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考える力

まあ文脈でなんとなく察してほしいのだけれど、昔はアングラの頂点に君臨していたような某氏が最近は若者相手にウケているという。

私自身はその風潮は「おいおいマジかよ笑」程度だったのだけれど、友人が大手のWEBサービスの責任者をやっている関係で、結構影響力を持っているという事を知った。

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というのも「お前の喋り方ってなんでそんなに某氏に似てるの」と言われたことから話は始まった。

私は某氏に対して「アングラだったくせにイキって陽キャコンテンツで馬鹿相手に教祖やってんじゃねえぞ」って気持ちで、意地でも見ない覚悟だったので「心外だ」という気持ちしかなかった。

「ねらー気質」「なんJ気質」「VIPPER気質」そういう思考の傾向性みたいなののパイオニアが某氏だと思う。失笑とか冷笑とか嘲笑とか、色んなことに線引きをし、何が笑われて何が笑われないかの固定観念を作ってしまったのではないかと考えている。

私は柔軟性と、それぞれが本気で生きたいように生きれるっていうのが一番の自由だと思っている。なので、人の事に首突っ込んで笑い者にしたり、自分がどう立ち回ったらいいのかわからない人々を作り出すことには、かなり初期段階から危惧を覚えていた。

一方で、潜入捜査の気分で結構な深度まで色々な「そういうノリ」に付き合ってきたけれど、私は全く本気にしてなかった。ノリでの発言よりも自分が考える正解を出したいなと考えていたし、それを鵜呑みにするなんて二極思考過ぎてそんな愚かは多くねえだろと思っていた。

多分これが某氏と似たようなところなのだろうと思う。「嘘を嘘と~」という発言と同じで、そういうのを本気にしないという自分の思考との線引きが出来ていて「まさか真に受ける馬鹿はいねえよな」というスタンスで動いているように思う。

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今も抵抗感があるので数本の動画を見た位だけど。

ビジネスなんかのロジックの話になってくると、私からすると当然であって、学びではないのだけれど、わかりやすい言葉に端的に落とし込んでまとめている印象を受ける。その通りだと思うことが多い。

一方で、コミュニケーション等に関しては「ああ、この人は色んな人との交流を持つことが無かったから、頭の中でロジックを組み立てているだけなのだろうな」と思う。

彼は断定的な物言いをする。その方が「毒舌」としてウケたり、情報社会の今だと「結論」「正解」だけが求められることが多い。ウケるビジネスをしようと思えば「わかりやすく単純明快で考える必要がない」に需要がある。

だからそれを狙っているのはわかるのだけれど、コミュニケーション等についての断定は、結構な的外れが多いなという印象を抱いた。

要は、彼が話しているのは攻略法であり、攻略法というのは世界にとっていかに都合よく振舞うかということになる。

そして、彼自身もそれが正しいと妄信しているからこそ、不都合でロジックに嵌らない人たちを「頭が悪い」というような言葉で切り捨てる。

彼が物質主義者なのか、精神主義の片鱗でも齧ってるのか、精神的成熟度というものはわからないのだけれど、少なくとも彼のロジックで満たされるのは物質的豊かさや記号的好成績でしかないのかなと思う。

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世の中にはとても沢山の人がいる。

私は成金の家庭で虐待をされて育った。その為に、ピラミッドで言えば上の人種の人たちとのパーティに参加することもあった。一方で、裕福な土地柄ではなかったので団地の片親家庭の子供なんかに虐められたりもした。

両親は、私の意志は全て阻害してきたし、ただ私が生きるという事にはお金が使われることはなかった。

両親の高いハードルの世間体を満たすために(中学以降見捨てられるまで)ご飯を食べることが出来た。雨風をしのげて、足を延ばせる湯舟(許可制)、戸建てだとか、簡単に言うと「金銭的に困窮しているが故の」苦しみを知らなかった。

一方で、愛情や人権というものが文字通り一切なかったために(恐らく両親はASD系とソシオ系)自分が奴隷や所有物のように扱われることは苦しみだった。

他にも、云百人以上と関わって観察してきた。大体で分けると、「認知の歪みで自分の殻に閉じこもっている人」「環境に報われなかった人」になるのだけれど、これだって単純化しただけでもっと複雑で複合的だ。

人は大人になると、その枯渇していたものを補おうとする。自分は間違えないようにと行動をし、それを強迫観念をもってやってしまったのが、私の両親だったのだろうと思う。

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ここで言いたいのは、幸福っていうのは人それぞれに価値観があるはずだということ。

某氏は「こういう交際相手はきっとこうだから」というような、断定的口調で言っているけれど、私からすると「勝ち組が故に下を見たことが無かったんだろうな」という気持ちになることがある。分母が少なそうだなって。

