20240110_日記
朝、面接用の履歴書作成。
福祉関係の仕事を探す。老人系・子供系どちらとも興味がある。明日、面接予定。
履歴書の作成が思った以上に長引いて、印刷まで出来なかった。終わった後、おひるごはんをたべる。
お昼からは、市内にある書道が習えるところへ、見学&体験。服の選択に時間がかかった。黒い服の方がいいかなと。けど、あまりなかった。
高校生の時は、墨で汚れるから、黒シャツばかり購入していたのに。
時間感覚が鈍いので、絶対遅刻すると思いながら、自転車をこぐ。
朝、起きた時に、雨の音がしていた。自分が出るころには、止んでいた。風がとても冷たかった。
自転車を近くの駐輪場に置いて、そこからは歩き。遅刻すると思ったのに、一時間前に着いた。ほんとうに、時間管理が出来ない様子。
さすがに早すぎると思い、近くで時間をつぶす。観光地が近くにあったので、外国人が多かった。
たまに思うのだが、なんでこの国はお昼に若者が外にいないのだろうとつくづく思う。とても違和感だ。
時間が上手い事つぶれたので、現地へ向かう。マップで見たところに着いたが、どこにあるのか分からない。
5分前になっても、分からなかったので、電話をした。電話は嫌いだ。かかってくると、緊張するし、かけるのにとても勇気がいる。
勇気を振り絞って、電話をかける。優しそうなおじいさんの声が聞こえた。「あの近くに来たんですけど、どこなのか分からなくて」
「いま、近くに何が見えますかね」「線路が見えます、あとペットの店のようなものが」「・・今外に出てみたんですが」「あれ、迷子ですかね?」
「近くに駐車場があると思うんですけど」「ありますね」という会話をしばらく続けると、遠くの方に電話を耳に当てている人を見つけた。
その方向に歩いていく。信号を渡ると、やさしそうなおじいさんが手招きした。「あっこれだ、ホームページで見たやつだ」分かりやすい看板
駐車場の奥に進んで、二つのドアの右側。やっとたどり着いた。扉を開けると、畳の部屋が3つ連なっていて、奥の方に二人の女性が座っていた。
ほんとにこじんまりした場所で、落ち着く。外から見ると、ただのアパートだったのに、中は別空間のようだった。
上着を脱いで、近くの机に座った。カンタンな自己紹介、名刺渡し。社会人の1年目で刷り込まれたことなのに、僕は、驚いたように受け取った。
紙をみながら、この場所の説明。料金プランの説明。どんなことをしていくかの説明。学生のページは飛ばして、大人のページへ。
しばらく説明を受けた後、質問コーナヘ。僕は、学生ページに載っていた文言をじっと見た。「大学進学コース」僕は、何故か分からないがこの文字に惹かれた。高校時代、進路相談で僕は、就職する気なんて一ミリもなかった。書道の学校に行くか、筆を作る職人になろうかと思った。
顧問の先生が勧めてきた話で、僕はとても魅力的だと思った。実際に、会社の人に来てもらって、説明を受ける事もした。
だけど、親からの反対と、当時付き合っていた彼女の事を考えた結果、普通の就職をするという選択をした。この辺の話は、また今度書いておこう。
僕は、働きながら、ずっと頭の中には、芸術関係の大学へ行くという考えがずっとあった。働いて、6年たった今でもだ。正直、何故なのかは分からない。
だけど、すごく魅力的で、自分がそこに居る姿が鮮明に思い浮かぶから。スーツ姿で、働いている姿なんて、まったく考えれなかった。
働いている時も、書道部の先輩・後輩が書道の大学へ行って何をしているのかとか、顧問の先生を訪ねて、どうしましょうかねという相談をしていた。
毎回、聞くたびに物凄く惹かれるのに、僕はとどまった。なんか他の方向があるんじゃないかなと、色々な方向性を考える。そして、うーんと悩んでそのままにしてきた。今回、書道を習おうと思ったのは、単純に書道したいなという気持ちがありつつ、大学も考えてみようかなと思い、であればそこにいる人たちの話を聞いてみるのもありかなと思い、体験に至った。
僕は、聞いてみた。「これ、高校生と書いてありますけど、大人が目指すのはありですか?」と。すると、「ありですよ」と言われた。
習い事を今までしたけれど、あまり続いたことはない。それは、中途半端な気持ちでやっているからだろうと思った。だから、本気でやるとどうなるんだろうな?という考えもあった。
僕は、本気でやりたいと思い、大学進学コースにした。僕の事だから、また他の方向へ行くのかなと思ったりもする。だけど、そろそろ自分の軸は決めた方がいいのではないか?と思う。
色々な事に手をだすのはいい。けれど、24年間生きて、今の自分に残っているのは、何だ。それっぽい雰囲気の、芸術もどきみたいな作品ばかりだ。
僕は、いつになったら本物になれるんだろうとずっと思っていた。けど、それは、待ってはいてもなれないのだなと思った。僕は、自分から掴みにいかないといけない。本気にならないといけない。
本気というのになった事が無い。いつも、ほおっぽり投げ出す。別にいいかと。だから、いつまでたっても得ることが出来ない。
正直、書道をしてなにになるのだという考えもある。僕は、楽な生き方をもう知っている。だけど、そこからどんどん逸れていく。それは、自分の本当の声が、それをさせない。
後先考えずに、行動した方が、いいに決まっている。僕は、いつまで生きるつもりなんだ。あれだけ、死にたいと思っていたのに、本当は死にたくないらしい。まだ、やるべき事をしていないからだろう。
