まちづくりゲームをやるように、discordコミュニティを運営してみる
今回の発見(まとめ)
・オンラインコミュニティ的なものは、活動量が可視化できる。まちづくりゲームのように「パラメーターを増やす」という楽しみ方ができる
・その先に「本物の人間」がいるので、「パラメーターを増やす」=「その人達が喜ぶ」という状態になっていれば、感謝されるからよい
まちづくりゲームとは
都市をつくって人口を増やしたり、そういうゲームのこと。
まちづくりゲームの代わりにdiscordコミュニティをつくる
discordとは、通話やテキストチャットができるサービス。特定のテーマに基づいて、実際に人を集めて、通話しながらゲームして遊んだりする。その「コミュニティづくり」をまちづくりゲームのように楽しむ。
アンケート結果「あなたはこのコミュニティを同じ境遇の他の人にすすめたいですか?」
NPSというものを参考にした(厳密な利用方法と違うだろう。)
8以上が70%という状態。テキストで数字をつけた理由をもらっているが、かなりいまのところは満足してもらっている(ここではテキストは公開しないけど)。
通話やテキストチャット、活動しているユーザ数を測定して、盛り上がりを測定する
実際に私が運営しているdiscordのコミュニティのデータを一部改変して紹介。
ボイスチャットの利用時間で、「町が発展」しているかどうかわかる。直近だと、1週間で合計1000時間近い通話が行われている。過去30日で10時間以上ボイスチャットをしている人達が80名ぐらい。3時間以上だと100名ぐらいだ。
これらのコミュニティはサブテーマに基づいて、8つに分割して運営している。
なぜ分割したのか?それはダンパー数と呼ばれる「人間がある程度相互に顔見知りに慣れる人数」を維持するため。各コミュニティで活発に活動している人は30-40名前後。複数のコミュニティに参加することもできる。
以下は毎週のテキスト数。最近は7500件ほど。テキストによる交流も多い。理由は後述する。
最初はひとつのサーバだった。人数が増えすぎて、新規作成を行った。
最初にできたサーバ「A」の加入者ペースが多く、1ヶ月ちょっとで限界に達した。そこで、新しく「B」を創設した。その先人数が増えすぎたので「C」を創設。
Aの活動量は減っているが、中の様子を見ていると一定規模の人数で相互に遊んでいるので、これでよさそう。毎週100時間前後のボイスチャットがあれば参加者は楽しそうだし、これでいい。実際には後述するテーマ別サーバでもAの所属メンバーは遊んでるからトータルの活動時間はもっと多い。
Bは数字が落ち込んできたので新規加入者をいれて再度活性化施策を行っている。Cに関してはなぜか活動量がすごく多い。特定の何人かが積極的に動き出すと、それにあわせて他の人の活動量が増えたりする。同じ構造で「まち」をつくっても、参加者によって雰囲気が変わるのが面白い。ここは私がコントロールできないところだ。
ABCの交流を増やすためのテーマ別サーバをつくった
ABC間の交流もしたいという声もあがる。とはいえ統合すると人が多すぎる。そこで、ゲーム内の特定のテーマに絞ったサーバをつくっていった。
メンバーはABCのどれかに所属しつつ、D~Hのテーマ別のサーバに任意参加できる。いろいろやってたら増えてしまった。
各サーバのボイスチャットのグラフを再度掲載する。12/5の週はDでイベント(参加者が企画したもの)があったので、人がDのサーバに集まっている。その前の週はEでイベントがあったのでそこの数字が増えている。
結果として「まち」を行き来する遊び方ができるようになった
全部のサーバに入っている人もいれば、特定のサーバだけで遊んでる人もいる。自分の希望に合わせて、選択肢が増えた。
いくつかの工夫
最初に慣れるまでのサポート
人事用語だと「オンボーディング」というのか?入会した人がそのコミュニティに慣れるまでのサポート。最初の1回目は一緒に遊ぶ日程の設定をしている。ここだけは私がまだ全部日程調整を行っている。
参加のハードルを下げる。「通話なし」でゲームする
discordは「ボイスチャット」としての利用方法が主流で、通話しながらゲームする人達が多い。ただ、知らない人と通話するハードルが高い人も事実。通話なしで、テキストチャットだけで遊ぶ方法も積極的に推奨している。これによってテキストチャットの量が増えているというのもあるだろう。
以下、私がまとめた「ハードルを下げるパラメータ」についての画像。
「聞き専」というフレーズがある。これは「通話している人」がメインで、「聞くだけ専門で参加」という意味。これだと、「聞き専」の人は後ろめたさを感じてしまう。ゲームで遊ぶハードルを下げるのであれば「全員通話なし」で遊ぶ、という方法を普及させるべき。生活音が気になって通話できないけど、特定の誰かと遊びたいという要望はある。
こんな感じで、ゲームのヘビーユーザー以外のひとが楽しく遊べる工夫をしている。ヘビーユーザが楽しめる場所は他にたくさんあるから、ハードルを下げる工夫をしている。
slackのtimes(分報)の応用
discordのチャンネルで「ひとりごとルーム」という各メンバーの個室を作成し、その中でtwitterのように各自が自由に書き込めるスペースをつくっている。自己紹介をしなくても、一緒に遊ぶ人がどんな人がそこを覗けばわかるようになっている。これらも活発な人が40人前後だからこそできる施策。サーバCでは最初から全員に導入したところ、活動量が増加した。ABでは希望者だけだったのだが。
人間関係トラブルへの対応
人が増えると人間関係トラブルも増える。複数グループがあるので、嫌だと思ったら別のグループに行けばよい。「まち」が複数あるので、自分のあう「まち」を探すのだ。これは想定してなかったけど、結果としてそうなった。
退会条件の設定
退会条件を設定して、活動がない人は退会してもらっている。動いてない人が参加してても問題ないはずなのだが、「表向きの人数だけ増えて、実際に活動している人は少数」という状態が気持ち悪くなってくる。これはなぜなのか。不思議だ。あんまりしっくりくる言語化ができてない。
もっといろいろ工夫があるんだけど、これはゲームの内容に踏み込むことになり、匿名でサーバを運営する意味がなくなるので、ここまでとする。
まとめ
ゼロから人を集めて、参加者が利用しやすいような工夫を行い、それがダイレクトに結果として数字で表れてくるという体験は新鮮だ。そして本物の人間に感謝される!まちづくりゲームをやるぐらいなら、discordでコミュニティをつくってみるのもよさそう。
今回は以上です!
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