ただの文字だけのコミュニケーションで人格や未来を断定できるわけないのにね。

何が怖いって、それを「頭がいい人が言うんだから正しい」と信じ込んじゃう人も一定数いるんだろうなって寂しさ。某氏が言う「不正解」を避けるために、自分を殺してまで「正解」にたどり着こうとする人は少なくないんだろうなって。

一番大事な事って「考える力」なんですよね。戦後の日本教育が悪かったとしか言いようがないんだけれど、「正解」「不正解」があるから、学歴も積み重ねられて、良いとこ狙って高収入を目指してってなりがちだけど。

私って、テストが死ぬほど苦手なんですよね。これは昔からで、ADDのせいも大きいと思うんですけど「必要性を感じられないことに集中できない」という傾向がとても強い。逆に必要性だったり面白さを感じれば、時間を忘れて没頭して突き詰めて能力や評価がおかしなことになったりするんだけど。

結局のところ、日本の教育方針だと「正解」「不正解」の丸暗記だけが重要になっていくわけで、それで褒められて育ってしまうと大人になってからもその「正解」「不正解」を探しちゃうんだよね。

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大人になってから求められる力ってそんなもんじゃないのよね。

「正解」「不正解」の暗記だったらシステムにやらせといたほうが合理的だし、システム化できない単純作業ならバイトにやらせたほうが良い。そもそも、勉強で社会に出てからの「正解」を勉強できるのなら、会社側は選ぶ必要もないわけで。

自分は実家が経営者だったからそういう考え方が身についたのと、そういう仕事に立ち会ったりして「自分が面接官だったとして面接中どこを見るだろうか」を考えるんだよね。

そう思うと、就職活動で叩き込まれるテンプレゴマ擦りって、聞きたいことを聞いてるのに社交辞令しか返ってこなくて、クソつまんねえだろうなって。

某氏は休日の過ごし方を聞いて「プライベートを聞くことでその人の人生観が見えてくる」と言っていてこれは本当に悔しくも感嘆したけど。まあ、根無し草のつもりなので取る立場って本気で想定しているわけじゃないんだけれどね。

その人の本質を知りたいだろうな、というのは私は早くから思っていて、正直に答えることにしている。

私は精神的向上心が高い方というか、考え方とか仕事の捉え方なんかが幼少期のパーティなんかもあって、ピラミッドの上の方の人たちをモデルにしているのだろうと思う。

だから、プライベートを優先できない状況になってまで仕事に身を捧げる気はないし、身体も強くないけれど、能力の高い部分はあるから、総合して考えると独立を考えている。その上でスキルを積みたいけれど、性にあったら会社に留まるかもしれない。

というようなことを平気で面接で言う。多分だけど「独立を考えている」なんかエージェントとの面接練習なんかで言ったら「辞める前提で話すな」と怒られそうなんだけど。

正直なところ、本音を隠してまで入社しても、自分の人生の目標と利害が一致しなきゃ不満が溜まるばかりじゃねえのかなと思うので。正直、変な空気になったことはなく、欲しがられることの方が多い。

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色んな話が混じったけれど、考える力の衰退と、某氏のような人物が影響力を持ってしまうことでもっと価値観の多様性が失われるのは嫌だなあと思う次第。

コミュニケーションも恋愛も、結局のところは双方が一緒にいることに納得していれば良いってだけの話なのにね。「地雷だからやめましょう」みたいな断言っていらなくねと思うんだ。

自分がそうだからわかるけど、某氏は多分心が狭いんだろうなと思って。でも、心の広い人っていうのは一定数いて、その心の広い人たちが許せるなら別にそれは幸せな愛情なんじゃねえのと思うんだよね。

なんというか、某氏は幸せの定義をどこに置いているんだろうね。お悩み相談をロジックで断言しまくってるんだから明文化できるはずだと思うんだけど。お金とか自分の命くらいしかわかんねえな。純粋に、物質以外で彼に豊かさがあるのだろうかという疑問。

恋愛とかも、自分の話になると誤魔化してるみたいだけれど、恋レベルはともかくとして愛情レベルまで知ってるのかね。まあなんか奥さん漫画出してたっけ、読めって話か。そんなにはやっぱり興味持てないや。

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戦争の話とかもね、色々言いたいことはあるけれど、書いては消してでまとまらんから、ちょっとだけ。

タイムラインでちょっと見かけてびっくりしちゃった「戦争反対って本当にそうなのかな」っていう呟き。

当然のように思われている事実を、色々な角度から疑うってのはわかるけれど、今回の件にパルパティーン(伏字)を庇える何かがあるとは到底思えないんだよね。それプラス、戦争をするメリットよりデメリットの方が圧倒的に大きいし、日本で生きる日本人だったら、戦争が始まることで良い事ってないんじゃないなと。

