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Creative management

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「正解の見えない時代」「AIが多くの仕事を担う時代」ライフスタイルやビジネスにアート×デザイン思考を取り入れることが注目を浴びています。ロジカル思考>デザイン思考>アート思考を横…
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#現代アート

【「理解しようとする姿勢」=「what」や「why」を起点に物事の本質を自分なりの見方で再構築する】

麻布台ヒルズギャラリー開館記念として開催されている「オラファー・エリアソン展=相互に繋がりあう瞬間が協和する周期=」に行ってきました。 空気中に放たれる廃棄物(亜鉛)は作品になる事で私たちの口に入ってこなくなります。小さな影響力であろうと諦めず表現する事が大切だという事に気付きます。 環境問題や社会課題に積極的に取り組むエリアソンは、それらの課題と向き合う時「how」ではなく「what」が大切だと言います。 ビジネスにおいてもSDGsやDX、新規事業も同様に手段から解決

【AIの著作権問題、AIが生み出す世界は「表現」?「アイデア」?それとも、、、】

文化庁は「著作物」を"思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの"と定義しています。 一方でアイディア (作風・画風) に当たる表現は著作物に該当せず、著作権法では保護されません。つまり、○○風というのは著作権侵害とはしない。 なのでAIが描いた画像や物語はアイデアに当たるので、〇〇風にとかのプロンプトから生成された画像は著作権侵害には該当しないというのが文化庁の見解です。 また、AIが学習するためにWeb上で収集してきた膨大

「弁天舎ブックフェア」

志茂浩和さんの「弁天舎ブックフェア」に行ってきました。TikTokやyoutubeで話題となり若い子達が殺到してました。 生成AIが作った表紙にタイトルをつけた架空の本<Fake Book>の展示と謎の弁天。 架空の本<Fake Book>の出版社(これも架空)である「弁天舎」についてお話しをうかがいました。会場で販売していた「弁天舎2百年史」のパンフレットによれば江戸時代、好評を博したとされる天女絵。浮世絵として展開するために工房が設立された紙時代からの人と人工生命が共

【六本木クロッシング2022展:往来オーライ!】

森美術館が3年に一度開催している日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会「六本木クロッシング展」に行ってきました。気になった作品をご紹介します。  玉山拓郎さんの「Something Black」  玉山さんはインタビューで、作品の持つ意味やメッセージ、思想が前提にあって作品を作るというより、まずは作品を作ってみる事で自分自身も鑑賞者に近い視点から作品について思考していると言っていました。自分がこの真っ赤な灯に包まれた空間から感じた事は、こんな内装のレストラン創っ

【逗子アートフェス2022:「海のほとり美術館」一緒に作品を作りませんか?】

逗子アートフェスティバルの作品制作を手伝ってきました。毎年、延べ2000人以上が参加して作る参加型作品を作っている現代アート作家の松澤有子さんが手がける作品は5月22日の公開に向けて絶賛制作中です! 松澤さんは「大地の芸術祭」にも作品を展示していて、制作する過程、そしてみんなで作ることを大切にしている作家さんです。 この作品は2018年から製作されている「ぼくたちのうたがきこえますか」シリーズの完結編となる作品です。 この作品シリーズは松澤さんのお子さんが海で拾ったプラス

【クリエイティブ解体新書】

SUPER DOMMUNE 2022/03/29 DOMMUNE SPECIAL PROGRAM「クリエイティブ解体新書」〜脳から生まれる創造性の原風景 perfumeや坂本龍一さんとのコラボやリオ五輪2016大会閉会式での東京五輪2020へのフラッグハンドオーバーセレモニーのAR映像などでもお馴染みの真鍋大度さん。脳の創造性を音楽の視点から探究する東京大学の医学博士 大黒達也さん、音の対話型鑑賞開発者モジュラーシンセの女神galcidこと斎藤レナさんと私で「クリエイティブ

【何かと話題のNFTやメタバースについて:NFTバブル】

最近、投資家の方からNFTやメタバースに関して意見を求められることが多くなってきました。未来のテクノロジーと社会思想というより、現状では投機案件の側面が強く、あまり興味もなかったNFTとメタバースですが、日本では数少ないメタバース事業の立ち上げに携わった経験もあり、その辺について私見ですが書いてみたいと思います。 NFTについては、90年代から本場NYのストリートでグラフィティーを描き続けているshiroさんがCryptovoxels(クリプトボクセルズ)というメタバースで

