20231221_水は足首までで。

 緊張の糸が切れた後に来る、この広い海で泳いでいるようなリラックス感に、溺れた一日だった。たぶん海の端まで来て、確実に手のひらがタッチした。あのザラザラとした感触を感じた。空気(気持ち)に余裕があったので、そのままターンしようかとも思った。
 ふと、学校のプールの場面が、頭に思い浮かぶ。二色のコンクリートブロックと砂利。間から育つ謎の雑草。ビート板から生まれる雑音。人を潰しにかかる冷たいシャワー。不快な記憶だ。
 その時は、試験の日だった。25mプールで、泳げる距離を計測する。泳ぎ方は、何でもよい。自由型だ。泳げる人にはなんて事は無い試験だけれど、泳げない人間にとっては、ただの見せしめだろう。5人ずつ、順番に名前を呼ばれて泳いでいく。自分も名前を呼ばれて、プールにゆっくり入る。合図とともに一斉に、泳ぎだす。そこから先は、生きるて帰ることしか考える余裕はなかった。
 体育の時間も終わりにさしかかった頃に、上級者が一斉に泳ぎだす。エンディング、締めというやつなのだろうか。25mをバタフライ。歓声が湧く。

もっと書きたいけどこの辺で辞めよ。

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