戦後のGHQの日本の教育は効いてるしね。昔みたいに日本人が勢いで強い時代は戻ってこないだろうし、それを憂いているとしても、今戦争が起きたら上につく国が変わるだけだと思う。要は、米ではなく中露が上になれば、北朝鮮のような生活になるかもしれない。

当然のように許されている、インターネットだとか自由という人権が脅かされる世界が待っているかもしれないし、新しく言語教育が始まるかもしれない。

そもそもそこに至るまでに「死ななかった場合」という前提だし、WW2で日本人が731部隊でやったこととか考えると、死という単純な道ではないかもしれない。単純に、コロナで変わった日常が、更にガラッと変わってしまう可能性。それも、独裁恐怖政治の可能性が高い。日本という国名さえ残るかわからない。

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「考えすぎだよ」というのもあるのだけれど、現段階での問題点というのはパルパティーンが国際法を無視して、一人の恐怖政治で戦争をはじめる姿勢を示していること。

ウクライナの映像なんかで、どうしようもなく胸が締め付けられるのはもう大前提として、本当の問題はウクライナよりその先の話だと思う。寄付は早い段階で決めていたのだけれど、状況を鑑みるとウクライナの被害だけで済むのかというように思えてきた。

私の微々たるお金で戦況が変わる可能性があればいいけれど、私も困窮民ではあるし、軍資金として役立ちそうにない。それは三木谷さんの10億が役立つかどうかで判明するだろうと思う。私はウクライナという国というより、無関係の子供たちや市民が死ぬ可能性を減らしたいという気持ちだ。

そう思うと、この先にWW3に発展したり、ロシアの侵攻が別の国に及んだ場合その度に寄付するのかと言えば、それはいたちごっこ感が否めない。

そもそも、パルパティーンがわざわざ「ロシアがウクライナに対して戦争をしないで平和的解決が出来るように模索する場」である安保理の最中に「宣戦布告」をして来ていること。

「戦争」というのも、国際法の上でいくつか定められていて「民間人を巻き込まないで、軍人・軍設備に限る」というような規定がある。これを全力で破ってきているのがパルパティーンであり、それは「ルールを破る宣言であり、全ての国(中国・北朝鮮は傀儡なので除く)を敵に回しても構わない」というのが問題。

強気すぎるのと、WW2で「もう戦争はみんな損失がでかいからやめようや」となったはずなのに、何も学んでいないのか、領土拡大しか考えていないのかという危険思想ですね。

痴呆症の最初の方は暴力的になるっていうからそれじゃね?というコメントを見かけたのですが、その方がむしろ腑に落ちますね。正気の方が怖いもん。

全世界を敵に回しても勝機があると思ってるなんて、どんな兵器を用いてどんな行動に移す気なんだ?という話ですね。アインシュタインの「第四次世界大戦は石とこん棒で戦うだろう」という言葉が染みますね。

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スクラップ&ビルドは必要だけれど、そう思うと難しいよね。

古事記や日本書紀という、日本の歴史書で、神の末裔とされるのが天皇なわけで。それが神道なのだけれど、きっとそういうのもあんまり今の人はよくわかんないだろうしね。

陰謀論とか都市伝説の話じゃなくて、戦後の教科書から古事記を教えるのをやめたのは本当だし、貨幣に人を印刷するのさえ許されてなかったんすよね。二宮尊徳は農民であり、リンカーンのポジションの賢い人であったから特別に壱円札への記載が認められたらしいです。

二宮金次郎像も撤去されてしまっている現代で、お国のために戦うというような思想は難しいだろうなって。ウクライナのように「国や文化や生活を守るために団結して戦う」という発想に至りづらくなっているよね。

そう思うと、スクラップ&ビルドをしようとしても、それより先に他国に占領される可能性が高いし、アメリカ以外の大国で上について幸せそうな国があんまりないよね。

昼間は無給で働いて、カエル漁しながら、ご飯が食べれないのに肥料としての排泄物にノルマがあったり、国内でも手形がなければ移動できなかったり、飛行機に乗って海外に自由に行くこともできなかったり。尖ったことを言えば、容赦なく死刑になったり、そんな日本になる可能性だって十二分にあるのにね。

まあ日本には技術とかカルチャーがあるからそこら辺を活かして労働させられるだろうから、北朝鮮とはまた違う毛色にはなるだろうけどさ。

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まあ、そんなことを考えながら、色々な状況を観察している日々です。

今日は月末なので、お金を下ろして年金だとか保険料だとか電気代支払ってこなきゃなので寝ます。どこまで書きたいこと書きなぐれたかわからないけれど、また気が向いたら推敲か新しく記事でも更新します。

考える力、大切なのに年々足りなくなっていくよねという憂国でした。

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