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【アート×町:逗子市がまちの幸福度ランキング3位&「ドクメンタ」に参加!】

2021年の<神奈川県版>街の幸福度ランキングTOP10で逗子市は3位、住み続けたい町ランキング2位(大東建託調べ)になりました。

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8年間に渡って逗子市活性化のプロデュースで分かったことは。
地方創生に必要なことは観光や産業の創出も大切ですが、持続可能な町を創るには町の住人が「子供が帰ってくる町」を自立的にデザインすることではないかと思うのです。逗子市には鎌倉のような観光名所も、大きな産業もありません。何もないことが逗子を手がける理由の一つでした。何もないから創れる!これが最初に逗子に関わった理由でした。

何を創るのか?それはアート&カルチャーです。アグリカルチャーの語源でもあるCultureはラテン語の(Agri=畑)=と(Culture=耕す)の合成語です。タネをまき耕し収穫するサイクルはまさに持続可能な文化の醸成を意味します。

オトナ(親)達が、みんなで楽しめる場を作っている姿をコドモも一緒に体験する。そんな体験を通して20年先に町の未来を創る子どもが町を愛していて大学や結婚で町を出ても、また戻ってくることが町の持続可能性を生み出すと考えました。そこで、逗子市総合計画に基づく、基幹計画である<共に学び、共に育つ、共育(トモイク)>を逗子アートフェスの基本コンセプトにしました。

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近視眼的な移住政策や観光開発、産業・産業創出が行政主導で行われ、それに依存する町は国の補助金頼りになる事が多く、立ち上げの予算があっても維持するための予算が見込めなくなった場合、または人口減少で自治体が公共サービスを税収で賄えなった場合、町の持続可能性は失われます。箱物行政で散々痛い目を見ている地域も多いはずですが、多くの自治体はあと10年もすると人口減少によって税収が底をつき公共サービスが維持できなくなります。

逗子市は2017年、アートフェスのプロデューサーを依頼された当初、人口6万人に満たない町のアートフェスにしては多くの市民も参加しはじめ、現代アートからストリートアートまでバリエーションを持って展示し市民からの高い評価もいただきました。

ところが18年度逗子市は予算編成で7億円の不足が見込まれると発表。約150の公共事業を見直すこととなりアートフェスの予算も0となりました。これは逗子に限ったことではなく、今後日本全国の地方で起こり得る事です。単純な話ですが、人口減少が進めば税収も減ります。自治体はこの税収によって成り立っているわけですから公共サービスの維持は不可能になります。自治体に頼るわけには行かなくなるのです。となれば、市民が自立して町を運営する必要が出てきます。今後の日本でこの状況は多発し、最終的にはトランジッション・タウンのような形で自給自足の町が自発的に作られる様になっていくでしょう。

逗子アートフェスの存続をみんなで協議し、市民自らクラウドファンディングで予算を獲得し、お金のない行政には汗を流してもらい2018年は逗子以外の地域からも多くのサポーターが訪れ自立的な開催に至りました。

以後、市民による市民団体逗子アートネットワーク(ZAF)が設立され、組織もティール組織を意識した自立分散型のチームが編成されていきます。作品も地元アーティストを中心に市民が延べ2000人以上参加する参加型作品ぼくたちのうたがきこえますかや、海洋プラスチックを再利用する環境問題をテーマにしたプレシャス・プラスチック・プロジェクト、障害の有無や年齢にかかわらず一緒に表現を楽しむみんなでアート、親子世代をターゲットにした地域コミュニティーを深める野外フェス池子の森の音楽祭、空き家問題をテーマにした空き家おくりびと」、独自の視点から実験映画に焦点を絞った螺旋の映像祭など市民が中心となり内発的に社会問題をテーマにした企画を立案し運営費用も自ら生み出し運用するところまで来ました

逗子市の地域プロデュースで大切にしていた事は、一過性の打ち上げ花火に終わらないことです。プロデューサーの思い以上に参加する町の人たちの気持ちが育たないと持続できない。
何故やりたいか?
何がやりたいか?
どうやったらできるか?
このパーパスやビジョンに共感が生まれて、最終的に自立して運営できるようになれば「町は自分達でデザインできる」事がわかってきます。

さらに嬉しいことに、昨年の2020年逗子アートフェスティバルに映像作品「Play with the Earth」で参加した「CINEMA CARAVAN」が 2022年、ドイツで開催されるヴェネチア・ビエンナーレに並ぶ国際美術展「ドクメンタ15」に招聘されました。こんな小さな逗子アートフェスの仲間が世界のアートシーンに発信します。


逗子の様にアートによって生まれた繋がりから住人自らが自立した町をデザインする、そんな意識がこれからの地域には必要だと考えています。

アートとコミュニティーで子供が帰ってくる街つくりをテーマに3/20 (日) 逗子文化プラザホールとオンラインで【逗子のまちとアートを考える ”ドクメンタ壮行会”】が開催されました。


逗子アートフェスティバル詳細はこちら▶︎ https://www.zushi-art.com/
《メインビジュアル》撮影:坂本寿行


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