1つのことに専念して、努力をしてみる。そのことしか考えれないくらいに熱中したい。普通の幸せを、諦めよう。そんなもの、とっくに捨てたと思っていたけど、まだ覚悟がなかったらしい。やってみよう。
ただ用意周到にはしておこう。本当に、路頭に迷うかもしれないから、不安で不安で仕方がないから。お金の面を、安定させる方法も考えよう。色々な場所に顔を出して、受け皿だけ作っておこう。何年かな、2年くらいかかるかな。まぁ、頑張ろう。大学を、部屋でいる人間で調べて、なんとなくのあたりだけつけた。「何から始めようか」と本をめくりながら、おじいさんはいう。「臨書」臨書なんて言葉、もう聞かないと思っていた。本の中には、自分が昔見た書がたくさん載っていた。「楷書、行書他、どれがいい?」「楷書がいいです」机の上に、すずり、墨汁、筆、半紙が並べられた。ほんとに久しぶりの感覚だった。
「じゃあ、これ書いてみようか。6年のブランクが凄いと思うけど。緊張すると思うから、離れておくね。練習しておいて」そう言って、奥の方へ行った。
筆に、墨を含ませながら、昔の自分を思い出す。「あぁ、この感覚だった。この緊張感だった。この一発書きの」デジタルアートを書き始めてから、この感覚は忘れがちになる。
紙に、筆が付いた。そのまま、横線をひく。半紙の摩擦を感じる。ザーっという音が聞こえる。筆ペンとは、まったく違う感覚だ。どんどん書き進めていく。下手になったなーと思いながら。
完成した作品を見る。けど、想定外ではないくらいの字だった。案外、ちょい下手くらいだった。新しい半紙に変えて、どんどん書き進める。下手だと思いながら、描き続けていくと、なんとなく感覚を掴んできた。
すこしずつ筆が自分の思い通りに、体と一体化している事に気が付く。書く、書く、書く。楽しいなと思った。下手だけど、書いてて楽しい。色々な書体に、挑戦する。
先生が近づいてきて、アドバイスをもらう。それは、自分が見ていない視点だった。線と線の間にあく空間。書き方の特徴。「これを書き分けるようにならないといけない」不思議と、僕は絶望しなかった。
うん、頑張ればいい事だ。分かりやすい。答えがあるのだから、それ掴むまで、書けばいいんだと思った。どんどん書いていく。墨汁がなくなるのが思ったより早い。
書きながら思い出したが、このおじいさんは、僕が高校の時の顧問の先生の同級生だったらしい。そんな事あるんだーと、運命を感じた。それも、やるきになった原因なのかもしれない。
僕は、高校の時の顧問の先生の影響を、尋常じゃないくらい受けている。先生の言葉なら、何でもOKしてしまうくらい。ぼくは、初めて身近に自分より秀でた物を持っている人に出会った。
大体の事は、こうすればいいんじゃないかなという掴みができるが、これはどうやって書いているんだろうというような感覚に初めてなった。また、態度・雰囲気・話す事、全て尊敬できた。そんな人初めてだった。
また、会いにいこうかなと思う。けど、色々迷惑かけているから、会いに行くのは億劫になっている自分も居る。けど、色々出来事があったから、相談乗ってもらいに行こうかな。
書き始めて、何時間立ったのかなと思ったら、3時間くらいたっていた。途中、休憩をはさみながらではあったが、かなり集中して取り組んだ。
いつ帰ろうかなと考えてはいた。けど、まぁ、何も言われないしと思って、ずっと書いた。
また、書きながら思い出したが、2人の女性は、書道大学の卒業生らしい。同い年くらいかなとおもっていたけど、30代だった。僕の悪い癖だけど、年上に自分がやりたい事をやった人がいて、生きていることが確認できると、とても安堵する。福祉をしている時も感じた。「あっ、意外と人間て生きられるんだ」と。おじいさんも、会社がつぶれて、路頭に迷った経験があるらしい。そんなおじいさんからも、路頭に迷っている自分に対して。「まぁ、意外と何とかなるもんだよ」と助言をもらった。すこし、安心した。
とても居心地が良い場所だった。この部屋は、もともと茶道を習う場所だったらしい。和室は、落ち着くし、これは、いい居場所が出来たなと思った。そーいう理由もあった。
はじめての一人暮らしするから、ぜったいホームシックになって、孤独につぶされそうだなと思ったから、出来る限り、早めに居場所をいろんなところに作っておこうと。
大人になると、友達なんて作れなくなる。だけど、さびしいから作るしかない。無理やりにでも、人と接触できる機会をつくる。マッチングアプリでもしようかな、孤独死防止で。
久々に、書道をしたら、腕が痛くなった。ずっと同じ体制だったからだろう。最後に、今後の方針について、話して、部屋をあとにした。
時計を見ると、17時になっていた。あたりも暗くなっており、昼とは別次元で寒くなっていた。駐輪場まで、歩きながら、今後の事について考えた。
この周辺で、家と仕事をとりあえず1月中に見つけて、そこから、頑張ろうかと。自分で全てやるという思考になってから、もの凄い勢いで、行動をしている。
自分には、この状況が必要だったのだなと。一人で生きていくという覚悟が。少しずつだが、先が明るくみえた一日だった。いい一日、明日も頑張るぞー
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