにし、今後のことは様子見という形になった。もし何かしらの異変が起きたのなら…また何かしら考えるのかもしれない。

そういう結論に至ったので5月25日はそれで終わった。


それから二週間以上経った現在、移動先で何事もなく生活している。ふと思ったけど職場が潰れると言われた時、自分は一切狼狽していなかった。それは夢を見たから。夢を見ていなかったら自分は狼狽し、不安がると思う。

去年のどこかでその夢を見た。詳しい夢の内容は忘れてしまったが自分が働いている職場がいきなりなくなるという夢。どうやって伝えられたのかも分からない。でもいきなり知る。
それについて自分は激しく動揺した。

「どうして⁉︎」「何で⁉︎」

そればかりが頭の中を駆け巡る。
そしてそれを受け入れることができずいつの間にか激しく否定していた。

「嫌だ!なくなってほしくない!これは夢だ。夢なら覚めてほしい。どうすれば良いんだ⁉︎」

自分は否定し続けていた。
「こんなの、嫌だ!」を示し続けていた。

はっと目が覚めて起きる。スマホにかけられた目覚ましがなる前だった。
自分が見た否定の夢が自分の思いで一気に現実に引き戻した。
「夢か…」
自分は起き上がって出かける支度した。

その日、普通に働いていたら会社の人にあった。色々会話していた時にふと「ここが突然潰れるってことはありますか?」と聞いてみた。

「う〜ん、そういう時は事前に報告はするけどね。1ヶ月前には知らせるよ。」
「そうですか」

結果、現実になった。けど所々違った。
1ヶ月前ではないが1週間前に知ることになった。青天の霹靂と言っても過言ではなかった。
この夢を見てなのか落ち着いて受け入れることができた。スッとしていたのだ。

だから、「あの夢は予言なんだ」と言い聞かせながら今日も働き続けている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?