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‪【あなたの欲しいモノ・コトはなんですか?】

アート思考セミナー受講者2000人近くの人に   
「あなたの欲しいモノ、コトは何ですか?」という質問をしています。
  1番多い回答は「時間」です。
‬ ‪厳密には「私の時間」です。
‪やりたい事をしている時、あなたは「時間」に満たされます。
 やらされている事が増えると「自分の時間」が失われます。
 時間は定量的には有限で、定性的には無限です。  
時間は無限でしょうか?

フロー状態は時間を超える
フロー(英: flow)とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。  From『ウィキペディア(Wikipedia)』 

 心理学者のミハイ・チクセントミハイは「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」または「内省的意識の喪失」、「行為と意識の融合」この状態をフロー状態と言っています。時を忘れるほどに何かに集中している時間、自他の境界がなくなる瞬間はまさに自分自身に一番近い状態「私の時間」を生きている。ということです。
スポーツ選手はゾーンに入ると表現していたり、芸術家も作品に集中する時間はこの状態にあります。草間弥生さんは自叙伝「水玉の履歴書」の中で”没入””無我夢中”ということばで表現しています。延々とブツブツを描いているうちに自他の境界もなく時空を越える状態になると言います。

「フロー」とモチベーションの密接な関係
 フロー状態になるための基本的な条件として内発的な動機であることが重要です。 単純にいえば「やりたい事をしている」つまり、「自分ごと」で行動している時といえます。この対局にあるものとして外発的動機は報酬や賞賛など対価を得られることが目的の動機です。 ダニエル・ピンクは著書「モチベーション3.0」の中で内発的動機をモチベーション3.0と定義しています。この本によれば

モチベーション1.0・・・生存を目的とする生物学的な衝動
モチベーション2.0・・・報酬や賞賛、罰を避けるための行動=外発的動 
モチベーション3.0・・・自分の内面から湧き出る内発的動機
と定義していて、フローはこのモチベーショ3.0の状態、つまり内発的動機であることが重要です。
  
モチベーション3.0の時代
同じものをたくさん生産することで生産性が高い程優位であった時代は2.0でもも問題ない時代でした。なぜなら生産した分報酬を与えれば生産性が上がると考えていたからです。ところが今日、生産性をあげることがどれだけ必要でしょうか?経済成長のおかげでモノに満たされ、モノが氾濫し、多くのモノが生産されては廃棄され物質的に豊かになった一方で環境は破壊されてきました。一方でサブスクリプションやシェアリングエコノミーはモノをもたない経済を生み出し、モノを持っている人が優位な時代は過去のものとなっています。モチベーション2.0は生産性を高めることはできても自立的で創造的な環境には適していません。
モチベーション3.0は「創造的で柔軟な問題解決」を生むといわれており、まさにアート思考を考える上で必要なマインドセットであることが言えます。

自分の時間を生きる
世界経済フォーラムの創設者シュワブ会長は資本主義の限界を超える概念として「才能主義(タレンティズム)」が必要であると提案しています。創造的で新しいモノを生み出す才能が必要とされています。時間を超えて自分自身になるフロー状態は内発的な動機から生まれます。フォロー状態とまではいかずとも、「自分の時間」を内発的な動機で思考し、創造する時間が必要な時代です。 自分の時間を諦めない事が大切です。他人や組織のためだけでなく自分の為(内発的)の時間を作ることがこれから求められる人才の基本になってきます。





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