【世界トイレ化計画】

私自身が一番芸術家をしていたのは高校生の時です。 その行為がアートであるか?ないか?正直そんなことはどうでも良かったのです。高校生の目から見た社会への憤りを表現した行為、それを芸術活動と言えるとしたらその一つが「世界トイレ化計画」でした。 高校生の当時、トイレで読書をするのが習慣になっていました。なぜか落ち着くし集中できるという理由でした。ある日、知人が撮影に使ったというTOTOの洋式便器を捨てるというのでもらってきました。これでトイレに行かずとも自分の部屋で本が読める。そ

【メディアアートとシンギュラリティ】

アルスエレクトロニカは昨年で創立40周年を迎えた、オーストリアのリンツで開催されている芸術・先端技術・文化の世界的なフェスティバルです。 アルスエレクトロニカのコンセプトはデジタルな空間も公共の世界ととらえる必要があるというもので、人々が社会の構成員である事をアートとテクノロジーを通して再認識する事。人に「問い」を生み出して、アートはそれを考えさせるラボのようなものだ。という考え方があります。アートの視点からテクノロジーの起源・成功・さらには愚行に渡るまで追いかけ、予測し、

「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2021」

「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」は、メディアアートを中心にしたオーストリアのリンツで開催される世界最大級の規模の芸術・先端技術・文化の祭典です。今年度は「A New Digital Deal」をテーマに9月8日から12日まで開催されました。 行った事もない私が説明するのもなんですが、個人的な印象を書きたいと思います。 今年の傾向として、アーティスト個人の内的な表現というよりも研究団体や市民団体が社会課題の研究を芸術的に表現することで啓蒙するといった目的の作品が多い

「invisible cinema まだ見ぬ君へ」

メディア芸術の総合フェスティバル「第24回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」spiralで開催された「invisible cinema まだ見ぬ君へ」を体験して来ました。(すでに公演は終わっています) サウンドアーティストevala氏による音だけの“耳で視る映画”です。 暗闇という非日常はジェームズ・タレルの「南寺」でも経験しましたが、暗黒の70分間というのはかなり長いです。暗闇の中から雨や波の自然音に混じって電子音がサラウンドで聞こえてきます。最初は暗闇の中で音を意識を集

【Business as Art】

ありがたい事にNewaPicksのアート思考に関するインタビュー記事で500picks近く頂きました。また、ベネッセが運営するオンランセミナーUdemyの「創造性をビジネスに活かせる!アート思考×デザイン思考実践セミナー」講座の受講者は1000人を超えました。 最近、大手企業がアート思考を取り入れ始めています ●カルチャーコンビニエンスと「美術手帖」がアート思考× DBマーケティングのコンサルティング・サービス「PADDLING(パドリング)」を発表 ●デロイト トーマツ

【太陽の塔】

今、コロナ(太陽)は世界を闇(病み)で包み不安を増大させています。ポストコロナ時代に向けて1970年の「太陽の塔の」意味、岡本太郎の問いかけに耳を傾けてみよう。 縄文、曼陀羅、熊楠、贈与、神話、、多くのヒント。 万博は何だったのか? そのテーマは「 人類の進歩と調和」 太郎さんはそこに圧倒的に抵抗します。進歩を疑えと。。むしろ、内なる未開人、原始人を蘇らせろと。 芸術は決意だと太郎さんは言っています。 太陽の塔は人類に対する供物である?なぜ、いまだにあるのか?

【縄文からAIまでのアート思考】

今期の京都造形芸術大学の「縄文からAIまでのアート思考」の講義は終了しました。昨年に続き、客観性と主観性、言ってみれば左脳と右脳を行き来しながらアートについて感じ、考える事をテーマにしてきました。 教えると言うよりは、美術史、テクノロジー、考古学、社会学、臨床美術、地域創生、マーケティングなど様々な視点から経験や知識をシェアして個々が自分なりに結び付け理解していく事が目的なので学説的な論理体系はありません。自分自身の中に答えや気付きがある。 そのものであり、それこそが学んだ