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Creative management

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「正解の見えない時代」「AIが多くの仕事を担う時代」ライフスタイルやビジネスにアート×デザイン思考を取り入れることが注目を浴びています。ロジカル思考>デザイン思考>アート思考を横…
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#芸術

【AIの著作権問題、AIが生み出す世界は「表現」?「アイデア」?それとも、、、】

文化庁は「著作物」を"思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの"と定義しています。 一方でアイディア (作風・画風) に当たる表現は著作物に該当せず、著作権法では保護されません。つまり、○○風というのは著作権侵害とはしない。 なのでAIが描いた画像や物語はアイデアに当たるので、〇〇風にとかのプロンプトから生成された画像は著作権侵害には該当しないというのが文化庁の見解です。 また、AIが学習するためにWeb上で収集してきた膨大

「invisible cinema まだ見ぬ君へ」

メディア芸術の総合フェスティバル「第24回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」spiralで開催された「invisible cinema まだ見ぬ君へ」を体験して来ました。(すでに公演は終わっています) サウンドアーティストevala氏による音だけの“耳で視る映画”です。 暗闇という非日常はジェームズ・タレルの「南寺」でも経験しましたが、暗黒の70分間というのはかなり長いです。暗闇の中から雨や波の自然音に混じって電子音がサラウンドで聞こえてきます。最初は暗闇の中で音を意識を集

【日本人の妄想力】

日本に芸術という概念はなかった。 日本で最初に芸術という概念が生まれたのは、明治時代。最初に訳語としての「芸術」を用いたのは1883年(明治16)の中江兆民と言われています。つまり、その前まで芸術という言葉(概念)は日本になかったということになります。芸術という概念自体、欧米の文化として輸入された概念であったのです。西洋から輸入された教養としての芸術が文明国家として持て囃され、その頃から芸術の欧米化がはじまります。   つまり、今私たちがいう芸術は日本の独自の絵画や彫刻、音

【Business as Art】

ありがたい事にNewaPicksのアート思考に関するインタビュー記事で500picks近く頂きました。また、ベネッセが運営するオンランセミナーUdemyの「創造性をビジネスに活かせる!アート思考×デザイン思考実践セミナー」講座の受講者は1000人を超えました。 最近、大手企業がアート思考を取り入れ始めています ●カルチャーコンビニエンスと「美術手帖」がアート思考× DBマーケティングのコンサルティング・サービス「PADDLING(パドリング)」を発表 ●デロイト トーマツ

‪【あなたの欲しいモノ・コトはなんですか?】

アート思考セミナー受講者2000人近くの人に 「あなたの欲しいモノ、コトは何ですか?」という質問をしています。 1番多い回答は「時間」です。 ‬ ‪厳密には「私の時間」です。 ‪やりたい事をしている時、あなたは「時間」に満たされます。 やらされている事が増えると「自分の時間」が失われます。 時間は定量的には有限で、定性的には無限です。 時間は無限でしょうか? フロー状態は時間を超える フロー(英: flow)とは、人間がそのときしていることに

【脱アート:③踊る神の島バリ】

アートは無くなってしまえばいい。 アート思考を日々考えていくうちに、今注目されているビジネスとアートの関係を紐解く為には、その前に人や社会とアートの関係について踏まえておく必要があると考えました。その3回目。過去の記事は以下になります。 私が30年前にフィールドワークを行なったバリの舞踏にアーキタイプ(芸術以前の元型表現)のヒントを探してみたいと思います。 観客不在 私がバリ舞踏を知ったのは1985年のプリアタン歌舞団の国立劇場での公演でした。煌びやかなガムランの響きと魅

【脱アート:②シティーリペアーと日本の地域アートにおける課題】

前回のnoteではアート以前のアートをアーキタイプと呼んで縄文のアーキタイプに触れました。 今回は現代の社会現象としてのアーキタイプを紹介しましょう。 シティー・リペアー アメリカで一番住みたい街、ポートランドの「シティーリペアー」についてご紹介します。2018年逗子アートフェスティバルの関連イベントとして逗子アートネットワークのメンバー佐藤 有美さん主催で「シティーリペアー」を推進するNPOのコアメンバーとして10年以上に渡り活躍してきたマット・ビボウさんのセミナーを開

【脱アート:①アートとアーキタイプ”縄文式土器はアートなのか?”】

アートは無くなってしまえばいい。 アート思考を日々考えていくうちに、今注目されているビジネスとアートの関係を紐解く為には、その前に人や社会とアートの関係について踏まえておく必要があると考えました。 唐突ですが、私は心の底でアートという概念がなくなってしまえば良いと思っています。表現することをやめるという意味ではありません。一般的に言われる西洋からもたらされたアートという概念自体に疑問を感じているという意味です。もともと芸術という言葉自体、明治時代以前、日本にはなかったそうで

【私がアート思考になったワケ:③メディア論<身体性と精神性の拡張>】

【私がアート思考になったワケ:②高校生アート集団】のつづき 日芸 大学受験で日本大学芸術学部を志望すると、担任の教師は「お前のような勉強のできない個性のない生徒は合格できないから志望校を変えるように」とまで言われます。学校では存在を隠し、地味でスポーツも勉強もできない人格を装い、校外ではアート集団の団長という2重人格で生きていましたから無理もありません。日大芸術学部の放送、演劇、写真、文芸学部を受験してギリギリで演劇学部教養学科に合格します。芸術の総合大学と思いきや、、ち

【アート思考の原体験と教育】

今から50年前の自分。圧倒的に素敵な未来とアートやデザインがそこにはあった。それが僕の未来像になった。SF映画のような未来の建物や見たことのないデザインは単なる物質的な豊かさだけではないアートとテクノロジーが融合した未来都市。その頃から人間の創造力の素晴らしさやテクノロジーの可能性が自分の中に芽生えたのかもしれない。  この体験が僕のアートの原体験だった。そして、50年を経た今、テクノロジーは確かに進み日本は世界的にも安全で便利な社会になった。でも、一つ気がかりなのはア

【文化ってなんだ?】

自分でアート思考のセミナーとかやって何がしたいんだろう?と考えたら【思考の種まき】がしたいんだとわかりました。種をみんなで耕したら文化になる。 「culture」の語源は「耕す」を意味するラテン語で「心を耕すこと」なんだそうだ。【思考の種まき】においては、その種は気付きだったり好奇心の素だったりする。 これからの日本が誇れるのはITでも経済でもなく文化であると思います。アート思考はみんなで文化を耕すことの重要性も示唆している様に感じます。私たち日本人は島国として、いい意味で

【アート思考でビジネス脳を刺激するワイン会】

=チームラボ×グロービス×アート思考= チームラボの椎谷、グロービスの松林とシバが主催するイベント&交流会です。最近話題のアート思考ですが、感じていたのはアート思考には2つの局面があって、それはアーティストマインドの精神性・内面性とビジネスで利益を生むための経済の両局面で語られていることです。 ルーブル美術館は年間約1000万人来場します。入場料は1200円として年間120億円。一方、「ゴッホは生涯にわたって1枚しか絵を売っていない」という逸話もありますが、彼の名作「ひま